2019年11月9日放送の文化放送系の番組『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』(毎週土 13:00-14:55)にて、ライターの石戸諭が、田代まさしが薬物依存で再犯を繰り返しても責めるべきではない理由を語っていた。
田村淳:石戸さん、気になるニュースはどれですか?
石戸諭:ええ、とりあえず田代まさしさんの話をしようかなって思って。
田村淳:はい。
石戸諭:用意してきたんですけど。昨日も色々原稿を書いたりしてるんですけどもね、僕も。
田村淳:はい。
石戸諭:薬物依存症の治療に関わってるお医者さんとか、支援の現場でね、取り組んでる専門家の方々とか、結構わりと僕、取材を重ねてきてるんですね。
田村淳:うん。
石戸諭:で、そのたびに、今回のニュースとかもそうなんですけど、よく思うのは、田代さんに対してね、「いい加減にしろ」「お前またか」「裏切ってんじゃねぇぞ」「支えてきてくれた人をバカにしてる」って言うんですけど。
田村淳:うん。
石戸諭:それは違うんだってことを言いたいんですよ。
田村淳:うん。
石戸諭:依存症になった人がいたとして、その人たちが安定してクスリを使わない、使いにくくなる、断薬して暮らせるようになるまで、どれぐらいの回数使ってしまうと思います?
田村淳:うーん…
石戸諭:大体、7~8回ぐらい、再発する機会があるって言われてるんです、安定するまでに。
田村淳:へぇ。一度やってしまうと、いくらクスリを断ったとしても、何回か訪れちゃうんですか?
石戸諭:そう、そう。だから、安定してる時期と、再発するかもしれない、その可能性の高い時期を色んな波を繰り返しながら、やっと落ち着いて断薬生活を送れる。これはどういうことかって言うと、精神科医の薬物依存症治療の専門家の松本俊彦さんっていう第一人者の方が言うにはですよ、要は再発の機会は、治療に当たるには、織り込み済みなわけです。
田村淳:なるほど。
石戸諭:何回再発しても仕方がない、と。「繰り返してる」って言ってるけど、安定してる時期と、繰り返すかもしれない時期はあって、これはサイクルなんですよ。
田村淳:うん。
石戸諭:だから、このサイクルの中で治療に当たってるっていうのが常識っていうか、依存症の治療にあたる人の中では、共有される話なんです。
田村淳:うん。
石戸諭:だから、あんまりこの時に「騙してる、騙してる」っていうのは違うだろう、と。
田村淳:うん。
石戸諭:これもよく言われるんだけど、「依存症の患者の言葉と、涙は信じちゃいけない」って言うんだけど、そう簡単に覚せい剤依存症っていうのはやめられる話ではないので、やっぱり誰を騙してるかっていうことをもうちょっと考えて欲しいんですよ。
田村淳:うん。
石戸諭:患者の人たち、周囲を騙してるんじゃなくて、自分を騙してるんです、一番。
田村淳:なるほど。
石戸諭:覚せい剤の依存症は、脳が忘れられないから、凄く時間がかかるし、回復はできるけど、付き合っていくってイメージが強いんですよね。
田村淳:うん。
砂山圭太郎:だから、簡単に「意思が弱いから」とかじゃないんです。意思の問題にすり替えちゃいけなくて、やっぱりもう一度治療に戻ってもらう。
田村淳:うん。
石戸諭:で、皆さん逮捕された時に、多く出てくるコメントはなんだと思います?
田村淳:ホッとするとか、捕まえてくれてありがとうみたいなことを言うって言いますよね。
石戸諭:そうなんですって。
田村淳:自分では止められないから。
石戸諭:ホッとしたとか。田代さんがどういう状態かわからないけど、これを機に考えて欲しいのは、覚せい剤依存症っていうのは大変な病気だってことなんですよ。
田村淳:うん。
石戸諭:彼、出る前にNHK出てたり色々やってたじゃないですか。それでも再発する可能性は決してなくならないし。
田村淳:うん。
石戸諭:もちろん、これが実刑かわからないけど、本人が持ってたか、やってたかわからない、まだ本人も色々言ってたし。
田村淳:うん。
石戸諭:だけど、もし仮にやってたとしても、それは安定期間と再発する可能性のある期間は繰り替えされてる中での出来事だと思えば、というね。
有吉弘行、テリー伊藤が田代まさしの逮捕・出所のたびに更生させようと話をするも再犯を繰り返すことに「テリーさんには、人を更生させるような力はない」
有吉弘行、田代まさしが薬物で繰り返し逮捕されてからは街中で姿を見かけても「声をかけることができなかった」と告白
有吉弘行、田代まさしの『アジアの純真』薬物替え歌に「笑うに笑えない」とコメントしたニュースキャスターを批判「それズルいよね」