鈴木敏夫P、宮崎駿は『君たちはどう生きるか』で当初「自分(眞人)が高畑勲(大伯父)の下でどのように研鑽を積み、試練を乗り越えたか」を描こうとしていたと明かす

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2023年9月24日放送のTOKYO FMのラジオ番組『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』(毎週日 23:00 – 23:30)にて、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、宮崎駿は『君たちはどう生きるか』で当初「自分(眞人)が高畑勲(大伯父)の下でどのように研鑽を積み、試練を乗り越えたか」を描こうとしていたと明かしていた。

鈴木敏夫:実はね、宮崎駿っていう人は常に登場人物っていうのはね、自分の知り合いばかりなんですよ。

石田留美子:へぇ、ああ、そうなんですか。

鈴木敏夫:でね、これは映画を見た方には特別サービスですよ。なかなか僕はあんまり言わないんですけどね。

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:あの中にね、大伯父っていうのが出てきたんです。

石田留美子:はい、はい。

鈴木敏夫:分かりますよね。あれね、高畑勲なんですよ。

石田留美子:ああ。

鈴木敏夫:でね、宮崎駿はね、本当ヒドイ(笑)主人公の少年がいるでしょ?

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:あれが自分だって。僕に言わせりゃ、顔が違うだろうっていう(笑)

石田留美子:はっはっはっ(笑)へぇ、ああそうなんですね。

鈴木敏夫:分かりました?

石田留美子:そっちなんだ。予想が違ってて(笑)

鈴木敏夫:あの中に、僕が出てるって分かります?

石田留美子:鈴木さん…え?あ、でも今ので言うと、これかなっていうのはありますね。

鈴木敏夫:言ってみてください。

石田留美子:青サギ?

鈴木敏夫:そう!

石田留美子:はっはっはっ(笑)

鈴木敏夫:当たっちゃいました(笑)

石田留美子:それは、ご覧になってどんな気持ちでした?

鈴木敏夫:僕はそれはどうでもいいんですけど。

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:これがまたね、宮崎駿らしいんですよね。あのね、さっき言いましたでしょ?シナリオ書かないんですよ。

石田留美子:うん。

鈴木敏夫:この期に及んでシナリオ書かなかった。でも、やろうとしたことがね、実は、そこまで(高畑勲に)強烈に言われたわけでしょ。「宮さん、何が引退だ」って。

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:「映画監督ってのは、死ぬまで映画監督なんだよ。だから、元気な内は作りゃいいんだ」って言われて、再びやる気になったわけでしょ?

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:で、何をやろうとしたか。自分の話なんですよね。

石田留美子:うん。

鈴木敏夫:どういうことか。これは裏設定ですよ。表面はそこ見えないんですけど、それを知っておくとね、この映画って面白く見える部分があるはずなんですよ。

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:それは、自分が大伯父って人に出会うでしょ。

石田留美子:うん。

鈴木敏夫:で、自分の道を切り開いてくれたんですよ、このおじさんが。

石田留美子:うん。

鈴木敏夫:で、自分は大伯父の下で研鑽を積み、そして試練を乗り越え。で、どうやってアカデミー賞を獲るに至ったのかっていう映画をやろうとしたんですよ。

石田留美子:ああ。

鈴木敏夫:本当にやったんですよ。

石田留美子:ああ、そうなんですね。

鈴木敏夫:で、真面目に作ってたの、最初。でね、「こういうことを考えるようになったら、死ぬのも近いかな」って思ってたんですけど(笑)

石田留美子:ふふ(笑)

鈴木敏夫:そしたらね、そうこうしてる内にね、高畑さんが途中で死んじゃったんですよ。

石田留美子:はい。

鈴木敏夫:で、本当はさっきの話で、高畑さんが主人公の少年を鍛えるっていうシーンがね、映画の主たるテーマだったはずなんです。

石田留美子:ああ、じゃあ話、もっと多かったんですね。二人のふれあいシーンが。

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