ラ・ママでスカウトされ、太田プロに入所
太田光:急にもう、芸能界の右も左も分からない俺らに、ラ・ママでスカウトされて1ヶ月とかだよ。
田中裕二:うん。
太田光:入ったばっかり、太田プロ、やっと。まだほとんど仕事もしてない時に(はたけんじから)呼び出されて。
田中裕二:うん。
太田光:「あのね、結局ね、事務所なんか守ってくんねぇんだから」って(笑)
田中裕二:はっはっはっ(笑)
太田光:おい、おいって(笑)
田中裕二:ふふ(笑)
太田光:「信用できねぇんだから、事務所なんか。組合入れ、組合」って言われてな(笑)
田中裕二:「こういうもんなんだ」って。
太田光:弱ったなぁって思ってな。
爆笑問題・太田、太田プロに所属して1ヶ月で先輩芸人から「事務所なんか信用できない」と言われてしまったと明かす
太田プロライブ第一回目のトップバッターを務める
田中裕二:太田プロライブの第一回目の、しかも一組目が我々、爆笑問題ですよ。
太田光:言ってみれば、太田プロで一番最初にネタをやったのは我々なんですよ。
田中裕二:ええ。
太田光:その時に、桜金造さんに「大丈夫か?こんな爆笑問題なんてよぉ」って目の前で言われて。「なんでこんなヤツを一番にすんの?」って言われて。
田中裕二:怖ぇって思って。
太田光:スゴイ嫌な奴だなって思って。それで自分のネタどんなかなって思ったら、「小山~ゆうえん~ち~」って(笑)
田中裕二:はっはっはっ(笑)」
太田光:ふざけんなバカ野郎って(笑)
劇団ひとり:それが当時の太田プロのカラーでしたからね(笑)
田中裕二:うん(笑)
太田光:それで案の定、俺らはハズしたんですよ。ウケなかった。
劇団ひとり:そうなんですか?
太田光:あの時は不動産屋のネタだったかな。当時、3~4本しかネタがなくて。それで前室に帰ってきたら、南部虎弾、当時はダチョウ倶楽部、今は電撃ネットワークに…
田中裕二:今は電撃ネットワークの南部虎弾ね。
太田光:「なんだよ、ウケなかったな。爆笑問題じゃなくて、微笑問題にすれば?」って言われて。
田中裕二:先輩って怖ぇって思って。
劇団ひとり:さっきの桜金造さんのことといい、ただの悪口ですよね(笑)
太田光:はっはっはっ(笑)仲悪かったからね。
太田プロを退所
大竹まこと:最初は、事務所を移るどうのこうので、10年くらい出れなかったもんな?
田中裕二:3年くらいです。太田プロから。
太田光:元々、たけしさんが悪いんですよ、アレは。
大竹まこと:なんで?
太田光:俺らをスカウトしたヤツ(瀬名英彦氏)がいて、「俺がたけちゃんを育てた」って言うから、その人に付いて行ったんですよ。そしたら、後でたけしさんに訊いたら、「あんなヤツ、知らねぇよ」って。
阿川佐和子:ああ、サギにあったんだ。
太田光:それで、一回、たけしさんに初めて会った時に、たけしさんの担当だったっていうマネージャーが、「たけちゃんに会ったことないだろ?」って。
田中裕二:僕らが新人の頃ですよ。たけしさん、お正月の『ヒットパレード』の時で。
太田光:フジテレビの特番で、それこそたけしさんが白塗りして何かやってたんですよ、相変わらず(笑)
田中裕二:コントみたいなのね。
太田光:あの頃から、本当に進歩してないですね(笑)
ビートたけし:うるせぇよ(笑)
太田光:フジテレビが、まだ河田町の頃ですよ。それで、俺らが緊張してたら、そのマネージャーだったって人が、「大丈夫だよ。俺が育てたようなもんだから」って。
阿川佐和子:友達みたいなね。
太田光:それで、「今からたけちゃんのところ行くから」って言って、「殿!」って言ったんですから、そいつ(笑)お前、さっきまでと全然違うじゃねぇかって。「殿、すみませんけど、今、よろしいでしょうか?」って。
ビートたけし:だって、アイツはその後、「たけしと爆笑問題を育てた男」ってなってんだよ。それで、お笑い塾なんてやってて。
阿川佐和子:まだご存命なんですか?
