2022年7月8日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『問わず語りの神田伯山』(毎週金 21:30-22:00)にて、講談師の神田伯山が、『千と千尋の神隠し』の直前に宮崎駿が描いてボツになっていた絵コンテの内容に驚いたと語っていた。
神田伯山:『千と千尋の神隠し』って、有名でね。これでカレンさん、7回ぐらい見た映画らしいんだけど。
これがそもそも出来上がる流れ、みたいなのが面白くって。最初から『千と千尋』ってカチッて決まってなくて。ジブリに高畑監督もいるから。鈴木敏夫さんが高畑監督の仕事で結構かかりっきりになってて、宮崎さん放ったらかしみたいになってたらしいのよ。
そしたら、なんか分かんないけど、監督同士の嫉妬みたいなこともあるらしくって。宮崎駿さんが鈴木敏夫さんに、内緒で勝手に絵コンテみたいなのずっと描いてたんだって、暗い部屋で。
で、鈴木さんが久しぶりに宮崎さんのところへ行ったら、自分が聞いてねぇ絵をいっぱい描いてある、と。で、「鈴木さん、これ新作考えてんだ」って、カマかけてきたんだって。
「宮さん、どんな話なんですか?」って聞いたら、「まぁ60歳ぐらいの男と、18歳ぐらいの女が恋をする話」っていう。鈴木さん、それ聞いた瞬間に「気持ち悪っ」って。「性癖、気持ち悪っ」って思って(笑)
そうは言ってないよ(笑)でも、俺も「それ気持ち悪くないですか?その話」って言ったら…俺も、「気持ち悪くないですか?その話」って言ったら、「ミートゥーよ」と。
「俺も気持ち悪いと思った」と。「宮さん、それはちょっと…」っていうのを、向こうが上手いこと、傷つかないように言ったら、宮崎さんがブチギレる感じで「あ、そう?」って、絵コンテ破り始めたんだって。自分が今まで描いてきた。
「いや、宮さんそんな怒んなくても」っていう。「そんな怒らなくていいんじゃないですか」っていう(笑)でも、そういうジェラシーがあったりとかって、作品ってそうやって出来上がっていくっていう。
その中で宮崎さんが、「じゃあ、湯屋の話で、こういうのどう?」って言ったら、「それいいですね」って。「だろ?」みたいな感じで。プロデューサーっていうのは、監督の機嫌とってやってく、みたいな感じでさ。結構、宮崎駿監督とも争ってて、面白いんだよね。