2023年9月3日放送のTOKYO FMのラジオ番組『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』(毎週日 23:00 – 23:30)にて、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、宮崎駿は『君たちはどう生きるか』の大叔父に高畑勲を重ねていて制作途中に「高畑さんが亡くなった」ことで大きくストーリーが変わったと明かしていた。
鈴木敏夫:やっぱり、お母さんがね。彼の実母、体が弱くて。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:ずっと入院。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:で、彼は兄弟4人で。そうすると、家事はかわりばんこに誰かがやらなきゃいけない。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:その中でね、一番頑張ったのがね、お母さんの面倒から、家事から。宮﨑みたいなんですよね。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:で、それがね、常にそう言ってたし。お母さんへの思いをちゃんと。今までも色んな形で姿を変えてやってきたけど、今回はちゃんとやってみたい。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:それは多分あったんでしょうね。それが横道に逸れるから訳分かんないんですけどね
。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:だから色々話を聞いてるとね、大叔父って出てくるじゃないですか。あれはね、自分が抜擢されて。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:で、この世界でなんとかやれるってきっかけを作ってくれたのは、先輩だった高畑さんなんですよ。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:『ホルスの大冒険』って作品で、それでそのことに非常に感謝してて。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:で、色々話してる時に、僕はそう思ったんだけど。大叔父がね、自分も抜擢してくれた、どうしていくか道筋を出してくれるはずの話だったんですよ。
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:それがね、やってる内にね、高畑さんが亡くなるっていう事件があって。そうするとね、亡くなった瞬間ね、その呪縛から…そんなこともういいよって。「高畑さん死んじゃったから飽きた」って(笑)
池澤夏樹:もうめちゃくちゃなんですよ(笑)
鈴木敏夫:実に面白いんです(笑)…で、次になにをしようって(笑)自由でいいですよね(笑)
池澤夏樹:うん。
鈴木敏夫:だから、シナリオ書かないっていうのは先般も申し上げたかもしれないけど。
池澤夏樹:はい。
鈴木敏夫:やっぱりね、絵が先の人ですよね。