2025年12月24日配信開始の『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』にて、お笑いコンビ 博多華丸・大吉の博多大吉が、エバースのM-1グランプリ2025決勝1本目のネタについて分析していた。
博多大吉:4組目がエバース。
御舩陽平:エバース。
博多大吉:いやぁ、凄かったね。
御舩陽平:1回目のエバースのネタ、凄かったですね。
博多大吉:はい。
御舩陽平:町田君を車に(笑)「なんだこのネタは?」と思いましたけど(笑)
博多大吉:いや、塙君99つけたもんね。
御舩陽平:そうですね。
博多大吉:いやぁ、だから…語るのももうね、なんか恥ずかしいというか(笑)
御舩陽平:はっはっはっ(笑)
博多大吉:もういいよ、みんな分かってるよっていうやつやろうけど。やっぱ全部が見事なのよね。
御舩陽平:全部が見事?
博多大吉:うん。だから、「車になってくれよ」から始まるこのストーリーが、色々派生してくやん。「車になんでならなきゃいけないんだ」から、いつの間にかなることになって、「じゃあ、どうやったらいいんだ」ってなって、「その方法で行けんのか?」とか、「その心配はないよ」とか、もう本当にね、どんどん、どんどん同じ道走ってるのに、振り幅が凄いのよ。
御舩陽平:はい(笑)
博多大吉:だからずっと聞いてられるし、ずっと面白いし。ここの漫才の特徴って、ツッコミがほぼないのよね。
御舩陽平:ツッコミがほぼない?
博多大吉:だから会話劇なのよ。「なんでやねん」とか、「どないやねん」っていう、今、あえて分かりやすく関西弁で言ったけど。
御舩陽平:はい。
博多大吉:ツッコミで止めないのよ、エバースって。
御舩陽平:あ、それで話がちゃんと会話になっている。
博多大吉:そう、そう。
御舩陽平:それも含めて会話になってるってことですね?
博多大吉:だから会話の受け答えの…受けの方なのかな、答えの方なのかな。わかんないけど、とにかく町田君が立場上はツッコミになってるけど、それが会話で返すから、もうずっと止まらないの。
御舩陽平:ああ。
博多大吉:これは本当に凄いと思った。
御舩陽平:なるほど。たしかに途中で「俺、駐車場代かかんねぇよ」みたいなツッコミというよりは、そこからまた話が繋がっていきますもんね。
博多大吉:うん、普通の漫才で考えると、無理やり考えるとやけど、「車じゃねぇんだよ、俺は!」とか、そんな言葉でその後に「立ってりゃいいだろ」とか、一旦ツッコミの言葉投げて、止めてそっからまた立て直して、みたいな。
御舩陽平:ああ。
博多大吉:漫才ってこういうスタイルじゃない、何十年も。
御舩陽平:振って、ツッコんで、もう1回振って、そこでボケてツッコんでみたいな流れが。
博多大吉:そう。ボケ、ツッコミ、ボケ、ツッコミっていう。ボケとツッコミっていう、このボケとツッコミの後には必ず何かしらの間が開くもんなんやけど。
御舩陽平:はい。
博多大吉:ここはもうボケ、返事、ボケ、返事、ボケ、返事。だから赤ペン先生みたいな(笑)
御舩陽平:赤ペン先生(笑)
博多大吉:これ、伝わるか。まぁ、もう聞いてる皆さん見たと思うんでね、言われなくても分かってると思いますけど。これは本当、見事やったなぁ。
御舩陽平:なるほど。
博多大吉:だからこれ、できそうで、できんのよね。どっかで止まるんよね。この感じで行くと。だから、何気に町田君が凄いんだけど…もちろんこれ佐々木君が凄いのよ、この畳みかけが。
御舩陽平:はい。
博多大吉:間を空けない。町田君を冷静にさせる間を、佐々木君が与えないように。でもこれは圧力じゃないのよ。これはもう二人の呼吸なのよね。無理やり感がちょっとでも出たら、ちょっと不自然になって聞いてられないようになるんだろうけど。
御舩陽平:うん。
博多大吉:だからずっと、日常会話が続くから共感性が生まれるのよね。
御舩陽平:ああ。
博多大吉:だって、「なんで俺が車なんだよ」っていう、お客さんからしたら最も共感できないテーマを、こうやって会話を続けることによって、どんどんお客さんを引き込んでいって。塙君も言ってたけど、最後もうルンバ4つで乗ってる町田君が浮かんだもんね。
御舩陽平:本当に、絵が浮かぶとはこのことで。
博多大吉:本当、すっごい良い漫才でした。


