2024年7月4日配信開始のYouTubeチャンネル『千原ジュニアYouTube』の動画で、タレントの中山秀征が、ダウンタウンとウンナンの登場で芸人として奮起しようとした時にマネージャーからかけられた言葉について語っていた。
千原ジュニア:まだ22ぐらいの時の自分で、まぁ言うたらある種、絶望。
中山秀征:うん。
千原ジュニア:「あ、俺はもうダメだ」っていうジャッジを下すのが、めちゃくちゃ難しいし、それは凄いことじゃないですか。
中山秀征:そうだね、だから最初凄くイメージ通りなんだよね。「お前のやりたいことをやるためには、お笑いをやれ」と言われて。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:凄くそれがアイドル的な人気に、当時なっていって。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:それで、ドラマの主演も始まるわけ。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:秋には日本テレビで『ハーフポテトな俺たち』っていう、レベッカの『フレンズ』主題歌の。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:あれが始まって、オールナイトニッポンも史上最年少でパーソナリティ4時間。
千原ジュニア:うわぁ。
中山秀征:土曜日、鶴光さんがやった後4時間だから、その重みも分からず始まっちゃうわけよ。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:昭和60年で、その17歳の時っていうのは、凄いスタートを切るんだけども。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:で、たかが3年ぐらいで時代が変わるのよ。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:っていうのは、第3世代。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:それは西からダウンタウン。
千原ジュニア:ダウンタウンさん。
中山秀征:で、東でウッチャンナンチャン。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:この2台巨頭の一大ブームが巻き起こるのが、ちょうどその80年代の後半。
千原ジュニア:はい。年齢的にはちょっと上ですか?
中山秀征:そう、だから皆さんのが全然上だと思う。
千原ジュニア:だから、その感覚が分かんないですね。それより先にテレビ出てはるから。
中山秀征:そうですね、だからスタートとしては同じぐらいかもしれないですけど、年齢的にはダウンタウンの二人とか、ウッチャンナンチャンは上です。
千原ジュニア:上なんですね。
中山秀征:はい。で、その凄さ。久しぶりにネタ番組とかに出ることがあって。最初はABブラザーズも名前と、認知度で出てるんだけども。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:ところがウッチャンナンチャン、ダウンタウンっていうのはもうとにかくなんていうの…レベルが違ったわけ。
千原ジュニア:うん。
中山秀征:もう見てても違ったし、「なんだこれ?」って思うぐらいの完成度で。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:俺は回を重ねるごとにランキングが下がっていって。もうそういう時代がグワーッときて、俺、完全に自分たちは違う、もうテレビの世界では生きていたけど、ネタとかになった瞬間に、けんもほろろで。
千原ジュニア:うん。
中山秀征:ネタも作ってなかったわけ。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:お客さんも自分たちを見てるんだけど、回を増すごとに、自分たちを見てないのがこれ、ステージから分かるってあるじゃない。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:ABブラザーズ、もう一度…少なからずやってきたわけだから、「ネタを作ろうか」と。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:思うんですよ、一瞬。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:で、もう一回ちゃんと、僕らやってなかったことをもう一度やってみようって思うんだけど、その時に当時の僕のマネージャーの関口さんって人に、「負けを認めろ」と言われるんですね。
千原ジュニア:うん、うん。
中山秀征:「お前らは、あくまでも会社の試験的なコンビだった」と。
千原ジュニア:うん。
中山秀征:「今からもう一度やっても、また道が分かれる。ところがダウンタウンであったり、ウッチャンナンチャンっていうのは、もう志(お笑い芸人としての志)が同じだ」と。
千原ジュニア:うん、うん。
中山秀征:「志の同じ人たちに叶わない。だから、コンビとしては負けを認めろ」と。
千原ジュニア:うん。それ、でも22で納得できたんですか?
中山秀征:ちょっとね、どっかホッとしたところがあって。
千原ジュニア:ああ、なるほど。うわぁ、そうなんや。やっと解放されるというか、この戦いから。
中山秀征:そう。全く自分とは違う世界であって、で、ましてやそこのお笑いのことも、そこまで勉強もしてなかったわけだし。勢いだけでやってた、若さだけでやってたから。
千原ジュニア:うん。
中山秀征:負けていく時は悔しかったけど、「負けを認めろ」って言われた時に、ちょっとホッとした自分がいた。
千原ジュニア:もう、このリングは降りていいんだよ、と。
中山秀征:そう。「その代わり、一人で戦え」と。
千原ジュニア:はい。
中山秀征:「この勝負はまだ始まったばかり。今までやってない勝負だ」と。
千原ジュニア:その時に、その関口さんっていう方はおいくつなんですか?
中山秀征:27ぐらい。
千原ジュニア:その人、凄いっすね。
中山秀征:その人、当時の色々、ネプチューンだったりとかも全部、TIMだったりとか全部見る人なんだけど。
千原ジュニア:はい…ちょっと、今度その方来てくれないですかね。
中山秀征:ああ(笑)
千原ジュニア:それ、でも27でそのジャッジ下せるって凄いですね。
中山秀征:そうだね。だから、その人は親代わりみたいな。もう16歳でその人に拾ってもらって。俺を選んだのがその人だったの。
千原ジュニア:へぇ。
中山秀征:とにかく本を読め、と。その人、早稲田の文学部で教員免許も持ってるような人だったんで。
千原ジュニア:うん。
中山秀征:「とにかく中山、学校は行けないけど、本は読め」と。とにかくその人はもう、本当に文芸作品から週プロまで読んでる人で。
千原ジュニア:へぇ。
中山秀征:何から何まで見ろっていう人だったんで。
千原ジュニア:で、お笑いやれって言うたのもその方やから。
中山秀征:そう。
千原ジュニア:その方も、こうなっていってる状況にちょっと責任感じてはったんかもですね。
中山秀征:そうだね。だから、そこでもっと確固たるものができてればいいけども、やっぱり勢いの中でドラマに行ったり、歌をやったり。
千原ジュニア:はい、はい。
中山秀征:テレビという中に行ってしまったことによって、良いことと悪いことが極端に現れた時代だったですね。だから関口さんも「もういいよ」ということだったんだと思いますね。
千原ジュニア:なるほど。
中山秀征:そこをもう、お前がしがみついて今さら戦ったって、もう歯はガタガタだろうし、元々戦える力もなかったんじゃないか、というようなことを言われた気がしましたね。