2024年5月19日放送のTOKYO FMのラジオ番組『川島明 そもそもの話』(毎週土 17:00-17:55)にて、音楽プロデューサーの蔦谷好位置が、「こんな曲売れるわけがねぇ」と言われ続けた『JOY』を初めて絶賛してくれたアーティストがYUKIだったと明かしていた。
川島明:注目されるようになったきっかけというのは?
蔦谷好位置:コンペで色々、曲を持ってくんです。
川島明:はい。
蔦谷好位置:それで全部、負けるんですよいつも。
川島明:うん。
蔦谷好位置:で、コンペっていうのはあるアーティストさんがいて、シングル出しますって言ったら、10曲、20曲、多い時は100曲、200曲集まる人もいるっていう。
川島明:まぁ、売れてる方はね。
蔦谷好位置:で、その中で1曲を決めるっていう。全部落ちるんですよ、毎回1回も勝ったことがなくて。
川島明:うん。
蔦谷好位置:で、毎回でも自信があった曲を持ってったんだけど、初めて「この曲を私、10年待ってました」って言ってくれたのがYUKIさんで。
川島明:JUDY AND MARYの。
蔦谷好位置:はい。それが『JOY』っていう曲で。
川島明:ああ、それに繋がるんですね。
蔦谷好位置:はい。『JOY』は、どこ行ってもダメでした。
川島明:え?じゃあ、YUKIさん以外が歌う可能性もあったんですか?
蔦谷好位置:ありました。
川島明:他の人がとったら。
蔦谷好位置:はい。そもそもバンドでやってたんですよ、自分のバンドで。
川島明:はい、はい。『JOY』という曲を。
蔦谷好位置:ええ。で、レコード会社の人も「こんな曲売れるわけねぇ」って言われてて(笑)
川島明:凄いですね、その話。
蔦谷好位置:はい。でもYUKIさんが、もう「この曲を10年待ってた」って言ってくれたんで。
川島明:へぇ。
蔦谷好位置:初めてだったんですよ、そのいわゆる名刺で、僕は判断されてるから。「メジャーバンドのあの人」っていうのが、もうなくなった状態で、誰も聞いてくれなくなったのが。
川島明:はい。
蔦谷好位置:初めてどこの馬の骨か分かんない僕の曲を、「10年待ってた」って言ってくれる、「こんな人いるんだ」と思って。
川島明:あの『JOY』を聴いて。
蔦谷好位置:ええ。「名刺で見ない、名札で見ない人がいた」と思って。
川島明:ああ。
蔦谷好位置:だから、そうありたいなぁと思って。
川島明:うわぁ。
蔦谷好位置:YUKIさんには、本当に感謝してるし、尊敬してますね。
川島明:凄いですね、やっぱ。
蔦谷好位置:はい。
川島明:「誰かが見てくれてる」という。
蔦谷好位置:うん。
川島明:で、『JOY』がバーッとブレイクしていくわけじゃないですか。
蔦谷好位置:うん。
川島明:これは嬉しかったんじゃないですか?
蔦谷好位置:うん、めちゃくちゃ嬉しかったです。もう、渋谷のスクランブル交差点歩いて、ビジョンに『JOY』のMVが流れてて。結構、みんな「あれ知ってる?」みたいな感じで、ちょっと話題になったから。
川島明:はい。
蔦谷好位置:それで、「あ、これ俺作った曲だ」と思いながら交差点を歩くみたいな(笑)
川島明:今までのことも全部肯定してくれた、やっぱり間違ってなかったんだっていう。
蔦谷好位置:はい、嬉しかったですね、それは。