2023年5月9日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週火 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、『街とその不確かな壁』を読んで改めて村上春樹は「重要なテーマについて、ブレずに考え続けてる」と思ったと語っていた。
太田光:ここまで来るとさ、「本当にこの人は、ああ真摯に」と。これは別に茶化しでもなんでもなく。
田中裕二:うん。
太田光:「本当に重要なテーマについて、あの頃からブレずに考え続けてる」って。今、もうこっ恥ずかしくて、「このテーマ、まだやる?」っていうぐらいのことで。
田中裕二:うん。
太田光:なんつうのかな…いい意味でさ、成熟しちゃうみたいなことってあると思うんだよ、作家って。
田中裕二:うん。
太田光:でも、まぁその初期に考えた作品っていうこともあるだろうけど。本当に無垢な、こっから動いてない、と。で、答えが出る問題じゃないから、村上さんの言ってることっていうのはね。
田中裕二:うん。
太田光:だから、一生多分答え出ないんだと思うんだけど。だったら普通ね、もうちょっと別のこと言ってもいいぐらいの感じだけど。
田中裕二:うん。
太田光:たとえば何だろうね、談志師匠なんかもそうだったですよ、一生、苦悩し続けた。たとえばさ、名人上手のようにさ、もうただ淡々と古典をやっていく方法、生き方もあると思うんだけど。
田中裕二:うん。
太田光:「やっぱそっち行かないんだな、この人は」っていう意味で、俺はもう逆にこう回り回って、一周回って、なんかさ凄くいいなっていうか。
田中裕二:うん。
太田光:まぁ、良かねぇんだけど、正直言うと。
田中裕二:ふふ(笑)
太田光:俺の思ってるエンターテイメントじゃないからね。それはもちろん違うんですよ、純文学。
田中裕二:うん。
太田光:俺は、『進撃の巨人』のが全然面白いなと思ったんだけど。
田中裕二:ふふ(笑)
太田光:そういう意味で言うとね。ただ、重要なことをずーっとこの人考えてるなって思った。