2022年9月12日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、漫画で苦手なシーンを事前に警告するAI技術に疑問を呈していた。
伊集院光:明治大学がさ…漫画あるじゃん、コミックス。コミックスをAIが判断して…要するに、コミックスを読んでたら、後でトラウマになるような残酷シーンが出てきたりとか。
自分が凄く嫌いなイヤな虫とかが出てきたりすることってあるわけじゃん。あと、残虐シーンが出たりすることってあるわけじゃん。「こんなんが見たかったわけじゃないんだよ」って出来事が突然起こることって漫画ってあるじゃん。
昔、『風光る 甲子園』って漫画をすげぇ見てたんだけど。月刊マガジンがなくなりますみたいなタイミングで、急に最終回になったせいで、ずっとライバルだった奴が「死にました」って、「急に?」っていう(笑)
それをあらかじめAIが、「こういうの苦手」みたいな、俺が答えるアンケートみたいなのがあるんだろうけど、それを分析して、次のページに「そういうコマあるけど、大丈夫ですか?」って言ってくるんだって(笑)
しかも大真面目に書いてあるんだけど、それを柔らかくするために、漫画のキャラクターに言わせたいとか書いてあるの。
たとえばだよ、『巨人の星』の飛雄馬が一徹に凄ぇしごかれるシーンを、ドメスティック・バイオレンスだって判断したとするじゃん、今の基準で言うと(笑)それはDVですよ、子供にあんなバネじかけのギブスつけて。
おそらく何度も乳豆挟んでるでしょ(笑)「千切れちゃう!」ってなって。「父ちゃん、千切れちゃう!」って言っても、「大リーガーはみんな千切れてんだ」ってウソを教えられてるシーンあったじゃんか(笑)千切れ飛んでるのを、お姉ちゃんが拾って縫ってるシーンがあったじゃん、俺もうろ覚えよ、前の話だから(笑)
で、そのシーンがあったやつを、これは苦手と判断したとするじゃん。その時に、星飛雄馬が「この後、ヒドイ目に遭うから、見たくなければ見ない方がいいよ」っていうのも、変な話じゃん。
で、もちろんさ、漫画は自分の好みでちゃんと選んだ方がいいし、過剰な残酷表現のある漫画をオススメすることはないよ。オススメはしないけど、そこまでする?漫画の途中で、AIがコマをちゃんと見ておいて、「こっから先、お前の苦手なやつくるけど」って。
パッとめくった時に、『巨人の星』で言うと、大リーグボール3号の投げすぎで、最後、手が粉々みたいな絵になることに、ショックは受けるよ。だけどさ、そういうのあるよって、なに?(笑)
でも、結局星飛雄馬は最後の試合で完全試合を続けてるわけ。で、最後のバッターに、自分の親友だった伴宙太がバッターボックスに入って、で、「これ以上投げ続けたらお前の利き腕はダメになる」ってずっと言われてる中で投げてるわけじゃんか。
で、いよいよ最後の一球になりますって瞬間、すみっこで星飛雄馬が「次のページでショックなこと起きるから覚悟してね」って言ったら、やられんだって思うじゃん、絶対。それはいい世界なの?そこまで保護されていくの?漫画を読むという行為は。