2022年5月16日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、『シン・ウルトラマン』はかつて少年時代にウルトラマンファンだった人たちのツボにハマる作品だと絶賛していた。
伊集院光:『シン・ウルトラマン』を封切りの日に見に行って。で、俺は本当に幸せだと思った。俺の素直な…54歳で、ウルトラマン自体は俺が生まれた時にはもう始まってて。
42年生まれで、自分が理解できるようになった頃には、恐らく『帰ってきたウルトラマン』の終わりとか。それも下手すれば再放送で、エースぐらいで。
ただ、小学校に入ったあたりで、ウルトラマンの再ブームみたいなのがあって。入れ代わり立ち代わり再放送をやって。たしか、朝早起きするとウルトラマンやってたんだよね。早起きして、ウルトラマンシリーズ見て。で、それからプロ野球ニュースの前の晩の再放送があって、それを見て、みたいな。
そんな暮らしをしてて。で、だからウルトラマンをガッツリハマって。で、そういうオジサンが今回の『シン・ウルトラマン』を見たら、めちゃめちゃ面白かった。本当に面白くて。
ただ、問題はこれが余計なお世話だってことになるんだけど。これ、俺らおじいちゃんは「長生きしてよかったよ」っていう(笑)本当に長生きしてよかったっていう。
細かいことを言うと、ウルトラマンとか仮面ライダー、好きになります。好きになって、で、チン毛が生えてきたあたりかな。「ここは科学的に言うとこうおかしい」みたいなことをツッコむのが凄い楽しくなってくるわけ。
ガンダムとか宇宙戦艦ヤマトでも、「宇宙の無重力状態なんだから、こういうことは起こらないよ」とか。仮面ライダーの敵が一気にかかればいいのに、順番を待ってかかってくるのはおかしいんじゃないか、とか。
ウルトラマンで言うと、なんで地球侵略しに来るのに、日本にばっかり宇宙人が来るんだ、とか。ハヤタ隊員がいつも何かのアクシデントでいない時に限ってウルトラマンが出てくるんだから、ハヤタ隊員がクビになるなり、「お前、いつもいないな、荷出しの時」って(笑)「棚卸しの日、必ずお前こないな」ってことになるわけじゃないですか(笑)科学特捜隊の棚卸しって何なの?(笑)
そういうのが楽しい時期に入るんですよ。で、自分で自分の好きだったウルトラマンや、アニメなんかを傷つけ始めるんだけど、なんかそれがチン毛生えかけなりに「大人だ」みたいなことを思いだすの。揚げ足を取っていく、みたいなことが。
でも、そのことで何か大切なものを色褪せさせたりして。で、庵野さんって監督の…庵野さんは、それをもう一回、力技で元に戻そうとしてるっていうか。「そのお前の揚げ足を取ったところは、こういうことです」とか。
またこれがいい塩梅でさ。とてもいい塩梅で、発表されてるところで言えば、カラータイマーないですよとか。カラータイマーがないことに対して、ツッコむわけ。「宇宙人なのに」って。「素っ裸なはずなのに、カラータイマーが真ん中にあって、しかもピンチを人に知らせるようになってるって、どういう進化の仕方なんだよ」みたいなことを言ってきたんだけど。
カラータイマーをなくして。これが面白いんだよね。カラータイマーはなくしていい、とか。これに関してはこだわるみたいなところが、いちいち自分のツボとめちゃめちゃ合ってて。
ウルトラマン全く知らない人にとっては、「ここちょっと物足りなく感じるんだろうな」って思うんだけど、俺たちからすると、「この物足りなさも含めてちゃんと当時の空気をきちんと出してる」とか。
俺らのウルトラマン見てた頃に、フジ隊員って隊員がいるんだけど。この隊員に対するエピソードがあるんだけど、これを「ここ拾ってくる?」とか。それがいちいち、僕のツボに入ってくる。
で、見終わった感想は、「これは本当に俺と同年代のウルトラマン大好きなオッチャンたちは、長生きしてよかった」って思うんじゃねぇかなって。