2024年7月15日放送のニッポン放送系のラジオ番組『タモリのセッション2024』にて、タレント・タモリが、芸能の世界へ飛び込むきっかけとなったジャズピアニスト山下洋輔との出会いについて語っていた。
山下洋輔:サックスの中村誠一と、ドラムの森山威男と。みんなオモシロ好きでね。中村はその時、部屋にあった籐の椅子を頭からかぶって。
タモリ:ゴミ箱です。
山下洋輔:それをかぶって「虚無僧」とかって言って(笑)俺と森山がそれ見て大騒ぎしてて。そうやって盛り上がって騒いでたら、知らない男が扉を開けて入ってきたんですよ。
タモリ:ドアの前通ったら、中村誠一がお能だかなんだかやってるんで、「この人は俺と合う人だな」って思って。
山下洋輔:ふふっ(笑)その勘が凄いよね(笑)
東島衣里:初対面ですよね?(笑)
タモリ:もちろん、初対面で。で、鍵がかかってないんですよ。あの頃のホテルは、自動ロックじゃないんですよ。
東島衣里:今だったらできないですもんね(笑)
タモリ:で、開くんで。細い通路があって。こっちはトイレとバス、向こうにベッドがあって。そこに山下さんたちが笑ってて。で、俺は中村誠一しか見えない。
山下洋輔:踊ってるね。
タモリ:で、中村誠一からしたら、俺が入ってきたのが見えたらしくて。一瞬、「誰だ?」って思って、止まったんですよ。
山下洋輔:ああ、そうか。
タモリ:それで止まった時は、「今、ここで入っていく合図なんだ」って思って(笑)
山下洋輔:はっはっはっ(笑)
タモリ:それで入っていって、一緒にずーっとやってたんだよ。で、ただただ笑ってるだけなんですよ。
山下洋輔:こっちはもう、面白い奴が入ってきたなって。それでもう、取り上げちゃうし、自分の方が上手いしね。
タモリ:で、明け方ですよ。
山下洋輔:誠一がでたらめ韓国語で怒鳴って。そしたらね、この人が…入ってきた男の方がやっぱりでたらめな外国語で返してきたんだけど、それの方が数倍上手いんだよ。
タモリ:ふふっ(笑)
山下洋輔:それでビックリして。「なんだろう?コイツは」って思ってたら、誠一も刺激されてね。二人でめちゃくちゃな外国語で喧嘩し始めて。
タモリ:ふふっ(笑)
山下洋輔:韓国語、中国語、スベイン語、ドイツ語…色んな言葉でね。平気でついてきて、上手いんだよこの人の方が。
タモリ:ふふっ(笑)で、明け方なんで「失礼します」って。「待て、待て」って(笑)
山下洋輔:「失礼します」って、入ってきたドアから出ようとするから、「ちょっと待って。あなたはどなたですか?」って(笑)
タモリ:散々やって(笑)2時間ぐらいやってて(笑)
山下洋輔:はっはっはっ(笑)これが初対面だよ(笑)
タモリ:そこで慌てて、「森田です」って。
山下洋輔:「ああ、森田さんか」って思ったのよ。
東島衣里:出ていっちゃったっていうことは、その場では連絡先とか…
タモリ:まったく、まったく。
山下洋輔:「森田と申します」って言ってね、礼儀正しく出ていっちゃったのよ(笑)森田っていうのは、ジャズマン用語ではすぐ「タモリ」になるんです。「あのタモリ、凄かったね」って話をして。
東島衣里:へぇ。
山下洋輔:それから、福岡行くたびに、俺の方から知ってる人たちに、「あの面白い人がいたけど、あの人に連絡つきませんか?」って。そしたら、大体知ってて「ああ、あの森田君だね」って言って。
東島衣里:ああ。
山下洋輔:「タモリ」って言ってた人はいなかったよね。
タモリ:いなかったですね。
山下洋輔:で、電話をして。
東島衣里:で、またタモリさんにたどり着きまして。
タモリ:それからずっと会うようになって。で、「もう出て来い」って言われて、東京へ。