月曜:カンニング竹山
赤江珠緒:竹山さんについて。竹山さんは、キレキャラでおなじみですが、ラジオを毎週やらせていただいた私の感想は、「世話好き、面倒見の良さが抜群のおっちゃん」だということです。
芸能事務所社長キャラでよく、「あなた、ちゃんと聞きなさいよ」「芸能に入った限りは、死ぬまで続きます。それが芸能です」とか。「今、きているから赤江さん、もっと欲を出して行きなさいよ」とか。発破をかけていただきました。
私が火傷をした時も、「すぐ病院に行きなさい、すぐさま病院に行きなさい」と、誰よりも心配してくれました。亡くなった相方さんの中島さんのご家族と、旅行に行った話も聞かせていただきました。
他には愛犬・ジャックと、奥様じゅんちゃんの話もたくさん聞かせていただきました。「ジャックのためにハワイで買った、『スター・ウォーズ』のヨーダの服が、物凄く似合ってて可愛いから見て」とか、「預けていたところから、帰ってきた旅行かばんの中で寝ている姿のジャックを見て」とか強要されたりとか。
奥さんのじゅんちゃんが、「朝ケンカしてから電話に出てくれない」とかも、よく聞きました。子供の頃に飼っていた犬、秋田犬のリュウとドーベルマンのジョンの話も忘れられません。ちなみに、その後飼っていた犬は、マルチーズのジミー、ケリー、そして今のジャックです。洋風かぶれした感が若干ありますね(笑)
小学校5年生の時から、彼女がいた内面二枚目の竹山さんは、生活スタイルにもこだわりが多く、マイボトルにコーヒーを持参し、キャンプ用品をアマゾンで激買い、ベランダでキャンプ道具を広げてキャンプ飲みをする、形から入る二枚目です。
一方で、『たまむすび』の放送中、テレビの料理番組で油をたっぷり使って揚げ物を揚げているのを見て、「家だともっと少なくやるよね。家でやる感じでやってほしいよね。あれじゃあオイルポットにも入らないよ」とか、クレームを言っている姿は、地に足がついた生活感が出ていて、心ひそかに私は、笑えていました。
そして小田嶋さんが足を骨折していた時期には、いつも小田嶋さんがスタジオ入りする前に、ちゃんと椅子を整えていたという気のつかい方をする人です。
そんな心の根の優しい竹山さんと、週明け、お互いのたわいもない週末の報告から始まる月曜日を、ご一緒できて本当に嬉しかったです。
赤江珠緒、『たまむすび』を卒業するに当たってカンニング竹山に答辞「ご一緒できて本当に嬉しかったです」
火曜:山里亮太
赤江珠緒:山ちゃんは、『たまむすび』の私のパートナーの中で、唯一年下でしたので、「年下には、何を言っても良い」と思っている体育会系の私としては、全く気を遣わずに済みました。本当に気を遣いませんでした。
火曜日、大体先にスタジオ入りしている山ちゃんが、スタッフと談笑していて、「何?何の悪口?」と、私が訊くところから、毎週始まっていたように思います。
実際、山ちゃんから出社早々、「赤江さん、2つ悪口あるけど聞く?」と言われることも、よくありました。そんな時の話は、一切オンエアで使えない、無駄なものでした。
また、山里さんは悪口以外にも、色んなことを報告してくれて、「赤江さん、知ってた?このチョコレート、50kcalもあるよ」とか、「タイガーナッツは、水に1日さらして食べると、サクサクだよ」とか。
山里亮太:OLかよ、俺。
赤江珠緒:「サカムケアって、物凄く効くよね」とか、よく分からない報告もあったように思います。
山里亮太:良い報告でしょ。
赤江珠緒:驚くほどの邪気と、無邪気の両立。母・フミヨさんが溺愛するのも、ちょっと分かる気がします。実際、山里家のご家族には、大変お世話になりました。
山里亮太:良い報告でしょ?
