ブレイク前の『おもしろ荘』
若林正恭:俺は、一回でも漫才をテレビでできたら辞めようと思ってたのよ。
春日俊彰:ああ、はいはい。
若林正恭:でも、今思うとちょっと危険だよね、その考え。
春日俊彰:うん、危険。
若林正恭:危険じゃない?だって、29歳の奴がさ、「一回でもテレビで漫才できたら辞めよう」と思ってて。
春日俊彰:うん。
若林正恭:で、俺、『おもしろ荘』出て、帰りに「これで辞められるな」って思ったから。その話も何度もしてるけど。
春日俊彰:うん。
若林正恭:辞めようと思ってたのよ、あれで。
春日俊彰:うん。
若林正恭:初めての漫才、生放送でやるの緊張してたな。何がなんだか、分かってなかったよ。
春日俊彰:まあ、そうだね。
若林正恭:覚えてる?矢部さんがネタ終わった後、「オードリー、やったね」って。
春日俊彰:そうね、言ってくれたね。
若林正恭:「カマしたな」っていう。それで、結構、おもしろ荘観てるけど、ネタ終わりで「やったね」って言われたの、俺ら以外いないからね。
春日俊彰:そりゃそうだろ。その後の快進撃を矢部さんが予想してたんだろうね。
若林正恭:あの後、はなわさんが祝ってくれて。
春日俊彰:そうそう。
若林正恭:「お前ら、街に出たら大変なことになるぞ」って。初詣で参拝客がごった返す明治神宮に行って、2人で4往復くらいしたけど、誰にも顔をさされずおでん食って帰ったってことありましたけどもね。
春日俊彰:そこに初詣来てる人たちは、観てないのよ。
若林正恭:なるほどね。
春日俊彰:その前に家を出てるからね。
『日曜芸人』での号泣事件とザキヤマの優しさ
若林正恭:俺も『日曜芸人』って番組で、SHELLY、ザキヤマさん、升野さん(バカリズム)、俺で。絶対当てなきゃいけない、料理の値段かなんか。
春日俊彰:うん。
若林正恭:ハズレて。で、それもハズレて盛り上がる感じじゃない。
春日俊彰:ああ。
若林正恭:で、出てきた料理も見栄えあるし、コメント欲しい状況よ。
春日俊彰:なるへそ。
若林正恭:で、泣いちゃったからね。
春日俊彰:はっはっはっ(笑)
若林正恭:でも、あの時って本当に…
春日俊彰:泣くのはいいじゃん(笑)泣いたら何も言われないでしょ?(笑)
若林正恭:いや、泣くしかないって思ってないたんじゃなくて、気づいたら泣いてたの(笑)
春日俊彰:ふふ(笑)
若林正恭:それはその日だけじゃないんだよ。その日だけじゃなくて、ずーっと『日曜芸人』って番組で、升野さんも天才的なコメントとかボケ、ロケしてて思って。で、ザキヤマさんも天才。もう、何をやっていいか分からなかったの。
春日俊彰:なるへそ。
若林正恭:で、イジられるのもかといって得意じゃない。で、SHELLYも何でもできる。もう当てるしかないのよ。
春日俊彰:そうか。
若林正恭:で、それをハズしちゃったから、泣いちゃったの。
春日俊彰:ふふ(笑)
若林正恭:「若林、何できんだよ!」って思って。
若林「僕が号泣した、日曜×芸人の回なんですけど」
春日「はい」
若林「ザキヤマさんって、スゴイ不思議な優しさがあって」
春日「うん」
若林「俺、3~4年前に胃腸炎かなんかで倒れて、歩けなくなっちゃったけど、テレビの収録で座ってたときに、『若林くん、こういう時は本当にすぐ、病院に行った方がいいんだよ』って、たまに言ってくれたりとか」
春日「うん」
若林「一番悩んでた時に、『悩んでもムダ、ムダ~』って言ってくれたり」
春日「うん」
