2019年8月19日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、師匠・三遊亭円楽が脳腫瘍での休業明けの落語『死神』で「さらに色々改良していた」と明かし、「まだ上手くなろうとしてる」と語っていた。
伊集院光:昨日ね、また久しぶりにね、落語を見てきましてね。
新井麻希:はい。
伊集院光:国立演芸場の中席が、ウチの師匠の円楽がトリをとってまして。
新井麻希:ええ、ええ。
伊集院光:で、また脳腫瘍とかあったから、顔を出したんだけど。
新井麻希:うん。
伊集院光:「ラジオのネタ拾いに来たんかい?」って言われて(笑)
新井麻希:ふふ(笑)
伊集院光:「はい、あとタダで落語を見にきました」なんつって(笑)
新井麻希:ふふ(笑)
伊集院光:で、行ってきたんですけど。
新井麻希:はい。
伊集院光:まぁ、元気100%じゃないんでしょうけど…これ、難しいのがね、弟子が師匠の落語を見て、批評するみたいになっちゃうじゃん。
新井麻希:はい(笑)
伊集院光:それが100%だとか、90%だとか言っちゃうと、おそらく「100%でした」って言うと、「俺もっとできますけど」って言われる可能性もあるし、次に会った時に、「随分、お偉くなりましたね、評論家の伊集院先生は」ってことにもなりかねないからまぁ難しいんだけど。
新井麻希:はい。
伊集院光:おそらく、体調的には本調子じゃないんだろうけど、でもなんかね…
新井麻希:ええ。
伊集院光:すげぇなぁって思ったのが、まぁお客さんも俺もさ、「楽ちゃん大丈夫?」って思って行ってるわけですよ。
新井麻希:はい。
伊集院光:で、やった演目が『死神』っていう(笑)
新井麻希:ふふ(笑)
伊集院光:ちょっと洒落がキツイよって話なんだけど。まぁまぁ、元気だからできますよってことなんだけど。
新井麻希:はい(笑)
伊集院光:まぁ、『死神』って話は、古典でも超有名な作品だから。
新井麻希:へぇ。
伊集院光:カネのない男がある日突然、死神が見えるようになりました、と。
新井麻希:ええ。
伊集院光:病気の人の周りには、必ず死神がいます、と。で、枕元に座ってる場合は、その人の病気は治ります。足元に座ってる病気は治りません、みたいなルールがあります、と。
新井麻希:うん。
伊集院光:で、その死神退治する話で。もうずっと昔から。なんかね、江戸時代の終わりだか明治時代の時に、円朝って落語の超名人が、ドイツの童話を元にかな。ヨーロッパの童話を元に創作したって言われてる古典的名作なんだけど。
新井麻希:そうなんですか。
伊集院光:洒落キツイなぁって思いながら舞台袖でずっと見てたら、色々改良してんのよ。
新井麻希:へぇ。
伊集院光:僕がいた時分には、そういうふうにやってなかったっていう、ちょっとした脚色をまた入れてて。
新井麻希:たとえば?
伊集院光:死神退治のアイデアを思いつく、みたいなくだりがあるんだけど。そこにワンシーン、「そっか、急に思いつくっていうのは強引だったけど、ちょっと伏線みたいなの入れるんだ」とか。
新井麻希:ああ。
伊集院光:なんかムカつく。まだ上手くなろうとしてるから。
新井麻希:はっはっはっ(笑)
伊集院光:こっちはダラッと生きてやろうと思ってんのにさ、向こうがまだ面白くしたいって思ってるってことが。なんですかね。
新井麻希:ムカつくんですか?(笑)
伊集院光:ムカつきますよ。こっちは努力をやめられないじゃないですか、そんなことをやられちゃったら。
新井麻希:はい。
伊集院光:だから今日も、国立演芸場の昼間の席とってると思うんですけど。
新井麻希:はい。
伊集院光:そういう感じでした。