2024年7月15日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、第四境界のクリエイター藤澤仁のインタビューで創作の原点について「伊集院さんの、とあるラジオがきっかけ」と言われたと明かしていた。
伊集院光:前のめりに凄く話す時にね、「芳賀ゆい」っていう架空のアイドルを作ろうっていう企画をやった話になって。で、その時は「いるんだよ」って、ラジオの遊びとして、みんなで「芳賀ゆい」ちゃんって可愛い女の子がいるんだよっていう。
で、ラジオリスナーの勘のいい子が、「あの子は可愛いよね」っていう。「ポニーテールが本当よく似合うよね」なんてやってくと、「そう、そう」って、みんなで盛り上げていくと、「その趣味はこれらしいよ」とか、「高校の時、こういう部活いたらしいよ」みたいなをみんなで盛り上げてって。
で、最終的には芳賀ゆいの写真集とか、写真集の中に日記があったりとか、色んな出来事を膨らましていって、「ガワ」だけを固めていくっていうのをやったことがあって。僕はそことこれがね…似てる、先にやりました僕もやったことありますってことじゃない。それはだって、僕はラジオの企画としてみんなで悪ふざけでやったことだから。
これとは入り口は全然違うのよ。だけど、なんかこう分からない、じわっとくる外殻を作っていくと、なんか面白いような怖いようなになってく感じっていうのは似てて。
で、「そういうのはやったんですよ」って話をしてたら、(藤澤仁)監督が「僕は、面白いものを作る時に、実は…」って、それは、まぁ半分お世辞で言ってくださってるところもあると思うんだけど、「伊集院さんの、とあるラジオがきっかけなところがあるんです」と。
「そのラジオで、僕がリスナーとしてした体験が今の創作活動に生きてるんです」っていう話をしてくれて。で、それが昔、『日曜日の秘密基地』って日曜日のラジオ番組をやっていて。で、まぁまぁ長く、その時は誰とも揉めず(笑)長めにやったんすけど。その時「は」だよ(笑)
で、やった時に中に「秘密キッチの穴」っていう、みんなから、自分で思い出の中にこういうもんがあるんだけど、ちょっとそれが謎になっちゃってるんですっていう。ネットで調べても出てこないんですけど、こんなのありましたよね、みたいのをいっぱいもらう。
それは後に、『伊集院光とらじおと』、揉めた方(笑)あっちで、それの食べ物限定版で「俺の5つ星」っていうレストラン探すやつになったんだけど。色んな、森羅万象のなんか自分たちの記憶の隙間ができちゃってるものを募って、皆さんからの情報で解いていくっていう。
で、すげぇ俺も「それは僕も覚えてますよ」ってなったんだけど、その中のただ1回なんだけど、普通にリスナーの方から、ウルトラマンのシリーズだと思う、と。「僕はそういうのあんま詳しくないんだけど、ウルトラマンのシリーズだと思うんだけど、中に最終回でブチギレたそのウルトラマン某が、東京を火の海にするっていう。
それでおしまいっていうやつがあったと思う、と。で、その詳しい人に聞いても、「そんなのはない」の一点張りだけど、「僕はたしかに見たんだ」っていう。で、「何年頃に見たんだ」っていうのが来てて。
で、色々こっち側も探せるものは探すけど、そんなものは出てこないんですよ。そんなことある?子供の夢を最終的に、「お前らあれだぞ。ウルトラマンが強ぇからっつってて、ずっといつまでも助けてくれると思うなよ。メリットなくなった場合…」なんつって(笑)
最初、向こう側がもう飽きちゃった場合には、こういうことだってあんだよ、と。東京をスペシウム光線で焼け野原にして、「勝手にしろ!」って帰ってく回も…ある?(笑)
ありえないじゃん。ありえないから、俺からしてみたらこれは、読んでは見るものの、何か頭の中で作っちゃった記憶なんじゃないの、みたいな意識で始めたら、ポツポツと「僕も見た気がする」とか、「こういうやつだった」みたいなメールなりハガキなりが届くようになるわけ。
で、最終的にこれ本当なのよ。本当っていうか、『アイアンキング』っていう、ウルトラマンの変身巨大ヒーロー、怪獣モノがブームの時に、出来上がってきた亜種の1つで、『アイアンキング』。
ボディは赤くて、で、顔は鉄仮面みたい顔してるんで。なるほどウルトラマンの亜種と いうか、セブン系の血筋の人ですね、みたいなやつだとありえるみたい形ではある。で、『アイアンキング』は俺、子供の頃見てたけど、最終回はどうなったかわかんないけど、面白かった記憶あったし、そこそこ人気だった気がすんのね。
でも、アイアンキングの最終回がそんなことになってたら、俺も覚えてるしって思ってたら、そのリスナーの人の書いてる年代が違う。それが分かったのは…あと、「僕も見た気がする」っていう人たちの共通点が出てくるの。
それが、みんな埼玉なの。で、これ結局分かったのは、テレビ埼玉で『アイアンキング』の再放送をした時に、特番が入ったのか、そのクールの変わり目が予定外になったのか 分からないけど、『アイアンキング』の最終回は、『アイアンキング』が敵の一番強い宇宙人に、催眠術をかけられて東京を焼けの原にするっていう前編と、それが解けて敵をやっつけるっていう後編に分かれてんだけど。
テレビ埼玉の再放送は、後編を放送してないの。しないまま「来週からは新しい番組が始まるよ」っつって終わってんの(笑)だから、子供心に「ええ?!」ってなっちゃってる人が、埼玉に何人かいるのよ。
で、それを「かがみの特殊少年更生施設」を作ってる藤澤さんが、あの謎の解け方の気持ちよさ。ああいう形で謎が解けていって、腹にストンと落ちる感じっていうのが、自分の中では面白い謎が解けていく感じのエンターテインメントだって言ってて。
なんかその共鳴してる感じとか。あとちょっと前にハマってて、それも20何年ファミ通で連載やってて、そこまでインタビューやってるわけじゃないんだけど、ちょっと前に『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』っていう、割とあんまお金かかってアドベンチャーゲームの人にも、この「かがみの特殊少年更生施設」のスタッフの前にインタビューした、稀なインタビューのパターンなんだけど、インタビューした人と実は繋がってたりとか。
凄いメジャーなことではないんだけど、自分の思う面白いことや、面白いものを提供してくれてる人が繋がった上に、ちょっとこっちもそれに引っかかってるみたいのがめちゃめちゃ気持ちいいっていうか。なんか凄い頑張ろうって思う感じ。