2020年9月19日配信開始となったYouTubeチャンネル『街録ch』の動画にて、お笑い芸人・東野幸治が、番組のゲストやVTRを「つまんない」と斬って捨てるのではなく面白がるのは「王道ではなく、排水溝の泥すするみたいな感じの番組をやってきたから」と語っていた。
三谷三四郎:東野さんが『あちこちオードリー』で司会するときに、「さんまさんのマインドをモノマネしようとしてる」みたいなことを言ってて。
東野幸治:ああ、そうそう。
三谷三四郎:それって、どうやって思いついたんですか?
東野幸治:根が暗いし、テレビ見てても「この人、そんなに面白くないな」とか思ったりするやん。
三谷三四郎:はい。
東野幸治:で、いざでもテレビスタジオでカメラ回ったところで、面白くないことを言われた時に、「え?なんや、コイツおもんないな」って思うよりは、「この人、面白くないなぁ」みたいな、乗っかる方がみんな幸せやなぁ、みたいな。
三谷三四郎:ああ。
東野幸治:で、誰かおるかなって思ったら、さんまさんが一番で。
三谷三四郎:ああ。
東野幸治:そこを斬らずに全部受け入れて、のマインドの方がエエんちゃうかなって思って。
三谷三四郎:それって、いつぐらいから気持ち変わったんですか?
東野幸治:それでも、7~8年ぐらい前から、そういうふうに。
三谷三四郎:僕がやってて思ったのが、昨今のトレンドって、自分のセンスをリアクションによって測られるから、「面白くなかったものは、つまんない顔をする」っていうスタンスが正しいみたいな空気のMCの人、結構多くって。
東野幸治:あ、そうなの?
三谷三四郎:たしかにそれが…だからこそ本音を言った時に効くっていうのはあるのかなぁとか思ったんですけど。
東野幸治:ああ、なるほど。全然、真逆走って行ってるよ(笑)知らんかったわ、あ、そうなん、今のトレンド(笑)
三谷三四郎:だから結構衝撃で。仮に大して面白くないVTRも、面白くしてくれるじゃないですか、東野さんとかって。
東野幸治:するよ、それは。
三谷三四郎:僕のVTR、絶対に奥さんにいつも見てもらうんですけど、奥さんディレクターなんで、『ドッキリGP』って。今は産休に入ったんですけど。
東野幸治:ああ、はいはい。
三谷三四郎:宗谷岬に僕が行ったロケV、覚えてますか?
東野幸治:覚えてる、覚えてる。
三谷三四郎:あれを見せたのも、スタジオかける前で。「別に面白いんじゃないの?」って言ってくれてかけて。あの時、直美さんと吉村さんと東野さんって、超最強のリアクターがいてくれたのもあるんですけど、そのリアクションありの粗いやつを奥さんんに見せたら、初めて泣いて笑ったんですよ。
東野幸治:へぇ。
三谷三四郎:僕もそれにつられて、普通に爆笑しちゃって。それ以来、東野さんと吉村さんのツッコミありのVを必ず見たがるんですよ(笑)
東野幸治:はっはっはっ(笑)
三谷三四郎:かけて大丈夫そうかを見てもらって、「あれどうだった?リアクションありだったら見せて」って(笑)
東野幸治:確認されて(笑)トレンドは分からんけど、肯定するようにする。
三谷三四郎:そう、パワーアップさせてもらってる感覚なんですよ。今までは、つまらないか、つまらなくないかジャッジされるだけの作業で、それが普通だったから、「ああ、今日はダメだったんだ」とか。
東野幸治:ああ。
三谷三四郎:それってやらされるネタによるから。
東野幸治:言い訳したいけどね。上から「この企画やってくれ」って言われて、言われた通りフォーマットでやったら、全然スタジオ跳ねへんかって、「なんやこれ、つまんないな」って声聞こえてきて(笑)
三谷三四郎:そう、そう(笑)
東野幸治:それはしょうがないよ(笑)
三谷三四郎:それをせずに、パワーアップさせてくれるのが一番正しいんじゃないかなって思いましたけどね。
東野幸治:それは、俺が歩んできた道が王道じゃなくて、排水溝の泥すするみたいな感じの番組やってきたから。ある素材で、一生懸命頑張らなアカンと思って、気づいたらこの芸風になってたんちゃう。