2019年11月4日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、お笑いコンビ・とんねるずの石橋貴明がゲスト出演し、伊集院光とともに、バラエティ番組へ寄せられる「視聴者の抗議・クレーム」へのテレビ局による対応の時代的な変化について語っていた。
石橋貴明:とにかく、出たらハチャメチャなことをして、少しでも爪痕を、今の言葉で言う、爪痕を残そうと。
伊集院光:残す感じっていう。
石橋貴明:また、それを期待されてたしね。テレビ局のディレクターさんも、演出家も、テレビの前の視聴者も、みんな「何やってくれんだ?」って。「ダメだ」っていうのに、歌謡ナントカ大賞みたいなところで、すげぇ大階段があって、「登っちゃダメですからね」って言われると、「登ってね」って言われてんだと思って。
伊集院光:ふふ(笑)
石橋貴明:歌いながら登ってっちゃったり。
伊集院光:ふふ(笑)
石橋貴明:大道具さんとか、「あんなの登ってったら、ひっくり返っちゃうよ」とか。
伊集院光:うん。
石橋貴明:10 m以上あるオスカー像みたいなのが2本オブジェで置いてあるのに、それを引っこ抜いたり。
伊集院光:ふふ(笑)
石橋貴明:ダメだって、引っこ抜いたらって。
伊集院光:逆に言うと、「ダメだってことは、俺の仕事はあれを引っこ抜くことだ」ってなっちゃうよな(笑)
石橋貴明:そういうことをしなきゃ、視聴者に「大人しいな、今日」って言われちゃうんで。
伊集院光:でも、それが世の中変わってきたから、本当にダメだって人出てくるじゃないですか。それ、期待されて「ダメだ」をやるのに、ある意味それで、大声援を送る、「やってくれた」って思うファンもいっぱいいるんだけど、なんだか分かんないけど、視聴者の方から「本当にダメだ」って言われて。
石橋貴明:うん。
伊集院光:今度、「その通りですね」っていうテレビの人も出てくるじゃないですか。「その通りやっちゃダメだな、アレ」っていう。
石橋貴明:だって、昔、80年代なんて、電話で抗議がかかってくるわけですよ、テレビ局に。そうすると、最初は受け答えしてるんですけど、大体、テレビ局の人言ってますからね、「イヤなら見るな」って。
伊集院光:はっはっはっ(笑)
石橋貴明:コンプライアンスも何もないですよ。そのうち、あまりにも鳴るんで、受話器上げちゃうんですよ。話し中にしちゃうんですよ。
伊集院光:僕も、某放送局で、「担当者は死にました」っつって切ってる人見たことあるんですけど。そういう感じで。で、最近気がついたんだけど、ドリフがPTAの「見せたくない番組」の1位に毎年輝くってことは、終わらないってことなんですよ。
石橋貴明:うん。
伊集院光:抗議は抗議だし、でも人気は人気っていう。上手い言い方分かんないけど、そのバランスとれてて、100人が「アイツけしからん」って言った時に、面白いって方の人は電話かけないじゃないですか。
石橋貴明:うん。
伊集院光:そうすると何か、ちょっとジャッジが今、厳しいよなっていう。
石橋貴明:当然のように、俺も『8時だよ全員集合』世代だったんで、加藤さんとかみんながマヨネーズをビャーって生放送中にかけたりだとか、トマトケチャップかけたりだとか、生卵をぶつけたりだとかっていうこと、「食べる物を粗末にしてる、ああいうのを見ると子供は真似する」って言うけど、だけど俺たちそれを見て、人にマヨネーズもかけなかったし、ケチャップもかけなかったし、そこは子供なりに分かってんだよね。
伊集院光:うん。
石橋貴明:それを余りにも大人が「ん?」ってやりすぎちゃってるんじゃないかなって。子供はちゃんと見て感じるし、それは当然のように分かってる、延長線上でやってるっていうことが、子供は子供なりに理解してんだよね。
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