ニッポン放送での出会い
伊集院光がニッポン放送で『伊集院光のOh!デカナイト』(1991~94年)に出演していた際、出待ちをしていたネタはがき職人・サバ味噌煮が渡辺雅史である。その後、渡辺はニッポン放送のアルバイトとして関わり、放送作家の足掛かりとなる。
現在、『伊集院光 深夜の馬鹿力』『爆笑問題の日曜サンデー』の構成作家を担当している。
33歳で童貞を卒業したと番組内で発表
番組内では、生粋の電車マニアであることや、大学を8年通った末に卒業できず退学となっていることが明らかとなっており、その中で、2008年10月、33歳で童貞を卒業したと発表されていた。
伊集院は「渡辺君のバージニティーは、すでに個人の物ではなくなっている。もはや番組のものだ。そのバージニティーは、アイドル声優並に面倒なもの」と、童貞卒業をかなり悔やんでいる上で、さらに以下のような童貞喪失までの経過を語っていた。
…出会いは、3ヶ月前のファミレスだったようだ。そこで、彼女がノートPCの『駅すぱあと』で道のりを確認していたが、上手くいかずに困っている様子だったのだという。そこで、渡辺氏が「お困りですか?」と声をかけたのがきっかけだったそうだ。
渡辺氏といえば、番組を聴く者で知らない人はいない『電車バカ』。その特性がうまいこと彼女をつくることに結びついたようだ。その後、デートを重ねてドライブなどに行ったのだという。だが、『彼女が出来た』とは伊集院などに一切口外せず、童貞卒業後に初めて告げたそうだ。
渡辺氏、婚活にも参加
伊集院光:今年の年末に滑りこんできた重大ニュースで言うと、僕の前でゲラゲラ無駄に笑ってるこの構成作家の渡辺さんですけども、渡辺さんが、婚活パーティーに参加したって話どうですか?(笑)
今、ガラスの向こうが「え?!マジで?!」ってなったでしょ(笑)内緒でコイツ、参加してるんですよ、実は。これね、リアルな話でして。今、39歳、彼女なしですよね。独身で、年老いた両親から「どうするの?」って言われてる…「こっちが訊きてぇよ」でお馴染みの構成の渡辺さんなんですけど(笑)
事の起こりは、俺に後で勘付かれるのはイヤだと思ったと思うんだけど、「取材で婚活パーティーに行こうと思うんですけど」みたいなことを始めたわけ。スゲェ「取材で」って言うわけ。
「何の媒体に載るの?」って訊いたら、「媒体は決まってない」っていうの(笑)取材じゃないよね(笑)全然、取材じゃないよね、それはね。
本人、猛烈「取材で行く」と。「そういうものを見て、婚活パーティー事情はどうなのよ?」みたいな企画書…締め切りのない原稿を先に書いて、それを持ち込むっていうわけ。お前さ、俺とやってる締め切りバリバリあるヤツを書こうぜ(笑)それが年末進行で泡食っちゃってるような中で、「取材で婚活パーティーに行く」って言い出すわけ。
そこはデリケートな部分も分かりますから。構成・渡辺くんの柔らかいところ分かりますから。デリケートゾーンわかりますから、あんまりグイグイ行っても悪いなって思いながら、こっち側は逆にですよ。逆の優しさでですよ、「そういうのちょっとでも照れがない方が良いよ」って。
「本当の取材をしようと思ったら、そこに偽名を使ったりとか、違うプロフィールを載せたりじゃなくて、本当に『フリーライターをやってます』って言って、年収もちゃんと書いた方が良い」って。しかも、「本気で取り組んだ方が良い」って。
スゲェ茶化されるって思って、取材って壁を作ったのに、俺がこの反応をした途端に、「そうですよね。そうじゃないと、真実のルポルタージュは無理ですよね」みたいな空気を出してくるんですよ。
それで、段々、時間が近づいてくるごとに、「背広を買いに行きたい」と。「背広を買いに行きたいんだけど、誰かそういうのコーディネートできる人いませんかね?」って話を始めるわけ。…もう、マジだよね、それ(笑)
