伊集院光、久米宏の『ラジオなんですけど』降板で永六輔にパーキンソン病を患いながらもラジオ番組を続けるよう訴えかけたエピソードを語る「リスナーが前のめりになり話を迎えにいくから…」

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2020年6月25日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、久米宏の『ラジオなんですけど』降板で永六輔にパーキンソン病を患いながらもラジオ番組を続けるよう訴えかけたエピソードについて語っていた。

伊集院光:僕は、これ怒られるのを覚悟でもう一回言いますけど、永六輔さんがね、亡くなられる寸前ってね、正直、滑舌本当にキツかったんです、永さん。

久米宏:うん、一時よくなったり、キツくなってたり、繰り返してましたね。

伊集院光:ええ。で、僕、永さんに面と向かって言ったんです。

久米宏:うん。

伊集院光:「永さんの骨壷がここに置いてあるだけでも、意味があるんです」と。

久米宏:はい。

伊集院光:で、僕らからすれば、たとえば永さんが随分お疲れになってて、滑舌が悪くても、永さんが許さないことであれば、永さん何か声を発するから。「今、永さんが喋ってないってことは、何も唸ってないってことは、永さんの検閲を通ってる」っていう考え方だ、と。

久米宏:うん。

伊集院光:で、「骨壷になっても、恐らく永さんが許さないことを言ったら割れんでしょ?」って(笑)

久米宏:うん。

伊集院光:「だから、永さんはご自分で辞められるのは困ります」って言ったんですね。

久米宏:うん。

伊集院光:で、永さん笑ってましたけど(笑)僕、久米さんに全く同じことを思うんですよ。

久米宏:あのね、不思議でね、永さんね、最後の方はほとんどお話になれないような状況でマイクの前にいらっしゃったんですけど。

伊集院光:はい。

久米宏:その前にね、少しよくなった時期があって。

伊集院光:ありました。

久米宏:あったんですよ。で、その前にヒドイ時期があって。

伊集院光:はい。

久米宏:ほとんど何を言ってるか分からなくて、「これ、成立するのかな?ラジオ番組として」って思うような時期があったんですけど、その時がね、ラジオの場合は聴取率っていうんですけど。

伊集院光:はい。

久米宏:凄くよかったんですよ。

伊集院光:本当ですね。凄いですね、あれはね。

久米宏:何を言ってるか分からないけど、みんなが聴いてるっていう(笑)

伊集院光:それは、迎えに行くっていう作業で。

久米宏:うん。

伊集院光:僕は落語家の若い頃に、「一番大事なところは大きい声を出せばいいんだろ」って思うんだけど、実はそうじゃないってことを教わるじゃないですか。お客さん側の方から、前のめりになって「おい、なに言ってんだ?」ってなった時が、一番大事なところで。

久米宏:うん。

伊集院光:ヘタすりゃ聴きにくい方がいいぐらいって。多分、その境地に近いんじゃないかしら。

久米宏:うん。

伊集院光:もちろん、外山惠理って天才の介護が凄かったっていうのもあるんだけど。

久米宏:トランスレーターがね(笑)

伊集院光:凄かったから。憑依されつつやってたからっていうのがあるんでしょうけど。久米さんだってそうじゃないですか。堀井さんとのコンビって凄いじゃないですか。

久米宏:アイツは、トランスレーターとしては、誤訳の名手だからね(笑)

伊集院光:はっはっはっ(笑)

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