2024年4月4日配信開始となったテレビ朝日系列の番組『バズマンTV』のYouTube特別編にて、お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタルが、ハッピーエンドでは終わらない複雑な人間関係を描いた一話完結マンガ『空が灰色だから』をおすすめしていた。
野田クリスタル:『空が灰色だから』という漫画なんですけども。
安藤なつ:可愛い。
野田クリスタル:絵柄は凄く可愛くて。内容も可愛いっちゃ可愛いんですけど、人のイヤな部分を突いてくるというか。
住田紗里:わぁ。
野田クリスタル:これまでの僕が、地上派で紹介した漫画とはも全く毛色が違います。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:一話完結の話が全部面白いんですけども、そんな中でちょっとこれを僕が今から、この話の説明をするんで、お二人はどう思うかっていうのをちょっと聞きたいなっていう。
安藤なつ:はい。
野田クリスタル:野球部のエース、涼という男なんですけども、この子にはですね、幼馴染みがいます。若葉という。親友みたいな女の子がいます。
住田紗里:はい。
野田クリスタル:で、この若葉はですね、涼のことが好きなんですよ。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:ただ、このエースの涼はですね、1年間練習してない。エースだったのに、プロの道へ進めるような男だったのに、野球を急にやらなくなったんで、若葉は心配してもう「なんで野球やんねぇんだよ」と、奮い立たせるようなことを言うんですけども。
住田紗里:うん。
野田クリスタル:そんな中、この女の子が涼君に近づいてくるんですね。
安藤なつ:若葉じゃない女が?
野田クリスタル:若葉じゃない、千絵という女の子なんですけども。でも、実はこの子はですね、裏がありまして。涼にとにかく野球やらせて、自分がそのまま結婚さえすればこのまま玉の輿だ、と。
安藤なつ:え?
野田クリスタル:計算高い女なんですね。それを知った若葉は、「こんな奴と付き合わせるのではなく、私がなんとかしなくちゃ」という思いが強くなって、この涼にキツイことを言うんです。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:「お前、もっと自信持てよ」と。「野球から逃げてる涼なんて見てられねぇんだ。中学の時はそんなダセェ奴じゃなかったじゃねぇか。打たれても打たれても、決して気持ちだけは屈しない、泥くさいカッコイイ野郎だったじゃねぇか。もうじゃあ、やめちまえ野球なんて。才能なかったんだよ、とっとと諦めて次行けよ」って言うんです。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:涼もその言葉に対して、「諦めてねぇよ。勝手に才能ねぇとか諦めたことにしてんじゃねぇよ。俺は野球しかねぇんだよ。女が横からピーチクパーチク言ってんじゃねぇ。黙って夏待ってろ、ボケ」と。
安藤なつ:おお。
野田クリスタル:この2コマが対象的ですね。奮い立たせる幼馴染の若葉と、もうとにかくま野球をやらすために甘いことばっか言う千絵。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:その結果、どうなったかと言いますと、エース復活。完全復活、ノーヒットノーラン。嬉しいですね、若葉。「やったな、涼」と。
安藤なつ:ああ、嬉しいよね。
野田クリスタル:「私の叱咤激励が効いたんだな。また野球するって信じていたぞ」って言ったら、涼は「触んな」と。
安藤なつ:え?
野田クリスタル:「俺が好成績出した瞬間、信じていたか。お前よくぬけぬけとそんな手のひら返しできるな」と。
安藤なつ:え?
野田クリスタル:実は、涼は肩を壊していたんですね。それで野球をすることができなかった。野球をしたくて、したくてたまんなかったのに、怪我のせいで野球ができなかった、と。
安藤なつ:ああ。
野田クリスタル:でも、地獄のリハビリを耐えて涼はずっと戻ろう、と。絶対戻るつもりだったんですよ。でも、そんな中に若葉が「お前、才能ねぇ」とか「諦めてダセェ」とか言っていたことに対して、「何が愛の叱咤だ、何が信じていただ。舐めてんのか」と言い返してしまうんです。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:そしたら若葉はそれに対して、「そっか、そうだな。私は本当に最低だな。すまなかった。じゃあ、明日も試合頑張れよ」と言って、一人になって泣く若葉。で、涼はこの自分のプロ野球というキャリア目的へ近づいてきたあの子と、付き合ってしまう、と。
安藤なつ:え?キスしてる。
野田クリスタル:というので、終わりです。
安藤なつ:うわ、しんど…
野田クリスタル:『空が灰色だから』は、こういう話ばっかりです。
安藤なつ:めっちゃ灰色だなぁ…
野田クリスタル:めっちゃ灰色でしょ。空が灰色だからって理由が、なんか分かるでしょ?この作者は、どういう人なんだろうとか考えちゃいません?こんな作品だらけなんです。
安藤なつ:うわぁ。
野田クリスタル:全部、考えさせられるんですよ。どっちが良い、どっちが悪いって話じゃないとは思っています。でも、どう思います?
安藤なつ:はっはっはっ(笑)
野田クリスタル:僕はこれ、マジで道徳の教科書に載せていいと思うんですよ。
安藤なつ:うん。
野田クリスタル:自分たちも、こうやってテレビ出る前に色んな奴らからボロクソ言われて、殺してやろうと思ったじゃないですか。
安藤なつ:はい、はい。
野田クリスタル:で、M-1優勝まで僕ら行ったけど、じゃあどれが叱咤激励だったのかなんて、分かんないですよ。
安藤なつ:たしかに。
野田クリスタル:その後、「いや、信じてたよ」って言われたら、これは許すべきなのか、手のひら返しなのかわかんないですよね、一生。