2025年8月25日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、愛知・豊明市がスマホ「1日2時間」条例案を提出したことで思い出した養老孟司の言葉について語っていた。
伊集院光:愛知の豊明市だっけ?「スマホやゲーム1日2時間」みたいな条例作るっていうやつなんだけど。
「どうした?」っていうかさ。まぁ、あれ分かりやすいのはさ、条例じゃん。で、罰則がないじゃん。だから、作っとくと、選挙に一番来る、中高年のウケがいいっていう。で,
かと言って実質何をするわけでもない、みたいなことで。
俺は思うんだけどね、もちろんね、AI怖いとか、スマホで何でもやるのは、「乙じゃない」「粋じゃない」みたいな。それから「人間の手でやらないと」みたいなのを言う人っていうか、その考え方は分かんだけど。
「もうできちゃったもんを、それ言ってもしょうがなくない?」みたいな。昔さ、俺、養老孟司先生とさ、一緒に本書いたりとかしてるけど。養老孟司さんのことを凄い人だなぁと思ったり、会いたいなぁと思ったのは、ゲームショーの司会をやってる時に、養老孟司先生は、なんか名誉顧問みたいなことをやってて。
で、ゲームショーの挨拶の時に、「ゲームには中毒性があるかどうか」って話を、そのゲームの会社の人たちの、もう偉い人が全部集まってるところで、「あるに決まってる」っつってて。
で、これ最後まで聞いた方がいいよ。「楽しいこと、気持ちの良いこと、便利なものには全て中毒性があります」っていう。で、「それは自分で制さなければ、ずっとやり続けてしまう人はいますけども、それは、楽しいもの、便利なもの、その全てがそうなんですよ」って。
その時に、二宮金次郎の話をしてて。二宮金次郎の頃に、農村に生まれた人が勉強をするなんていうのは、好きでやる。「そんな暇があったら、ちゃんと家を手伝え」っていう。もっと言えば、「勉強なんかに目覚めた農家の子が、ろくなもんにならない」って言われてるような時代に、好きで彼は勉強がやめられなかった結果、ああいう風に偉人になってったんですよっていうケースだってある、と。
で、何よりもそれを止めるっていうことの難しさみたいなことと、自制することの大事さみたいなことを話してて。そう思うんだよ、俺、逆に言うと、70歳以上の人にスマホを覚えさせた方がいいと思うよ。
今後、俺、自分で思うけど、一番の親孝行は年老いた親に、スマホを覚えてもらうことだと思うし。それは危険性も、便利性も。だって今後、スマホないと困るようなことは、しばらくずっと続くからね。
で、それを「スマホは1日2時間まで」みたいのを。まぁ、これはその一応そういうことを作っといた方が、考えるようになるだろうみたいな。そんなゆるい理由で、条例出してるって凄くて。
だって俺、多分、市境の学校どっち行こうかと思ったら、絶対この学校行かないもん。同じ距離のところに、遊び行く先があっても、絶対この市に行かないもん、どうやったって。
学校行かない子がスマホいっぱいやってるとか、ゲームいっぱいやってるとか、まだそんなこと言ってんだと思って。だからそれをまず、「学校行かない=悪いことで、まだ大丈夫?」っていう。
どうやったって、スマホをなくしたら学校来んじゃねぇかも、全部間違ってると思う。心配なのは分かります。心配なのは分かるし、結果スマホをやってるだけのことで、行かない理由はスマホじゃないみたいな考え方はないんですかね、最初に。みたいなことを色々思いながら、死ぬほどドンキーコングをやっています。

