2024年8月5日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、テレビプロデューサー・佐久間宣行が「隅田川花火大会裏配信」で見せたアクシデントに対する見事な機転を称賛していた。
伊集院光:『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』で、俺の話をしてた、と。で、それが佐久間さんと一緒に、隅田川花火大会の裏配信のトークを、池谷アナウンサーと3人でやったっていう話をしてて。
ああいう音声物をやってて、音声物っていうか、仕事をしていて、すげぇ楽しかったことの1つにそれが数えられてて。めちゃめちゃ暑い中、花火をやってたんだけど。で、その裏話をしていいのか俺どうかちょっと分かんなかったのと、他にまた言いたい愚にもつかないことがいっぱいあったから、先週そこのところ触れてなかったなんだけど。
なんかね、隅田川花火大会のエンディングで、一応疑似ラジオみたいな方式になってて、映像はあるんだけど。で、佐久間さんと俺が向かい合わせに座ってて、隣にその池谷アナウンサーがいて。
で、その日のために「花火を誰と見た?」みたいな思い出をいっぱいもらってます、と。で、お互いそのメールの中から気に入ったやつを読んでくとか、花火に関するバカ話をしたりとかずっとしながら。
あっという間なのよ、あっという間に終わっていくのと、もう一個、「あ、そこ分かってる…そらそうだよな、そこ分かってるよな」って思うのは、花火が凄い音で上がるわけ。で、めちゃめちゃ特等席で見てるから。で、しかも屋外で見てるから花火がすげぇ音で上がってる最中、机挟んで向かい合わせで話してるけど。
このマイクの音は一応耳に返ってんだけど、それにしても音がデカいから、相手の声がなかなか聞こえなくなるわけ。そうすると、ミキサーさんはミキサーさんで、ちゃんとそれは音を分けて入れてるから、聞いてる人にはいい頃合いで花火の音聞こえてますから大丈夫ですって言うんだけど、こっち側は相手の言ってることが聞こえなかったりとか、相手に届かなくなるから、2m前にいる人に、フットサルコートの端から端ぐらいのトーンで素敵な話とかするわけね(笑)
もうすでにバカ声になってんだよ。「彼女と初めて花火を見に行った時に、彼女が眼鏡をなくしてしまって」みたいな。で、「なんとか探してあげたかったけれども見つからず、次の日どうにかあの辺りを探せばあるかもって、明るくなってから行ったら、そこに彼女がいて、凄い感激してくれました」っていう話を。要するに、「あなたわざわざ行ってくれたんだ」っていうんで。
で、その話を「彼女が!そこにいて!」っていうやつをずっとやってっから、めちゃめちゃ疲れるの、こっち側も。体力は消耗する、普通のラジオやるより消耗するんだけど(笑)
最後の最後にカンペで、「あと5分後にフィナーレの花火があります」っつって。フィナーレの花火ってそこそこ長くこう打ち上がる花火なんだけど。これ、すげぇなって。喋り手同士だし、ましてや向こうディレクターだし、仲良くしてるから。
「そこ、ちゃんと通じるんだな」と思ったのが、ずっとバカ声で喋ってきたけども、一つトーン落として、「いやぁ、正直な話ね」っていう。「僕はこの辺りの生まれ、隅田川沿いの荒川区の生まれで、あんまり荒川区にいい思い出がなくて、地元にいい思い出がなくて。で、いつも地元を振り返るたびに嫌なことばっかり思い出したんだけども、今日こうやって花火を見てたら、割とアイツと一緒に花火行ったな、とか。花火の思い出と、友達の思い出なんかいくつか出てきて。なんかこう花火みたいな分かりやすいものを見ると、そういうことも思い出すね」みたいな話になって。
そこはもうなんかツーカーだからさ。佐久間さんが「あ、この人は今までバカっ話をずっとしてきたけれども、最後の花火が長くあるところだけは、静かに花火を見ようっていうところでトーンを落としてきてる」っていうのを、ディレクターだからそれ分かるわけ。
で、それは佐久間さんのオールナイトでも分かるっていうことも言ってて。で、また過不足なく佐久間さんが「花火ってそういう力ありますよね」みたいな。「そんなことをじっくり見てたら思い出すかもしれないね」って、明らかにトーン下がってんだけど、待っても待っても、花火が上がらないのよ。
エンディングのフィナーレの花火が来ないの。で、ちょっとおかしな座りになってきてんだけど、「池谷アナは花火、どういう思い出ある?」なんつって(笑)「私も子供の頃、こういう花火大会があって」みたいな話をすんだけど、その話をしてる途中に、カンペが出るのよ。「花火終わってました」って(笑)
で、「え…?」ってなるじゃん。なるんだけど、「そんなわけねぇだろ」って思うわけ、こっち側も。花火終わってましたってありえないだろってなるんだけど、これ後で分かることなんだけど、アクシデントがあって実は誰のミスでもなくアクシデントで、花火を上げなかったから、予定と違ってケツが凄い余っちゃったって。
で、フィナーレの花火が上がんないってなると、もう話がないじゃん。もう締めに入っちゃってっから。そこで、「あ、この人すげぇな」って思ったのは、全部多分、分かった上で。そんなことはありえないから、何かしらのアクシデントが起こってるっていうのが 分かった上で、アクシデントが起こってるかどうかもわかんない状態で、そのことも言えないじゃん。
そこで、元々テレ東の社員だから、テレ東の後輩の凄い分かり合っているディレクターに、「お前、それはないぞ。いつの間にか終わってましたじゃないだろ。伊集院さんがな、一つトーン落としてまとめに入ってるのは誰にでも分かるだろ」っていう(笑)
「あの臭いトークをしてるのを、みんなで盛り上げてるところにお前のせいでな」っていう、コントが始まるわけ。で、俺が「言わないで。ねぇ、それ言わないでもう。恥ずかしいから言わないで」っていうコントでそこを乗り切るんだけど。
なんかその時に、分かる人と話してると、普通だったらあのタイミングで上がらないってなると、もうちょっと凄く「どうしよう、どうしよう」ってなっちゃうところを、とっさの機転でコントにしてくれる感じ、とか。
「分かった、そのノりで行くんなら、俺、恥ずかしいのコントで行くから」って、裏配信が綺麗に終わってく時に、なんか割と俺、しばらく忘れない花火の思い出になりそうだなって。
後で分かったことによると、どうやらアクシデントがあったなんだけど、その場でそこのフロアをやっている彼の時間の読み違いにする、と。で、終わっ たところで分かって、「そうか」っつって。「君のせいにして進まなかったね」って話もして、きちんと円満に終わってく感じがちょっと良かったですよ。