2022年11月29日配信開始のYouTubeチャンネル『古舘伊知郎チャンネル』の動画にて、テレビプロデューサー・菅賢治が出演し、テレビ局の自主規制が進んだのは「超エリートたちが入社してきた」ことが一つの要因と指摘していた。
菅賢治:テレビって、元々は我々の先輩も多かったですけど。大学時代にバンドマンやって。
古舘伊知郎:ああ、そうか。
菅賢治:で、大学卒業する時期になって、バンドじゃ食っていけない。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:で、映画会社受けたけど全部落ちた。で、なんか「今度、テレビって変なものができるらしいぜ」って。
古舘伊知郎:海の物とも、山の物とも分からないような。
菅賢治:らしいぜって、受けた人たちなんですよね。
古舘伊知郎:ああ。
菅賢治:だから、なんかやっぱバンドマンでそういう逆さ言葉をどんどん使う、それでどっか世間を拗ねたところあるじゃないですか。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:どうせ俺たちは本編から蹴られた、みたいな。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:そこが面白かったんです。
古舘伊知郎:そこのチンピラ意識が良かったんですよ。
菅賢治:ええ、そこが面白かった。
古舘伊知郎:テレビがね、俗悪も含めて面白いところで。
菅賢治:はい。どっかで世間恨んでるところが面白かったんですよね。
古舘伊知郎:そうだよね。
菅賢治:今はやっぱり全部超エリートたちが入ってくるんで。
古舘伊知郎:そう、そう。
菅賢治:恨んでないんですもん。
古舘伊知郎:そう。だからこうリスクを冒さない人。そしてテレビも大変な時代に突入してるってことも全部ひっくるめて、そこが可哀想だなと思うけど。
菅賢治:うん。はい。
古舘伊知郎:失点をしないようにする作りになっていく。
菅賢治:全部そうです。だから僕、サラリーマンの最後の時は、制作総務っつって、局次長みたいなことをやって。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:週に22番組チェックするやつだったんです。
古舘伊知郎:うわぁ。
菅賢治:で、やっぱね、編集の上がりを見ると、僕がOKすれば…要するに、通らばリーチとか。もうそれ以外だったらもう、自分で自己規制して。「あれ?なんでここで終わっちゃうの?」っつって呼んで。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:「これ、もっと面白いとこあったんじゃない?」って。「いや、でもこんなん出していいかなぁと思って…」「とりあえず出せよこんちくしょう」っつって。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:で、それが一番疲れましたね。「俺、何のためにテレビ局入ったんだろう?」と思って。
古舘伊知郎:うん。
菅賢治:部下と言えども、ライバルじゃないですか。
古舘伊知郎:うん、うん。
菅賢治:僕、そこの審査員にする気はないし、もちろん。お互いライバルだし
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