2025年7月21日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、M-1グランプリなどの賞レースに苦手意識を持っている理由について語っていた。
伊集院光:ニッポンの社長が優勝して、「おめでとうございます」っていうのは、もう何より。何よりおめでとうございますなんだけど、思ったのが、もうさ、お笑いの賞レースのさ、あの緊張感みたいやつ、俺見てらんないんだけど。
もうやっぱこれで人生変わるっていうことに懸けてるから。 M-1はもちろんだよ、M-1も、それからキングオブコントも、R-1も、あと他もいくつかあるんでしょう。THE Wも、今回のやつも、なんか会場もちょっともう、芸人もそれは意識してるだろうし、その意識している芸人と、なんかこうシンクロしちゃって、会場もなんか変な雰囲気になってるし。
で、もっと言うとおそらくだけど審査員をやってる芸人たちも、やっぱりこれで彼らの後輩たちの人生が変わったりとか、審査員をやってる芸人たちも自分たちも、その賞レース経験者も多いから。
ここでもう何かとにかく助けてあげたいって意識とか。あと、炎上も凄いするじゃん。その中の空気が、もはや俺の小さいハートでは、お笑いを楽しむみたいなもんじゃなくて、何を言ったらいいのかな…おっさん世代しかわかんない、フジテレビのモノマネがね、昔すげぇふざけてて面白かったんだけど。途中から、ものまね四天王みたいな時代になって。で、なんかウエットなものが持ち込まれるようになったのよ。
苦節何年、初優勝みたいこととか、「こんなに努力をしてきました」みたいやつが、どんどん挟み込まれるようになるごとに、これ大事なところなんだけど、視聴率はガンガン上がってくの。だけど、俺は興味をどんどんなくしてんの。もっとふざけてっていうことなの。
だから、もう最終的には清水アキラさんすら、優勝して泣くみたいになってって。なんかわかんないけど、「俺はこういうんじゃないな」ってなってたっていう。元々の特性もあんだけど。めちゃめちゃ緊張する。
最近、そんな同じようなこと考えたんだよな。一番、腕のあるお笑いの人たちが、ある意味、一番真価を発揮できない大会がいっぱいあるっていうか。多分、ライブ会場行ったりとかしてたら、絶対あの何倍も面白い人たちを、その緊張とか人生観とかで、少しクオリティを落とすようなシチュエーションに持ってきて、あそこでネタを見て。
で、こういうの難しいのはさ、結果的に僕はそうなってる気がする。このネタも、あのネタも、おそらく生で見のが一番面白かったりとか。めちゃめちゃもっと、120%面白い回があるんだろうけど、この感じではそれは、なかなかお客さんも笑いづらいし、やる方も笑えないってこの状況ね。

