2024年3月31日放送の読売テレビ制作の番組『川島・山内のマンガ沼』(毎週日曜25:28 – 25:58)にて、お笑いコンビ・麒麟の川島明が、イチオシ漫画『おかえりアリス』を作者・押見修造の解説とともに紹介していた。
川島明:2020年から23年別冊少年マガジンにて連載。単行本全7巻で完結致しました。簡単なあらすじでございます。主人公は、幼稚園からの幼馴染の3人。洋平、慧、結衣。3人は子供の頃から仲良く、常に一緒にいたが、中学生になり、洋平は結衣を異性として意識し始めるようになる。
山内健司:うん。
川島明:ただですね、洋平が結衣のことを好きなんですけど、洋平は、慧が結衣にキスする姿を目撃してしまう。
山内健司:はい。
川島明:で、洋平からしたら、なんか3人とも仲良くやってたっていうのは、僕がそう思ってただけで、実は二人は結ばれてたんじゃないか、ともちろん思いますよね。
山内健司:はい。
川島明:それで、慧と洋平君は疎遠になってしまう。
山内健司:ここまでもある話ですよね。
川島明:そうですね。
山内健司:まぁまぁ、そうですね。
川島明:で、3人の関係が崩れ始めた時、慧が親の都合で転校してしまう。これがあまりも急な展開で。お父さんの仕事の都合で北海道に行きました。
山内健司:ここもギリ…
川島明:まだ。
山内健司:まだ。
川島明:まだそんなこともあるか、みたいな。で、3年後、同じ高校に入学した洋平と、結衣の前に、「男を降りた」という美少女に変身した慧が現れるんです。
山内健司:これがない。
川島明:聞いたことない(笑)
山内健司:これが押見です。ここからが押見です。
川島明:押見ワールド。
山内健司:ふふ(笑)
川島明:このメッセージね。「男を降りました」と。これはどういうことなんやろ、と。
山内健司:うん。
川島明:男を降りて、女性になったわけでもない。男女の枠、もう一個性別の選択肢ができた、ぐらい。
山内健司:はい。
川島明:山内君はどうですか?『おかえりアリス』。
山内健司:僕的には、エロス。
川島明:ああ、はいはい。
山内健司:メンタル的なエロす。「うわぁ…」っていう。
川島明:ふふ(笑)こっちも高校生ぐらい、興奮するシーンがめっちゃあんねんね。
山内健司:「どうなんの?どうなんの?」ってめっちゃ思いましたね。
川島明:さぁ、ここからは先生に書いていただいたアンケートを元に、『おかえりアリス』の魅力に迫っていきたいと思います。
山内健司:うん。
川島明:最初の質問はこちら。「『おかえりアリス』で先生が描きたいと思ったメッセージはなんですか?」ということでございますね。テーマみたいなもんですね。
山内健司:はい。
川島明:先生の回答はこちら。「自分が男であることがイヤだったんです。性欲を持て余している。オナニーの中に閉じ込められている感じが。そういうのをぶちまけている作品があまりなかった。男バンザイ、女バンザイみたいなのしかない。絶望しているのは自分だけ?そんなことないはずと思って描きました」と。
山内健司:ほう。
川島明:先生ご自身の心からくる衝動を訴えた、と。
山内健司:なるほど。