2023年8月8日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週火 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、司馬遼太郎が小説家になったきっかけについて語っていた。
太田光:司馬さんが晩年、小学生向けに「21世紀に生きる君たちへ」っていう、国語の教科書に載る文章をね、書いてくれって頼まれて、書いたって言うんですけど。
田中裕二:うん。
太田光:その文章が俺、大好きなんですよ。
田中裕二:うん。
太田光:要するに、21世紀に…まだあの頃、20世紀ですからね、司馬さん。言ってみれば、20世紀の末ですよ。その頃に、「20世紀は人間が驕り高ぶった世紀であった」と。
田中裕二:うん。
太田光:戦争があって、破壊の世紀ですよね。原爆も作られた。
田中裕二:うん、うん。
太田光:で、とにかく科学というものが一番で、人間がこの中で頂点であると、驕り高ぶった世紀。そして、破壊の世紀が20世紀であった、と。
田中裕二:うん。
太田光:というのも、なんでかって言うと、司馬さんは戦車兵なんですよ、戦争中。戦車に乗って、出兵してね。満州のあの辺で戦っていた。それも下っ端の方で。
田中裕二:うん。
太田光:そうすると、敵の戦車、タンクは物凄い立派なのに、日本軍の戦車はハリボテみたいに見えた、と。
田中裕二:うん。
太田光:で、司馬さんが「日本はいつこうなった?」と。もっと堂々たる国だったはずなのに…って思って、その戦争中、戦車に乗りながら、「これは戦争、もし生きて帰れたら、その強かった頃の日本、堂々たる…要するに自信喪失するわけですよ、敗戦でね。
田中裕二:うん。
太田光:だから、そういう人たちに向けてね、「いや、日本はもっと立派な国なんだよ、本当は」ってことを伝えたくて、その明治の歴史や、その前の。堂々たる立派だった頃の日本の歴史を書いて…っていうのが、あの人が作家になるきっかけなの。
田中裕二:ああ、そうなんだ。