2022年11月15日放送の中京テレビの番組『太田上田』にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、父親に対して「親不孝をしてしまっていた」と悟って後悔した父親の一言について語っていた。
太田光:親父が最期、印象的だったのは、「光君さ」って。
上田晋也:うん。
太田光:「俺のこと、嫌いだったろ?」って言ったわけですよ。
上田晋也:うん。
太田光:そんなこと言うと思わないから、ビックリしたわけですよ。
上田晋也:うん。
太田光:でも、俺は親父にそっけなかったから、ずっと。
上田晋也:ああ、そう。
太田光:うん。
上田晋也:まぁまぁ、照れくさかったりするわね。
太田光:男同士ってそうじゃないですか。
上田晋也:うん、うん。
太田光:だから、ほとんど喋らなかったんですよ。
上田晋也:うん。
太田光:で、「俺、お前に何もしてやれなかったし、光君、俺のこと嫌いだったろ?」って言われたから、俺はもう絶句したわけですよ。
上田晋也:うん。
太田光:なんて言っていいか分からない。「いやいや、嫌いじゃないよ」ぐらいの感じなんですよ。
上田晋也:うん、うん。
太田光:「でも、俺はお前に何もしてやれなかったし」って言うから、「いやいや、それはもう本当に俺は、まず育ててもらったし、愛情かけてもらったし」って。
上田晋也:うん。
太田光:「感謝もしてるし」って。そしたら親父が「そうか、嫌ってなかったか」って。
上田晋也:へぇ。
太田光:って、凄い嬉しそうな顔をしたの。
上田晋也:へぇ。本当に嫌われてるって思ってたんだ?
太田光:と、思ってたみたいなんだよ。
上田晋也:おお。
太田光:だから、それは申し訳なかった。で、「そうかよかったぁ。俺は光君に嫌われてるんだとばっかり思ってた」って。
上田晋也:うん。
太田光:「そうか、俺のこと嫌いじゃないか」って言って。
上田晋也:ほう。
太田光:で、凄い安心した顔をしたの。その時なんですよ、「ああ、俺は親不孝だったな」って。
上田晋也:ああ、それを親父に思わせてしまったっていう。
太田光:人生の晩年まで、そう思わせてしまったこと、それが親不孝だったなって思ったわけですよ。
上田晋也:うん。
太田光:で、だから俺が最期に親孝行をしたのは、これは真面目な話で言いますと、もう親父が脳梗塞、心筋梗塞で「ああ…」って意識も何もないところで死んでったわけですよ。
上田晋也:うん。
太田光:その死ぬ間際に、時間があれば埼玉県の病院へ行って、耳元で「ありがとうな」って言うのを、何度も言いました。
上田晋也:なるほど、いい話だね。
太田光:それで古今亭志ん生の落語を2人で聞きました。
上田晋也:好きだったの?お父さんが。
太田光:大好き。志ん生の弟子になりたかった人なんですよ。
上田晋也:へぇ。