2023年7月14日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『問わず語りの神田伯山』(毎週金 21:30-22:00)にて、講談師の神田伯山が、香川照之が市川中車として歌舞伎デビューして衝撃的だったことについて語っていた。
神田伯山：映画俳優としてどんどんどんどん認められて、「香川照之って凄い」とか。大河ドラマとかもいろんなところでさ、もう脇役からもうど真ん中の主役までやってさ。
どんどん、どんどん自分の名声は高まってくけど、俺の予想ですよ、あくまで。でも、なんか多分満たされないんだよね。なぜかっていうと、それは「歌舞伎役者として認められてないから」っていう。
でも、そう考えると俺だったらさ、講談師として認められなかったら、やっぱこれは悲しいわけですよ。いかにね、なんかラジオとかで言われても、あ、でもごめん。講談師としても認められてるわ。
花形演芸大将とってる。たしかに、ごめんなさい。それちょっと、規模は、規模はだいぶ違うけど。レベルもだいぶ違うけど(笑)それはちょっと違いはあるんだけど、ごめんなさい、ちょっとしゃしゃり出てしまって。
で、とにかく多分ずっとこう心の中で思ってて。「歌舞伎役者として認められないと、俺は親父を見返すことができないんじゃないか」ってなった時に、46歳で歌舞伎役者デビューするじゃない。
46歳なんて、もう踊りだなんてあるから、もう絶対に無理じゃない。でも、なんか自分のせがれの團子君をいい歌舞伎役者にするにはこれしかないって言って、もう恥を忍んで。
で、おそらく大勢のお客さんは、「あの香川照之だから、市川中車になったとしても、まぁおそらく結構応用が効いて、歌舞伎でもそこそこ活躍できるんじゃないの？」と思っ たら、俺もそのデビュー見に行きましたけど、もう歩くことさえできなかった。
歩くことさえ、なんか他の歌舞伎役者と明らかに違うっていう。「え？プロと素人って、こんなに違うの？」っていう。だから、映画俳優としてやってたその才能とか、キャリアとかって、一切歌舞伎のあの舞台で、全く通用しないっていう。
