2019年10月18日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(毎週金 21:30-22:00)にて、講談師の神田松之丞が、TBS系の番組『情熱大陸』の取材中に思わず格好悪い言葉を言ってしまったと後悔していた。
神田松之丞:志らく師匠来る前に、(「まっちゃん祭り2019」で)リハをしようと思って。で、俺もまたよしゃあいいのにさ、夜だけさ、『情熱大陸』のカメラ入ってたのよ。
で、『情熱大陸』と言えば、落語家がどんどんかましてくるでしょ。小三治師匠とかがさ、三三師匠っていう、自分の弟子の『情熱大陸』にも関わらず、鈴本演芸場っていう楽屋の中で、前座に「おい、前座。お前はとんでもねぇことを聞いたんだぞ」みたいなかましを入れてきて、俺は視聴者で「ああ、ヤダな」って思ってたの。
「感謝…感謝やでぇ」って、まだあっちの方がいいなって思って(神田松之丞、柳家小三治の『プロフェッショナル』と立川談志の『情熱大陸』の違いについて語る「談志師匠の何がいいかと言うと…」)。
そういうの思ってたから、俺は『情熱大陸』では基本的にペコペコ、ニコニコ。いい面を見せてこうみたいに思ってたんだけど、俺の悪いところ出ちゃってさ。
真っ暗にしなきゃいけないところがあんの。で、二人の男が旅してるって話でさ、いよいよ真っ暗にするところが、もう全部照明とか切る、みたいな感じで、視界がもう、お客さん側も真っ暗になって、演者も全く見えない、みたいな。真の闇を表現したいの。
「今しも二人がやって参りましたのは、東海道名代のうづ乃家峠。鼻をつままれても分からねぇ真の闇だ…」って言った瞬間に、パーンっと暗くなったら、演出的に格好良くて。
「おい、なんだこれ。目の前が見えなくなったぞ」「ご主家さん、もうすぐ見えますよ。目が慣れてきますから」「ああ…たしかに。見えてきた」みたいな感じの。徐々に明かりを取り戻す、みたいな。そういう小賢しい演出をしようと思ってさ。
これを3回ぐらいリハやったんだけど、2秒ぐらいズレるのよ。で、4回目になって、俺もあんまりそこまでカメラ回ってるから感情出すのイヤなんだけど、4回目ミスって2秒ぐらい巻いた時に、「ちょっと待ってください。これ、誰が悪いんですか?」みたいなことを言い出したの。
で、俺もよせばいいのにさ、「誰が遅いんですか?遅い」ぐらいまではまだいいんだけど、その時、俺が言った格好悪いセリフがさ、「カメラ回ってるから言うわけじゃないけど」って言ったの。
この格好悪さたるや凄いのよ(笑)藤山寛美が怒ってる時みたいな感じなのよ。「お前らなぁ!エエか、お客さんは銭を払ってくれてんねや。少しでも隙のある芝居をしたらアカン!」みたいな、その時の寛美の寄りが凄い、みたいな。カメラ、鼻の先まで来てんだろってぐらいに寄ってんだろ、それっていう。
「カメラが入ってるから言うわけじゃないけど、遅いよ」って。お前は玉三郎かっていう(笑)あれ恥ずかしいなぁ、『情熱大陸』の奴ら、絶対ああいうの使うじゃん、アイツらムカつくからさぁ(笑)
神田松之丞、柳家小三治の『プロフェッショナル』と立川談志の『情熱大陸』の違いについて語る「談志師匠の何がいいかと言うと…」