2022年6月27日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『たまむすび』(毎週月-金 13:00-15:30)にて、フリーキャスターの赤江珠緒が、「報道の公正・中立性」を保つ上で右寄り・左寄りの思想に配慮するより大切なことがあると語っていた。
赤江珠緒:小田嶋(隆)さん、なんていうのかな…私にとっては、『たまむすび』1年目の、最初の時から。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:最初は水曜日を担当してくださって。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:で、月曜日にコーナーが変わって。ずーっと、結局最後まで。
カンニング竹山:そうですね。
赤江珠緒:お付き合いいただいた方ですけども。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:私の良くないところが、親しくなればなるほど、その人の偉大さをなんかこ…
カンニング竹山:忘れちゃうの?
赤江珠緒:忘れちゃうっていう(笑)忘れて、気さくに付き合ってしまうっていう。
カンニング竹山:はい。
赤江珠緒:「あ、この人そういえば凄い人だったのに」みたいなところが、他の方々にも多々あるのですけれども(笑)
カンニング竹山:はい(笑)
赤江珠緒:小田嶋さんもそうだったなぁと思って。小田嶋さんはね、今回、お亡くなりになったことで、改めて『災間の唄』っていうね、武田砂鉄さんと書かれた本ももう一回改めて読み直したり、色々して。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:「この人凄いな」と。「凄い人だったんだな」って。
カンニング竹山:はい、はい。
赤江珠緒:「ただただ気さくなおじさん」みたいな感じで、お付き合いさせていただいてたのが、本当に凄い人だった。その「凄い」っていうのがなんだったんだろうと思って、ちょっと考えたんです。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:で、私も今こういうお気楽な番組をやっておりますけども、ちょっとニュースとかをやっていた、担当していた時期もあって。
カンニング竹山:はい、はい。
赤江珠緒:報道に関わってた時もあるんですけど。報道をやってると…キャスターとかをやってると、「中立であれ」みたいなことを言われる時があるんです。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:いわゆる右とか左とかじゃなくて、中立・公正な。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:「中立な立場で」「報道の中立を」みたいなことを言われることあるんですけど。
カンニング竹山:ニュースを伝えるっていうね。
赤江珠緒:人間なんで、右側の人らも、左側の人らでも、意見は平等に聞く。でもその上で、「自分はこう思う」っていうことを感じるのは、それはキャスターであれ、報道陣であれ、みんなあると思うんですね。
カンニング竹山:人間ですからね。
赤江珠緒:で、私は「報道の中立」ってそういうことではないって、個人的には思っていて。
カンニング竹山:ほう。
赤江珠緒:そこの中立ではなくて、本当に大事にしなきゃいけない中立っていうのは、右と左に対抗して言葉を使ってしまいますけど、「上と下に対して常に中立である」っていうことが大事だと思うんですよ。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:上と下って言い方がよくないと思うんですけど、たとえば凄く権力がある人。お金持ちな人。「あの人は有名だから」と。それに対してそうではない人。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:言うことも、聞くことも立場を変えてしまうというのは、一番中立ではないと思うんですよ。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:で、実はこの「上と下」と言われる感じの中立さを守ることって、物凄く困難で、難しいことなんですよ。右と左の真ん中にいて何も言わないっていうことよりも、「上と下に対して常に中立な気持ちでいる」っていうことの方が、ハッキリ言ってキャスターとか報道陣にとって、一番難しいことなんですよ。
カンニング竹山:うん、うん。
赤江珠緒:で、それをされていたのが、小田嶋さんだったなぁって思って。
カンニング竹山:うん。
赤江珠緒:小田嶋さん、誰に対しても態度が変わらなくて。
カンニング竹山:そうでしたね。