赤江珠緒:フミヨさんには、スタジオにお越しいただいたりもして、「この子にして、この親あり」を、生で実感させていただきました。仲良し山里家のオモシロ話も、たくさん聞かせていただき、忘れられません。「積もる話もあるからな」と入った、父と二人の露天風呂、意外と話がないことが判明。
山里亮太:はっはっはっ(笑)
赤江珠緒:出張先でも、帰る時間帯を見計らって、親戚タクシーがスタンバイなどなど、世間と身内の愛情のバランスが極端で、また、見事にバランスがとれていることにも驚かされました。
そして、スタジオでベラベラ喋っているのに、『たまむすび』パートナーが揃うと、意外にもモジモジしていたとか。
山里亮太:それ、やめてよ。
赤江珠緒:人見知りのわりに、知らない旅先の人と仲良く飲むとか、山里さんの妙なバランス感覚は、相変わらずユニークですが、少し前にニュースになった外国人狙いのニセ僧侶に騙されて、キラキラしているお札をもらったと言っていた時は、本気で心配しました。
あとここ数年、時々言い出す「俺も恋をしたいね」と、寅さん風に語るのも気になります。しかし毎週、私のやらかしに対して、1つも外さないツッコミで応じていただいて、ありがとうございました。
山里さんのご多幸をお祈りしております。
赤江珠緒、『たまむすび』卒業にあたって山里亮太に答辞「私のやらかしに対して、1つも外さないツッコミで応じて頂いて」
水曜:博多大吉
赤江珠緒:水曜日は、気が付けば実家のような和やかな曜日になっていました。大吉先生が放送直前まで東スポの原稿を書き、どん兵衛を食し、一応気を遣ってなのか、「どん兵衛の汁いる?」と、私に聴いてきて、私が「要らん」と答える。そんな風景が日常でした。
実家と言えば、大吉先生のご実家のリフォームするかどうかで悩んでいる、台所の落とし穴問題は、先延ばしのままでしょうか?お正月に親戚で集まると、芸能界の話になり、お姉さんにたびたび「クスリやってないだろうね?」と確認される問題は、解決しましたでしょうか?
先生の子供時代の不憫な話は、味わい深いものがありました。遠慮なく笑わせていただいたりしておりましたが、先生も私に対し、「榮倉奈々さんに似ていると思ってご本人に会ったら、全く似ていなかった、足元にも及ばなかった」などと、遠慮なく発言されていたので、ここは1つチャラということでよろしくお願いしたします(笑)
でも、『たまむすび』の仕事は、「ウィニングランのようなもの」と仰りながらも、番組のことを実は、凄く考えて下さっていて。自腹のプレゼント、大吉大黒様や、スタッフとの飲み会など…まぁ、これは単にご自身が飲みたかった説もありますが。
あと、クリスマスプレゼント交換会など、水曜日独自の会を開いていただき、感謝しております。
今でこそ、コマーシャル中、お互い喋っていなくても、無言でも平気な実家感ですが、最初の頃は、今思えば、ずいぶん気を遣って、何度も「赤江さん髪切った?」とか、話しかけていただいていたような気がします。
5年間、たくさん支えていただきました。今回、出産で番組を離れる云々の話になった時も、「もっとパートナーを頼れば良い」と言って下さったとか。クールに見えて、熱い大吉先生に、たくさん救われました。…知らんけど。
赤江珠緒、『たまむすび』卒業にあたって博多大吉に答辞「5年間、たくさん支えていただきました」
木曜:ピエール瀧
赤江珠緒:未年おひつじ座の瀧さんへ。この干支と星座だけで笑われてくれる人は、世の中そうはいません。
「誰よりも猛獣のくせして羊だ?」と、初めて聞いた時は放送中だったのにも関わらず、爆笑してしまいました。
『たまむすび』を始めた頃から、一貫して私に容赦なく、「鬼だ、この人は鬼に違いない」と思っていました。
ピエール瀧:ふふ(笑)
赤江珠緒:鬼に手玉にとられる、まさに玉のように、右に左に放り投げられる日々が続きましたが、そのうちそれが愉快になってきて、今に至ります。
人間、慣れって怖いですね。しかし、そんな木曜日ですが、放送中より放送後のほうが意外と世の中の役に立つようないい話をしていたこともあるんです。
ピエール瀧:ああ、ありますね。
赤江珠緒:はい。ちょっと忘れましたけれども。
ピエール瀧:忘れたのかよ。
赤江珠緒:毎週する雑談も色々で。「いいちこのCM、あれ凄いよね。なんでライフセーバーが出てくるんだろうね?」とか、「先週の『アースプラネット』観た?イグアナが襲われるところ」とか。
「文春を老眼かけてわざわざ読むのは、ゲスな感じがするね」とか言いながら、芸能ニュースをキャッキャッ読んだり、幅広かったです。
ピエール瀧:うん。
赤江珠緒:個人的には、瀧さんが子供の頃福引で3等を引き、プールに持って行くバッグ(底をふくらませると浮き輪になるタイプ)が当たった話が忘れられません。
瀧さんのおかげで知らなかった扉も、たくさん開きました。フジロックも初体験しましたし、ブルーリボン賞の雰囲気も味わえました。
郡上八幡の魅力も知りました。ガンプラも作らされました。金も買わされました。春からはゾンビの塗り絵の世界が待っています。妙なお土産やお菓子をありがとうございました。
一方で、スタジオ入りの瀧さんの第一声が、「ケジャン買いたいから、誰かお金貸して」だったこともあり、そしてスタジオに現れないこともあり、瀧氏のその天衣無縫ぶりは、最後まで予測不可能でした。
5年経っても毎週「たのもう!」という感じの乱取りのような放送でしたが、瀧氏に弄ばれた5年間は、痛快でもありました。
…ということでございます。