2025年1月11日放送のTOKYO FMのラジオ番組『川島明 そもそもの話』(毎週土 17:00-17:55)にて、俳優・松重豊が、甲本ヒロトとの映画撮影での失敗・挫折で「二度と映画監督はしない」と心に決めたと告白していた。
松重豊:映画も撮ってました。でも、8mm映画っていう当時ね、もう今考えるともうスマホで簡単にできるようなことがね、考えられないぐらいお金かかるんですよ。
川島明:8mmね。
松重豊:だから、ラーメ屋でバイトしながら、バイトの金をフィルムに回して買って。
川島明:はい。
松重豊:それで撮りに行って、で、もう1回バイトして現像に出してっていうことで、なんとかやろうとしてたんですけども。
川島明:これ、今おっしゃれたラーメン屋ていうのは下北沢の珉亭?
松重豊:珉亭です。
川島明:あの有名な。その時ですか。
松重豊:有名っていうか、本当にあの頃から変わらずあるラーメン屋なんですけども。
川島明:はい、僕らもかなり利用させていただいて。
松重豊:あ、そうですか。
川島明:はい。下北でライブやってなったら、打ち上げそこやし。
松重豊:あの頃は、だからバイトは役者とバンドマンしか雇わないよっていう店だったんで。
川島明:あ、そういう決まりだったんですか。
松重豊:決まりっていうか、暗黙の了解で。なんとなくそういう奴らは声がでかいんで、みんな。
川島明:はっはっはっ(笑)そっか、腹から声出すし、元気やしみんな。
松重豊:そう、そう。
川島明:で、有名なのが松重さんと当時ブルーハーツ前の甲本ヒロトさん。
松重豊:そう。本当にたまたま同じ日にバイトに入った友達だったし、で、彼は岡山から出てきて、バンドやるって言ってて。僕は映画撮りたいって言うから、「じゃあ、一緒に映画撮ろうよ」って言って、ヒロトを主役にして8mm映画を撮ってたんですよ。
川島明:これ、まだだからブレイクされる前ですか?
松重豊:ブレイクどころか、まだバイトです。10代です、僕ら。
川島明:お互い、何もまだ何者にもなってない?
松重豊:何者にもなってないし、もう本当にこれから「どうしよっか?映画」って。ちょこちょこバイトしながら金貯めて作るっていうところでやってたんですけど。
川島明:ああ。
松重豊:結構ね、だからロケは行きたいからって言って、福岡まで精神18切符買って、2人で各駅停車で福岡まで撮影旅行に帰ったり。
川島明:2人で行ってるんですか?
松重豊:2人で行ったの(笑)カメラ持って。で、福岡行って撮ったりして、2/3ぐらいまでできたんだけど、結局やっぱり資金がショートして。
川島明:ああ。
松重豊:「俺も本当にダメだ…ごめん、ヒロト。ちょっと頑張れる感じじゃなくなってきた。ごめん、この映画無理かもしんない」って言って。ヒロトに「まぁ、ええよ」っていうことで言ってくれたんで。
川島明:うん。
松重豊:「ただ、俺もう2度と映画監督をやるなんて言わないから」って言って、もう自分の中では完全にトラウマになって。
川島明:その失敗が?
松重豊:失敗はもうやっぱりね、1回それでもう、「2度と監督やるなんて言わないから」って言って。さぁ、どうしよっかなと思って、「じゃあ役者やるか」っていう(笑)
川島明:そうか、だからその挫折の中にヒロトさんがいたんですね。
松重豊:ヒロト君がいたんですよ、本当に。