2021年12月17日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『問わず語りの神田伯山』(毎週金 21:30-22:00)にて、講談師の神田伯山が、映画『浅草キッド』で描かれている師弟愛に人々が憧れる理由について語っていた。
神田伯山:『浅草キッド』、みんな褒めてんじゃん。でもね、この『浅草キッド』はめちゃくちゃ面白かったですよね。
師弟のことが描かれてるんですよ。師匠と弟子が。で、ほとんどの人、知ってると思いますけど、ビートたけしさんの若い頃ですよね。で、フランス座に行って、エレベーターボーイみたいなのやってたんですよ。
で、師匠が深見千三郎で。その師弟の話。深見千三郎役が大泉洋さんで、柳楽優弥さんがたけしさん。
まぁみんな言ってるけど、柳楽優弥さんがたけしさんもうそっくりで。大泉洋さんがとっても魅力があって、みたいな。そういう師弟が凄いいい感じなのよ。で、要するに最初の出会いで、深見千三郎にいかに惚れてったかっていうところの、まずグッとさ、好きじゃん、また。師弟愛とかさ。
自分たちが、上司とか使えない部下しかいないからもう、みんなもう師弟に憧れちゃって(笑)幻想なのに、師弟なんて(笑)いや、ウチの師匠は凄いよ。ウチの師匠は俺に優しい。他の弟子にもそうなんですけど、そういうふうに律してるんだよね。師弟なんて相性ですから。
初めてたけしさんが師匠に出会う、みたいなところが、凄くいい感じに描かれてるんですよ。で、対立もして、最終的にたけしさんはテレビの世界の方に行って。で、フランス座で「テレビなんて」って当時、バカにされてた時代ですよ。
でも、バカにしてたんだけど、どんどんテレビの方が隆盛していって、むしろフランス座にお客さんがどんどん、どんどん来なくなっちゃう、師弟が逆転していく、みたいな。それが2時間におさめられてるんです。とてもいい感じなんです。