2024年5月31日配信開始のYouTubeチャンネル『みんなのテレビの記憶』の動画にて、放送作家・高田文夫が、地獄のような『8時だョ!全員集合』の会議に君臨していたいかりや長介について語っていた。
高田文夫:(師匠・塚田茂に)『全員集合』の会議に行かされんだよ。
土屋敏男:ほう。
高田文夫:あれが辛い、伝説のな。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:一番下っ端だから。もうイヤでイヤでさ。週、2~3回捕まるのかな。
土屋敏男:はい。TBSの稽古場だ。
高田文夫:稽古場で、イヤでさ。もうあの坂が歩くの、暗くなっちゃってさ(笑)で、物凄い、一番広い会議してさ。コの字型になっててさ。一番向こうでさ、要するに司会者みたいにして、いかりやがこうやっているんだよ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:もういつも不機嫌そうでさ(笑)で、あとはずらーっとドリフターズがいてさ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:あとディレクターと作家とさ、いて。それから美術さんから、音楽から全員スタンバってんだよ、いきなり発注されるからさ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:「こういうのねぇか?」とかさ。「こういう帽子ねぇか?」「こういう坂作って」って。全員、いなきゃいけねぇんだよ。
土屋敏男:はい。
高田文夫:で、俺たち一番下っ端で、駆け出しの見習いの作家で、一番ドアの隅っこに追いやられてさ。長兵衛と目が合っちゃうんだよ(笑)
土屋敏男:ふふっ(笑)
高田文夫:避けながら(笑)目が合えば小言言われるからさ。
土屋敏男:へぇ。
高田文夫:いかりやさん怖いしさ。で、ドア開けるとさ、諏訪園と志村がバケツに水持って立ってんだよ(笑)
土屋敏男:なんで?
高田文夫:いつでも「水持って来い」って言われると。
土屋敏男:ああ。
高田文夫:ちょうどアイツらも見習いで入ってきて。アイツらはボーヤだから。ドリフの弟子だろ。
土屋敏男:はい、はい。
高田文夫:で、外で待ってんだよ。
土屋敏男:はい。
高田文夫:で、俺は下っ端だけど、作家だから。中入れんだよね。会議も3時ぐらいに三々五々あつまって、ずーっとやってんだよ、夜中まで。
土屋敏男:午後3時に集まって、夜中に。
高田文夫:「じゃあ、忍者やろうか」って。長さん思いつくんだろうな。自分でこうセットを描いてみるんだよ。みんな黙って見てるしかないんだよ。だって、口挟めないんだから。
土屋敏男:ああ。
高田文夫:「ちょっと、ギャグ出して」って。で、長さん寝ちゃうんだよ(笑)
土屋敏男:へぇ。
高田文夫:一言も言えない、ゴホンとかも言えないしさ。で、4~5時間経つと、長さんがガバッと起きてさ、「やめよう、これ」って。
土屋敏男:はっはっはっ(笑)
高田文夫:また変えるんだよ(笑)せっかく考えたのに(笑)
土屋敏男:ふふっ(笑)
高田文夫:そんなことが毎日続く。もうさ、好きだけど辛くてな。
土屋敏男:ああ。
高田文夫:もったいなくて、自分の若い才能がさ、長兵衛一人のためにさ、こんなにさ(笑)拘束されるのかと思うとさ。