2023年1月30日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、若き日のくりぃむしちゅー上田・有田が「名前もクレジットされない」番組で必死に努力をしていたのが『神回だけ見せます』の中で垣間見えたと語っていた。
伊集院光:CGで作った奥さんと、蛭子さんと対談させる。で、声はハーモナイザー、エフェクトをかけてるんだけど。実は蛭子さんと奥さんの関係を勉強して、勉強し て。どんなことを蛭子さんが言っても返せるような状態になっている、タレントがやってんだよ。
で、当時徹底してたのは、そこの出演者のテロップに声、書いてないの。誰がやってるか。ただ、労力は凄いわけ。蛭子さん自身に質問のインタビュー、「奥さんとの思い出は何ですか?」とか質問しちゃったら、蛭子さんが入ってくれないから。別のところでやってるインタビューや、蛭子さんの書いてる本とか、ありとあらゆる記事を、その黒子は全部読んだ上で、蛭子さんの奥さんとして、蛭子さんをどう呼んでたかとも含めて。
蛭子さんと奥さんは、「お主」ってお互いを呼び合ってたらしくて。「お主は…」って言いながら喋ってくわけ。で、またこれがその裏方が絶妙に頭がいいから、「最後に言った言葉覚えてる?」とか言うわけ。で、もう入っちゃった状態で言うと、蛭子さん言うんだよね。それ、どこでもインタビューで答えてない。
で、「あのことでしょ」って。「自分が競艇行ってて、競艇場に電話かかってきて」みたいな話を始めるのを、また上手に「そう、そう」って相槌打ちながら引き出すの。
で、若い頃の蛭子さんっていうのもいて、「お前ちゃんと漫画描いてんのかよ」って、本物の蛭子さんと対峙するんだけど。それも蛭子さんのありとあらゆるものを読み込み、頭に入れ。アドリブで全部返せるようにして。
もっと言えば、自分の知ってることを言い過ぎない。蛭子さんが自分から言うなら、自分から言わせた方がいいみたいのやるわけ。で、それが収録の時に俺、「あれ?これって…」って思ったのが、「これ上田君だな」と思って。
「これ、くりぃむしちゅーだわ。若い頃の蛭子さんが上田君で、 カミさんが有田君だわ」って。声エフェクトかけてんだけど。
佐久間氏と自分って組み合わせが、手前味噌でもあり、「シーズン4、5でも俺を切るなよ」ってメッセージも含めてなんだけど。向こうは、出役の気持ちのわかる作り手なんだよね。
で、こっち側はまぁ作り手の気持ちが割とわかる方の出役なんだよね。で、そうすると、マスクマンにおいて、これだけの労力をかけて、名前がクレジットされない当時の海砂利水魚の気持ちみたいのも分かるし。
あと、これをこかせないようにちゃんとやるための勉強量とかもよく分かるし。あと、そのディレクター側から言うと、当時もちょっとずつ今よりは多いよ、テレビの予算が少なくなってる時に、「これは必要で、これは必要じゃない」みたいなことの采配とかも凄く難しいみたいことも分かって。