2019年7月23日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『たまむすび』(毎週月-金 13:00-15:30)にて、映画評論家の町山智浩が、日本テレビ系の番組『スッキリ』で、お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次が吉本興業の株主である全民放を相手に、「なぜ株主総会を開き、取締役たちを追求しないのか」と問うたことを称賛していた。
赤江珠緒:この時間は映画評論家・町山智浩さんの「アメリカ流れ者」。今日はご自宅のあるバークレーからのご出演です。もしも~し、町山さん。
山里亮太:もしも~し。
町山智浩:はい、町山です。よろしくお願いします。
山里亮太:お願いします。
町山智浩:どうもです。山ちゃん、今日は落ち着かないでしょ。
山里亮太:いや、本当そうですよ、町山さん。どうしたらいいですかね、俺たちは(笑)
町山智浩:ふふ(笑)今、加藤さんがこれから、吉本の上の方と話す準備に入っているんですよね?
山里亮太:今日の夕方に、6時に会うっていう話を朝、言ってましたね。
町山智浩:ねぇ。僕、こっちでも見たんですけど。『スッキリ』で加藤浩次さんがね、ぶっちゃけてるところを。
山里亮太:はい。
町山智浩:まぁ、凄いですよね。
赤江珠緒:凄いですよね。
山里亮太:そうですよ、覚悟を感じましたよ、加藤さんから。
赤江珠緒:相変わらず、スパッとされた方ですよね。
町山智浩:ええ。他のテレビ局も、報道とかも含めて、隠していたり曖昧にしているところ、全部自分でやりましたからね。
山里亮太:そうですね。
町山智浩:その前の日とも含めてね。だから要するに、詐欺グループのダミー会社、CARISERAっていうところのスポンサーの仕事を、吉本自体がやっていた、ということも言っちゃったし。
山里亮太:うん。
町山智浩:あとはだから、東京と大阪の民放各社が、ほとんど全部が吉本の株を保有しているということも言っちゃいましたよね。
山里亮太:言ってました。
町山智浩:ねぇ。だから、それが凄く証明されたのは、その後の吉本の社長の記者会見で。
山里亮太:はい。
町山智浩:記者たちが、まともな質問がちゃんとできない(笑)
山里亮太:ああ。
町山智浩:もうだから彼ら、芸能の方で来ているから、レポーターだからっていうのもあるんですけど、要するに民放は、利益共同体ですからね、株持ってるから、配当ももらうしね。
山里亮太:うん。
町山智浩:だから、ちゃんと追求できないよってことを、まぁ言った通りのことが本当に起こっちゃってるんで(笑)
山里亮太:そうか。
町山智浩:ああいうふうに、先にバラされてるんだから、そこで社会部の人とか、それこそ政治部の人、報道部の人を入れて、ガチガチの質問をすればよかったのに、芸能レポーターみたいなのを入れて、ズブズブの質問で終わっちゃってたりね。
山里亮太:じゃあ、これからそういう質問も…もう、この話は議題に上がってるから、そう質問をする人が出てきて、その質問に答えるって場が、設けられたりするんですかね。
町山智浩:しないとまずいなと思うのは…だから、そこで加藤さんが凄いなと思ったのは、要するにテレビ局…民放と吉本が、完全に一つになっちゃってるから、完全に。株で繋がって。
赤江珠緒:うん。
町山智浩:だから、たとえば逆らった芸人さんはテレビに出れなくするっていうことも可能なわけですよね。
山里亮太:うん。
町山智浩:もう一つは、報道もちゃんとできない、追求をすることはできないと。
赤江珠緒:うん。
町山智浩:だって、繋がってるわけですからね、お金でね。
赤江珠緒:そうですよ。だって…
山里亮太:最初に亮さんが言ったやつですよね。最初の会見で亮さんが言って、取り上げられた…
町山智浩:いや、加藤さんが言ってたのは、「株主たちが、50%の株を保有している人たちなら、取締役を解雇することができるんです」って言ったんです。
山里亮太:ああ、今朝言ってた。
町山智浩:今朝、言ってたでしょ。あれが凄いことなんですよ。
山里亮太:っていうと?
町山智浩:「テレビ局はなぜ、株主総会を開いて、非常にブラックな状況をクリアにするために、取締役たちを追求しないのか?」っていうことを言っているんですよ。
赤江珠緒:うん、結構大きいところに物申す感じになってますもんね。
町山智浩:凄いことですよ。彼がもう見てるのは、もう吉本じゃないですよ。
山里亮太:芸能界?
町山智浩:全民放ですよ。
赤江珠緒:でも、テレビではそれを「加藤の乱」みたいな感じで今、報道されてますよ。
町山智浩:そんなレベルじゃないんじゃない?
山里亮太:なるほど。
町山智浩:それこそ、TBSも含めた、全面に対して言っているんですよ。
山里亮太:ほう。
町山智浩:民放の株、吉本の株は全部で47%なんですけど。
山里亮太:はい。
町山智浩:株主総会を開くための残りの3%っていうのは、他にヤフーとかソフトバンクなどが持っているわけですから。彼らも、こういう吉本が法的に非常に曖昧なところにあるということに関して、自分たちもコンプライアンスの問題で、ちゃんとしたいと思えば、そこに参加するから、株主総会開けるんですよ。
山里亮太:うん。
町山智浩:だから、「それをやらないの?」って言ってるんですよ。
山里亮太:なるほど。
町山智浩:言ってるっていうか、言ってたんですよね。
山里亮太:そうですね。
町山智浩:大変なことですよ、彼がやってることって。
赤江珠緒:そうですよ。でも、それにどれだけ応えたり、どういうふうに変わっていくのかね。
山里亮太:さらに今、そのことを訊くと、今のこの世の中ですよ。加藤さんのこと、凄い心配になっちゃいますよね。
町山智浩:それはもう、完全に腹括ってるんだと思いますよ。あとは、『スッキリ』も腹括ったんだと思いますよ、それは。
山里亮太:そうですね。だって、言ったら、CM行くとかってなったりとかして、「やめろ」とか、「止めてください」とか。
町山智浩:でも、彼らはちゃんと放送をしたからすごいなぁって思ってて。