若林「日曜×芸人で、カットされてるんだけど、俺が一発ギャグとか顔芸を、めちゃくちゃやらされてるんですよ。オンエア以上に」
春日「あぁ、そう(笑)」
若林「それで凹んだりしてるときに、『何も浮かばなかったっすわぁ』って言ったてる時に、『普通、浮かばないよ~』とか」
春日「ふふ(笑)」
若林「それで、号泣した日は、ザキヤマさんが『一杯、行くか?』って」
春日「うそっ(笑)」
若林「ホント、ホント」
春日「スゴイ心配してくれてるじゃん」
若林「色々、仕切ってくれて。かといって、飲みに行った時には、その話をしないんだけどさ。なんで泣いたか、とか」
春日「へぇ」
若林「土壇場で優しいんだよね。普段、スゲェ性格悪いなって思うときあるんだけど」
春日「ふふ(笑)」
若林「土壇場で優しいんだよなぁ、いつもあの人」
インパルス板倉「どう?絶望してる?」
若林正恭:俺、最初テレビの仕事いただいて1年目ぐらいの時に、「いや、こんな世界なの?」って思ってたんですよ。
板倉俊之:ああ。
若林正恭:でも、誰にも言えないじゃないですか、「今、ノリにノッてる」とか紹介されるから。
春日俊彰:そうだね。
若林正恭:でも、板倉さんと初対面の時に、板倉さんが近づいてきて、肩ポンッてやって、「どう?絶望してる?」って(笑)
春日俊彰:はっはっはっ(笑)それがファーストコンタクト?(笑)
若林正恭:それが最初(笑)
春日俊彰:一言目?
若林正恭:そう、そう。めちゃくちゃ嬉しかったの、それが。
春日俊彰:ああ、分かってもらえるから?
若林正恭:そう、そう。
毎日泣きそうな日々の中で相談したタカトシ・トシ
若林正恭:忙しくて、僕も毎日泣きそうだったんですよね。
トシ:うん。
若林正恭:トシさんにちょっと勇気を出して相談しようと思って。
トシ:うん。
若林正恭:「トシさん、ちょっと忙し過ぎて訳分かんなくなってて」って。
トシ:うん。
若林正恭:「『黄金』のVを見てる最中に、指先が痺れてくるんですけど、どうしたらいいですかね?」「病院行って休め」って言われて(笑)
タカ:はっはっはっ(笑)
トシ:まっとうな意見(笑)
若林正恭:それでトシさんが「めちゃくちゃ忙しくて、人と喋れなくて」って話を聞かせていただいたんですよ。
トシ:ああ、その時にね。
若林正恭:だから、凄い感謝してるんですよ、その話で。
『アメトーーク』での雨上がり決死隊
若林正恭:で、僕なんか本当、人見知り芸人がなかったら何もテレビなかったと思うんですよ。
蛍原徹:いや、そんなことない(笑)
若林正恭:あれからやっぱ凄い増えて。
蛍原徹:うん。
若林正恭:で、人見知りの話を、蛍原さんが凄い聞いてくれるんですよ、優しく。「いやぁ、若林は重症やなぁ」って。
蛍原徹:うん。
若林正恭:それを見た別の番組が、同じような人見知りの企画をやると、坂上忍さんとかに怒られて。「それ、直さなきゃダメだよ」って言われて。
蛍原徹:はっはっはっ(笑)
若林正恭:人見知りなんて、絶対直した方がいいことだから。俺たちも反論がないから。
蛍原徹:ふふ(笑)
若林正恭:「たしかにそうっすね」って(笑)
蛍原徹:はっはっはっ(笑)
若林正恭:怒られたら終わっちゃうから、あれって。「重症やなぁ」って言いながら2人が聞いてくれるから、温かく。
蛍原徹:ああ、そう?
若林正恭:ああやって喋らせてもらえるっていうのがあるから。
蛍原徹:ああ、そう。
若林正恭:凄い俺たちは喋りやすいですよ。