その中で、俺が言った「お母さんに選んでもらえば良いじゃん、実家なんだから」って言ったら、39歳の我が息子、お母さんも71歳になってる。そのお母さんに、「そんなニオイ(婚活に取り組んでいる)させちゃって、ガッカリさせるわけにはいかない」っていう(笑)…ガチじゃん(笑)完全にガチじゃん(笑)
伊集院光、構成作家・渡辺くん(39)が婚活パーティーに参加したと明かす「鉄道の話題が好きな人、集まれ」
放送作家の傍ら、UberEATSでデリバリーもしている
伊集院光:(構成作家)渡辺君が食えなくて。食えなくてっていうか、カネが欲しい、と。それと、中途半端に時間がある、と。
とにかくこの時期っていうのは、打ち合わせをするとか、「企画書を見せてくれ」とか。あと、ちょっとした確認がっていうことで、ほうぼうに呼ばれるけども、それがお金にならないまま、次も次も次もって行かなきゃならないわ。
あと、一緒にやってる連載の打ち合わせがあったりする中で、バイトとして。あと、ネタ的にもいいっていうのと、さすがに最近、ちょっと体を動かさないと健康にもよくないっていうんで、全部兼ね備えた形で、この渡辺がUberの、UberEATSっていうやつのバイトを始めて。
これは、UberEATSの会社に登録するんだよね。登録して、それで「UberEATS」って書かれた、リュックみたいな、運ぶ用のカバンみたいなのを、カネ出して借りて。保証金を払って借りる、みたいな。
で、登録して。そうすると、仕事してる途中とかにメールとかで、「今、バイト行けますか?」ってくるわけ。要するに、食べ物屋に行って、メシを受け取ってくれ、と。食べ物屋の場所は出るの?赤坂でやってると、「赤坂の○○まで行ける人いますか?」って出るわけ。
それで「行けますよ」ってやると、行って、そこでメシを受け取って。で、行くと今度、メールで「それは○○で頼まれたやつですよ」ってくるから、その頼んだ人のところに行って、「まいどあり」って言っておいて帰ってくる、みたいなバイトを始めたわけ。
ちょいちょい、コイツだから俺が原稿書けないと、「ダメだわ。1~2時間ちょっと出ねぇわ」「じゃあ、僕、バイト行ってきていいですか?」みたいな(笑)なんなら、俺が原稿書いてる途中にも「ああ、入った!」なんつって(笑)
行っちゃうんだよ。すぐ行っちゃうんだよ。で、コイツ車の免許も持ってないし、体にもいいからって理由をやってるから、最近、都内に異様に増えてる、自転車シェアリングみたいなのに登録してるから。もう、流浪のUberなの。
都内のどこで打ち合わせしようが、急にUber入ってくるわけ。それでいて、「行きます、行きます」って、自転車シェアリングでチャリ乗って、それで配達に行っちゃうわけ(笑)何やっててもコイツ、出前に行っちゃうんだよ(笑)
伊集院光、構成作家・渡辺雅史が始めた「UberEATS」での稼ぎ方を説明「もう、流浪のUberなの」
伊集院と構成・渡辺、2人の不思議な関係
神田松之丞:俺、なんか構成の渡辺(雅史)さんって、なんかよくわかんない存在だなって。昔から聴いてて思ってたの。で、俺はこの番組って別に、パクってるわけじゃないんだけど、馬鹿力をさ。
なんか、目の前に笑い屋のシゲフジ(常磐津佐知太夫)っていうさ、渡辺さんっぽい人がいてさっていう。でも、普段から俺らが言ってたのはね、渡辺さんって、言っても『深夜の馬鹿力』の構成とかやって、で、さらに伊集院さんにアドバイスとかして、まぁ色々、なんかその深夜の馬鹿力のために、元々、伊集院さんのファンだった人が、出待ちかなんかしてて、雇われて今に至ってるっていう。『Oh!デカ』くらいの頃からかな。
