2021年6月22日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、伊集院光と稲川淳二が、ラジオも怪談も「虚々実々みたいなのが面白い」と語っていた。
伊集院光:話に尾ひれがつくとか、我々の世界で言うと、「盛る」とか言うじゃないですか。
稲川淳二:ええ。
伊集院光:それが、みんなが思うヤラセとか作り話とかとは別にして欲しいんだけども。
稲川淳二:うん、うん。
伊集院光:なんか「こうした方がより伝わる」っていうのが、伝承者のくせが出るじゃないですか。
稲川淳二:私、絶対に思うんだけどね。ある有名な出版社ですよ。で、私、一応そこの役員みたいな感じで毎回、怪談行くんだけど。
伊集院光:はい。
稲川淳二:作家の方々がね、「実話、実話」って言うんですよ。
伊集院光:ああ、はいはい。
稲川淳二:で、一般の方や、プロの方も来るんだけど、申し訳ないけどね、つまらないんだ。
伊集院光:ああ。
稲川淳二:なぜかって言うと、起きたことばっかり並べてるんだ。
伊集院光:はい。
稲川淳二:何が起きたかじゃなくて、「これはなんで起きたのか」とか、「どうしてこうなるんだろう?」とか、「これってこうじゃない?」って、推理も何もしてないのね。
伊集院光:うん。
稲川淳二:今、伊集院ちゃん言われたようにさ、推理をしたり付け足すことは、決して間違いじゃないんですよね。
伊集院光:そうなんですよ。逆に言うと、実話じゃないところが、実話だったりするんだよね。要するに、そこでご迷惑がかかっちゃうお家があったりすると、実話じゃないように話してるんだけど、そこは本当の話だったりとか。
稲川淳二:ある、ある。
伊集院光:そのね、虚々実々みたいなのが、ラジオも怪談も面白いんじゃないのって思うんですよ。
稲川淳二:それが楽しいじゃない。たとえばね、今、私がタキシード着てるけど、誰も気づかないじゃない。
伊集院光:それは作務衣ですよ(笑)
稲川淳二:タキシードじゃない?
伊集院光:怪談家そのものの服です(笑)