2023年8月20日放送のTOKYO FMのラジオ番組『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』(毎週日 23:00 – 23:30)にて、ジブリプロデューサーの鈴木敏夫が、宮﨑駿が『となりのトトロ』制作で高畑勲を意識するがあまり方向性を見失っていたため「ウソをついた」と告白していた。
鈴木敏夫:諸般の事情によって、『となりのトトロ』と『火垂るの墓』。これを同時に作ってね、で、二本立てにして世の中に出そう、と。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:そしたらね、いやぁなんて言うのかな…その2本立てになった影響ね、凄いやっぱり受けたのは宮﨑の方で。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:高畑さんはね、『火垂るの墓』を作るのに徹する。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:ところが宮﨑はね、高畑さんがいることを物凄い意識する。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:だから、向こうが文芸モノをやってる時にね、「鈴木さん」って言うから、「なんですか?」って言ったら、「猫を空飛ばすわけにはいかない」って言い出して(笑)
池澤夏樹:ふふ(笑)
鈴木敏夫:で、コマ乗ってトトロが飛ぶでしょ?
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:「こんなバカなことやってられないよ、鈴木さん」って(笑)
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:もう、僕、ウソついたんですよ、これ。もうしょうがないから(笑)
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:もうね、なんてウソついたかって言うとね、手がつけられなかったから。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:「宮さんね」って言うから、「なに?」って。「いや、ちょっと高畑さんの意見を聞いてみたんですよ」「なにを?」「いや、ネコバスとコマの話。やるべきだって言ってましたよ」「あ、そう?」って(笑)
池澤夏樹:はっはっはっ(笑)
鈴木敏夫:ふふ(笑)そういうやり方ですよね(笑)
池澤夏樹:猛獣使いのように。
鈴木敏夫:はっはっはっ(笑)本当にね、あんな人いないですよね。