2024年6月7日配信開始のYouTubeチャンネル『みんなのテレビの記憶』の動画にて、放送作家・高田文夫が、ビートたけしが「フライデー襲撃事件」による謹慎から『ビートたけしのオールナイトニッポン』で復帰するため、マスコミとの駆け引きに勝利した方法を告白していた。
高田文夫:大変だったね、いなくなってね。
土屋敏男:そうですよね。だから、あの時に各局、たけしさんの番組があって。
高田文夫:そう、全部あった。
土屋敏男:で、帰ってきて。テレビ局もだから、いなくなると…
高田文夫:大変だよな。
土屋敏男:成立しないからっていうんで、すぐ復帰を一回させたんですよね。
高田文夫:そう、そう。それでだから叩かれた。
土屋敏男:そう、それで叩かれて。だから僕、『元気が出るテレビ』復帰させて、そのまま保冷車に一緒に乗って(笑)
高田文夫:保冷車(笑)
土屋敏男:で、カモフラージュのつもりで一緒に毛布包まって、保冷車の中で(笑)テレ朝まで行ったんですよ(笑)
高田文夫:ああ、そう。で、あの時は復帰認められなかったんだよな。
土屋敏男:そう。で、みんなでやれば、それこそ渡れんじゃないかって思ってやったら、やっぱりダメで(笑)
高田文夫:足並みがな、揃わなかった。
土屋敏男:そう。
高田文夫:なってさ。
土屋敏男:で、もう一回、謹慎になる。
高田文夫:なるんだよな。で、亀渕さんがさ、「高田さんどうする?」って言うから、復帰を。
土屋敏男:はい。
高田文夫:各局、失敗してんだけど。
土屋敏男:はい。
高田文夫:「やっぱりたけしはね、オールナイトニッポンが一番いいだろう」と。
土屋敏男:はい。
高田文夫:世論もさ…ファンが一番聞いてるしね。
土屋敏男:はい。
高田文夫:亀さんも頭いい人だから、そういうこと気がつくんだけどさ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:でさ、「オールナイトで復活させようか」って、二人で決めて。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:それを決めたこと持って、湯ヶ島まで行ったんだよ、一人で。
土屋敏男:はい。
高田文夫:で、タケちゃんも山の中で隠れてただろ。
土屋敏男:はい。
高田文夫:あそこ一人で行ったんだよ、最後に。温泉浸かってんだよ、ずっと。「バカんなっちゃうよ」って(笑)
土屋敏男:ふふ(笑)
高田文夫:で、俺もさ、「なんでこんな峠を一人で山ん中さ、訪ねてってんだろ」って(笑)俺もなんか虚しくなって、おかしいなって思ったんだよ。で、半年も会ってないしさ。
土屋敏男:うん。
高田文夫:で、俺、色んなこと決めたことを持って行ったら風呂入ってんだよ、呑気に。で、「ちょっとアレだよ、復帰の相談だよ」っつったら、「何?何?どうしたの?近く通ったの?」って。「近くなんか通ってねぇよ」って(笑)
土屋敏男:ふふ(笑)
高田文夫:「何?こんなところまで」「君のことだよ」って。
土屋敏男:ふふ(笑)
高田文夫:「あ、そうなの?何すんの?」ってさ。で、どうのこうのって決めてさ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:で、「やっぱりラジオで。生でラジオで自分の言葉で復活するのが一番だろう。テレビで編集されちゃうよりね」って。
土屋敏男:はい。
高田文夫:で、色んなことがあって、それ話してて、当人も「分かった」っつったのよ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:それで、7月2日かな「たけしはオールナイトニッポンで復活します」っていうことをマスコミには言って。
土屋敏男:はい。
高田文夫:それで、記者たちもみんな「じゃあ」っつうんで、7月2日当然、局の前は凄い人になっちゃうの分かってるから。
土屋敏男:はい。
高田文夫:そしたら、亀さん頭良くてさ。「高田ちゃんさ、その7月2日復活っていうのは法律的になんかそれがあるわけ?それ破ったらいけないとかなんかあんの?」「何もないです。ただ、その頃でいいんじゃないかってことで、7月2日にしたんです」って言ったらさ、「あ、そう。じゃあさ、1週間前にしたら?」って。
土屋敏男:ふふ(笑)
高田文夫:あの人、頭いいからさ。「1週間でいいじゃない。それで、高田ちゃんとさ、タケちゃんやることだからさ、『1週間違えちゃった』っていいんだよ。それで許されるキャラクターなんだから」って(笑)
土屋敏男:ああ。
高田文夫:「1週前だったら、マスコミも誰も来ないんだよ。それでいけね、出ちゃったってすれば。誰がたけしと高田に怒るのよ」って。
土屋敏男:ああ。
高田文夫:亀さんって分かってる人でさ。「じゃあ、1週前に。それで、軍団のオールナイトニッポンにしとくから。2時前に出てきちゃダメよ、二人とも。2時半過ぎたら出てくるんだよ」「なんでですか?」「2時前に出ちゃうと、朝刊に間に合っちゃうんだよ」って。
土屋敏男:ああ。
高田文夫:「2時半だったら、朝刊に間に合わないから」って。
土屋敏男:はい。
高田文夫:で、2時半に出たんだよ、たけしが。「何やってんだ、この野郎」って、軍団に言って。
土屋敏男:ああ、乱入だ。
高田文夫:そしたら、誰もいないわけ、局にマスコミ。1週間後だって思ってるから。それで、6月25日、俺の誕生日なんだよ。そこでたけし復活。
土屋敏男:へぇ。
高田文夫:それはドラマチックだったよ、駆け引き大変だったよ(笑)
土屋敏男:ふふ(笑)
高田文夫:だけど、あれでよかったと思うね。
土屋敏男:そうですね。
高田文夫:小言を言うって形でね。「何やってんだ、この野郎。俺がいないと思ってこの野郎」って。
土屋敏男:うん。
高田文夫:そしたら、もう記者は「あ、たけし出てる!」ってなって、飛んできてももう、いないからね。
土屋敏男:そういうことですね。
高田文夫:そう、作戦勝ちだったんだよ。
土屋敏男:そこ、本当そうですね。
高田文夫:あれ、亀渕さんのアイデア。
土屋敏男:ああ、そうなんだ。
高田文夫:俺はそれを伝えに行ったんだよ。
土屋敏男:へぇ。
高田文夫:「亀ちゃんのアイデア良いから」って(笑)
土屋敏男:凄いですね、亀渕さん。