ずっと前から、もう最初の初期からいるっていう人だからさ。そういう人で、常に伊集院さんと二人三脚で。伊集院さんって、正直さ、自分にも厳しいさ、番組のことを凄く考えてるし、全力で当たるって。そのさ、伊集院さんっていうさ、非常にこう…なんて言ったいいのかなぁ…言葉選ぶね(笑)
ふふ(笑)なぜ言葉選ぶかって言うと、多分、聴いてるから(笑)御大が(笑)御大が聴いてるから。そういう人と二人三脚するって、凄いじゃんって思って。
だから、「渡辺さんってどういう人なんですか?伊集院さんから見て」っていう話聴いたら、「とにかく、シゲフジなんかただ笑ってるだけなんだから」って思ったらさ、渡辺さんさ、まず「構成に携わってない」って言うのよ。
「え?」って思って。だから、「渡辺さんって、何なんですか?」って言ったら、「何なんだろうね?」って(笑)あと、笑ってんのと、基本的になんかメモを渡すんだって。固有名詞とか出なくなったら。それだけだっつうのよ(笑)それで20数年とかやってんだと思って。
結局さ、シゲフジも俺と伊集院さんの対談を聴いてたんだけどさ、シゲフジがまず「俺と同じじゃん」って言ったの。「渡辺さんって、偉いかと思ったら、俺と同じじゃん」って言ってんのよ(笑)
お前と同じではないけど。爆笑さんのとか、ちゃんと作家としてやってんだから。お前じゃないけども。だから、「どんな存在なんだ?」って思ってさ。
でさ、伊集院さん曰く、「依存してる関係なのかもしれないね」って言ってて。で、「彼はとにかく鈍感だから」って。聴けば聴くほど、その関係性がおかしくってさ。
前から、『深夜の馬鹿力』って、変なラジオだなって思ってたのよ。それ、伊集院さんの面白さに隠れてんだけど、なんかね、心の中で凄い…なんだろう、今、頭の中で「パワハラ」って言葉が出てんだけど(笑)それはそのまま使いづらいなぁ(笑)
パワハラじゃないんだけど、なんかよく分からない師弟感とか。師弟感よりも密な空気みたいなのを感じて。渡辺さんに向けてやってる、みたいな感じがちょっとある感じしてて。
で、彼はもちろんファンだから、そのファンの前で、もちろん構成とかをするのもイヤだし、ネタとかさ、「こんなの喋ったらどうかな?」っていうのもイヤだしっていう。ある種、『Oh!デカ』時代から聴いてた奴に対して、「今の俺も延長線上で、ずっと昔のままだ」っていうものの象徴なのかなって捉えられて。
神田松之丞、伊集院光と「構成作家・渡辺雅史」との関係性に驚く「師弟感よりも密な空気」「ただいて欲しい」
GPSですぐ駆けつけられる渡辺
神田松之丞:その不思議な関係なのがさ、なんか伊集院さんがGPSかなんか持ってて、渡辺さんも伊集院さんの位置を常にチェックしてんだって。それ、おかしいだろ、関係性(笑)
「SPなの?」って思って(笑)で、伊集院さんが…「まぁ、これコンプライアンスの関係でさぁ、世間の人が言うと引いちゃうかもしれないけど」って、伊集院さんもちゃんと言ってて。いいよね、不思議な関係だから、仕事としてみんな聴いて欲しいんだけど。
電話かけたら、15分以内に伊集院さんがどこにいようと、必ず15分以内に渡辺さん来るんだって。極端に言うと、東京にいなくて、神奈川とかさ、なんか沖縄とかにいてもさ、来てくれて、渡辺さんが。
別に何をするわけじゃないんだって。「ただいて欲しい」んだって(笑)「なんだ、その関係」って(笑)怖いっていうか。
でもなんか結局、必要なんだよね、伊集院さんにとっては。その渡辺さんっていう存在がいることによってっていう。
でも、伊集院さんが言ってたのが、「アイツもいい年齢だからさぁ」って。「おじさんになっちゃってるから、この関係も歪(いびつ)だし、俺でもおかしいと思ってんだよね」っつって。