伊集院光、『シン・仮面ライダー』は50代で初代仮面ライダーに心躍らせていた世代に刺さる映画になっていると語る「あれも盛り込んでくれてるんだっていう」

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2023年3月20日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、『シン・仮面ライダー』は50代で初代仮面ライダーに心躍らせていた世代に刺さる映画になっていると語っていた。

伊集院光:仮面ライダーで、ちょっと言っとかなきゃいけないのは、PG12みたいのついてんだよね。

ちょっとやっぱり血出たりするから、12歳以下の人はなんか親の承諾がいるんだか、見ちゃいけないんだかみたいなのあるんだけど。俺から言わせれば、誰向けかって言ったら、あれはPG50。

上手く言えないんだけど、僕55歳で、友達の大野君も55歳。で、僕が幼稚園の時に仮面ライダーっていうものが始まって、まぁ心を鷲掴みにされるわけ。で、それが最初の仮面ライダー1号であり、2号でありで。

ちょっとずつ大人になるにつけ、V3が出てきて、アマゾンが出てきて。おそらくストロンガー、Xって…Xは今、再放送してるけど。Xも見て。Xストロンガーあたりで、あんまり見なくなっちゃった記憶があるんだよね。

で、ストロンガーで1回終わって、しばらくしてまたなんか仮面ライダーのタイトルで、なんか新しい仮面ライダー出たりしてるんだけど。特に、最近の仮面ライダーほぼほぼ 分からない、みたいな状況の。

なんかその50歳ぐらいの仮面ライダーの最初を見た人のためのものだね。だから、どういう評価が出て…今、本当に20代で今の仮面ライダーが好きで、最初の仮面ライダーを見に行くっていう人は、どういう気持ちになるのか分かんない。

本当に特に50代の人にネタバレしたくないんだ。前にも、ウルトラマンの時もその話を ちょっとしたと思うんだけど。あの頃、僕らは仮面ライダーがぬいぐるみであろうが、着ぐるみであろうが、ライダーキックでキック一発で倒れようが、あと死んだ怪人がその場で死ぬと泡になって消えていこうが…で、その泡も大した特撮技術もないから、本当に同ポジって、怪人が倒れたところに、多分助監さんが泡をぶんまいて、それが消えていくのを撮るだけ。

でいて、それを途中でフェードイン、フェードアウトするみたいな程度のやつだけど、俺ら少年の中には、もう凄い想像の世界で、仮面ライダーの物凄いアクションや、ライダーキックっていうのは、トランポリンで飛んだ藤岡弘さんが、結局着ぐるみを着ているその着ぐるみの怪人の胸にドロップキックをしてるだけなんだけど、ぶっちゃければ。

だけど、俺らには猛烈な破壊力の、改造人間の全てを砕くキックが炸裂したように見えてたわけ。で、その土手で戦ったりとか、ダムで戦ったりとかするシーンも、後で大人になってみると、まぁまぁ色々長い時間使えるところが土手なんだな、とか。長い時間使えてなんとなく見たこともない場所に見えたのが、まぁダムだったんだなみたいなことはわかるんだけど。

俺ら幼稚園の時は、もうそれが何倍にも凄く見えちゃうから。特に、仮面ライダー見た後に、よく問題になったのは、公園のジャングルジムから飛んじゃって大怪我する子供がいたりとかして、途中から仮面ライダーが予告編の「次回仮面ライダー…」ってなった後に、「ちびっこのみんなは高いところから飛び降りちゃダメだぞ」みたいなことを入れなきゃいけないぐらい。

みんなうっとりしちゃって。「俺も仮面ライダーになれる」と思ってうっとりしちゃって。で、俺もできるって思っちゃうぐらい、なんて言うんだろうな、実際のあの映像とはもう違うものが見えちゃってたやつを、庵野監督が作るっていう。だから、ダムで戦ってるの。ダムで戦ってるけど、アクションのグレードはめちゃめちゃ上がってるし、相手を ぶっ飛ばすと血は出るし、みたいなことなんだけど。

なんか上手く言えないんだけど、ダムで戦ってることのチャチさ、みたいなニオイも残すんだよ。なぜか分からないけど、ダムで戦ってるよとか。怪人死ぬと泡になっちゃうよ、みたいことも全部盛り込んでるわけ。

で、サイクロン号っていう仮面ライダーが乗ってるバイクが変形するのとかも、厳密に俺らの時の、洟を垂らし、膝から白い粉をふかせ、擦りむいたところにはお母さんに赤チンを塗られっていう。あの子供より、ずっと偏差値よりずっと偏差値の高い子供たちや、ずっと仮面ライダーを追っかけてSFについて詳しくなった人からしてみたら、そんな変形しねぇよとかいっぱいあるから。

今回の『シン・仮面ライダー』がどう評価されるかは、俺は想像もつかないけど。俺にとっては、もう全てのことがなんか「ありがとう」っていう。「それも盛り込んでくれてるんだ、あれも盛り込んでくれてるんだ」っていう。

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