2023年11月25日放送の読売テレビ制作の番組『川島・山内のマンガ沼』(毎週日曜25:28 – 25:58)にて、お笑いコンビ・麒麟の川島明が、夢を抱く生徒に背中を押すのではなく現実を突きつける漫画『夢なし先生の進路指導』をおすすめしていた。
山内健司:『夢なし先生の進路指導』は、笠原真樹先生。2023年4月から週刊ビッグコミックスピリッツにて連載中。単行本は第1集まで発売。
川島明:はい。
山内健司:概要なんですが、主人公は元キャリアコンサルタントで、数学を担当する高校教師、高梨律。
川島明:はい。
山内健司:これが「夢なし先生」と呼ばれている人なんですけど。
川島明:はい。
山内健司:なぜ夢なし先生と呼ばれているかと言いますと、あまりにも現実的な進路指導を行うんですね。
川島明:うん。
山内健司:進路指導の時に、生徒の夢に対して、現実的なデータ。世の中の実情を突きつけ、否定して覚悟を問うんです。
川島明:ほう。
山内健司:だから、「声優になりたいんです」とか、進路指導の時に言うと、普通は「頑張れよ」とか、「じゃあ声優学校行こうか」とか勧めるじゃないですか。
川島明:はい、はい。
山内健司:じゃなくて、この夢なし先生は「声優になりたいと言ってますけど、声優を目指してる人はこれだけいます。そして、卒業して実際に事務所に所属できる人はこれだけです。中には、枕営業を強要されたという話もあります。どうするんですか?」みたいなことを言うんです。
川島明:現実を突きつけるんや。
山内健司:現実をめちゃくちゃ突きつけてくるんです。で、生徒からしたら「なんでそんなこと言われなくちゃいけないんですか」みたいになって、その声優を目指してた子は、夢なし先生の危惧した通り、なかなかうまく進まないんですね。
川島明:なるほど、あ、でも声優の道行ったんや?
山内健司:この子は、声優の道を夢なし先生の言うことは聞かずに、夢に向かって突き進むんですけど、現実はやっぱり夢なし先生の言ってた通り厳しくて、むしろ夢なし先生の言ってた通りのような生活を送っちゃって。
川島明:ああ。
山内健司:そしたらその夢なし先生は同窓会に「あの子来てないな、大丈夫かな」というので、何気なく偶然出会ったふりをして、声優として行き詰まって、もう自殺しようかな、ぐらいになってるこの子のところに行って。
川島明:ああ。
山内健司:「大丈夫ですか?」って声かけて、今度は「諦めるための授業」を始めるんですよ。
川島明:へぇ。
山内健司:この一見愛情がないように見えて、誰よりも生徒のことを考えてる先生のこのヒューマン的な教師物語。
川島明:なるほど。
山内健司:ここの…僕は89ページが一番好きなんですけど。
川島明:はい…諦める、という言葉の語原。「諦めるという言葉の語原は、明らかにする、だそうです。明らかにしてよく見極めるという意味で、本来はポジティブな言葉でした。それがいつしか断念するなどのネガティブな意味で使われるようになりました」。
山内健司:はい。
川島明:どうしたん?山内。血も出ぇへんやん(笑)
山内健司:はっはっはっ(笑)
川島明:何、格好つけてんねん。
山内健司:はっはっはっ(笑)でも、めっちゃ刺さる漫画だったんですよ。