太田光:ご存命ですよ。
田中裕二:どっかで息づいてます。どこかで。
爆笑問題・太田、芸能界を干された原因は「ビートたけしの育ての親を騙る男」
圧力でテレ東以外の民放に出れず
田中裕二:『水着でKISS ME』は、干されてる時だからね。
太田光:そう。
田中裕二:時代的には。
太田光:そう、そう。干されてて、とにかくNHKと東京12チャンネルしか使ってくれないんだよ。
田中裕二:テレ東な。
太田光:使ってくんないんだよ。
田中裕二:そう。
太田光:NHKは、事務所の圧力関係ないから。
田中裕二:うん。
太田光:東京12チャンネルは、そういう大物出てこないから(笑)
田中裕二:出てこないから(笑)
太田光:「全然、影響ない」って(笑)
田中裕二:影響ないってね。
太田光:両端だけ使ってくれて。
田中裕二:「オセロみたいになんねぇかな」ってね(笑)
太田光:「これがオセロだったらなぁ」って言ったよね。
爆笑問題・太田、事務所移籍問題で干されていた時代に「NHKとテレ東だけは使ってくれた」と告白
田中はコンビニバイト、太田は家でネタ作り
山本シュウ:光は忘れてる。干されて、引きこもってる時に、(田中は)コンビニの弁当を持って行ったんや、家まで。それなのに出てけぇへん。
太田光:それ、何?
田中裕二:借金取りから逃げてる時な(笑)
太田光:それはだから、借金取りから電話掛かってくるから、居留守を使ってたんだよ(笑)
山本シュウ:ああ、そうなの?
太田光:そうそう。
山本シュウ:じゃあ、Wikipediaにそこまで書いとかな。
太田光:はっはっはっ(笑)
山本シュウ:誤解されるわ。
田中裕二:俺が、メシ食わせてたって話になってんの?
山本シュウ:そうなってる。コンビニで、売れ残った弁当を持って行ったって。
太田光:それは1回あったけど。本当にメシがなくて。
田中裕二:「どうにかしてくれ」って言うから、廃棄処分のヤツ、タダでくれるから、それはたしかに何回か持って行ったけどね。
山本シュウ:めっちゃ優しない?こんな相方、いる?
太田光:優しくないよ。
田中裕二:頼まれたから行ったんだけどね。
太田光:カネもレジから盗んで持って来たけどな。
田中裕二:そんなことするわけないだろ(笑)
爆笑問題・太田、「芸能界を干されて引きこもっていた」という噂を否定「借金取りに居留守使ってただけ」
干されているのも気にせず草野球に興じる田中
伊集院光:あの人はバケモノ。事務所を移る際に、だいぶ芸能界で干されている時期があった。それこそ、カランカランに干されていて、まるっきり仕事がなかった。
ちょうどその頃、田中さんと草野球をやっていた。その時に、「大変なんですね」と声を掛けたら、「何が?」って田中さんは言うわけ。
最初は強がっているのかな、とも思って、「干されるって、大変なんですか?」ってまた繰り返し聞いたら、「太田はそう思っているかも知れないけど、俺は毎日草野球ができて、楽しくて仕方ないんだよ」って言われた。
干されている時の様子について
伊集院光:。『まんが道』の中で有名なエピソードで、藤子不二雄が連載を抱えすぎて、お正月休みの間に次から次と連載が描ききれなくて、締め切りを守れず、連載に穴を空け、干されていくという。仕事がなくなっていくっていうくだりの話になり。
で、その時に藤子F不二雄先生はインドアな人で、部屋にこもり切って、わりと塞ぎ込むっていうか、漫画のことばかりインドアで考え込むようになるんだけど。A先生は、ご自分で言ってたんだけど、「自分は楽天家だから、草野球ばっかりやってた」って。
「哲学堂で、草野球ばっかりやってたんだよ」って話になって。その時に思い出したのが、爆笑問題。爆笑問題が干されたときに、太田さんはインドアに籠もりきって、すげぇ暗い感じで、ドラクエとネタ作りずっとやってる。
で、それにひきかえ、田中裕二はよくこの話は僕、披露しますけど。爆笑問題、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れてたのに。藤子不二雄、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れてたのに。軽いしくじりで業界から干されていく。
「爆笑問題、大丈夫なのかな?今日、田中さん野球来るらしいぜ」って。ちょっとみんなで、「どういう感じなんだろう?」と思ったら、田中さんはもうニコニコ笑いながら、グローブをバンバン叩きながら、「毎日俺、野球できるから」って。
「今まで、忙しかったせいで、なかなかレギュラーじゃなかったけど、俺、毎日野球できっから、最高」みたいな感じになってるというね(笑)
この爆笑問題と藤子不二雄の類似性みたいなこと。で、元々細くてガリガリなF先生と、背が小さいことがコンプレックスなA先生の組み合わせなんだけど(笑)
爆笑問題の窮地を救ったTBSプロデューサー
太田光:それこそ干されてる時に、突然、自宅に桂邦彦さんから電話掛かってきて。どこも、誰も爆笑問題を使わないって時に、桂さんだけですよ。思い出してくれて。
田中裕二:うん。
太田光:「お前ら、もう良いんじゃねぇのか?」って。「何やってんだ?お前ら」って言われて。「いや、全然、仕事ないんです」って言ったら、「俺に任せろ。事務所色々紹介してやるから」…って言ったっきり、何の音沙汰ない(笑)
田中裕二:いやいや、ありましたよ(笑)
太田光:桂さんの弟子筋に当たる木村さんって方に、「桂がテキトーなこと言ってごめんね」って、「事務所は紹介できないけど、俺は番組始めるから」って言われて、『GAHAHAキング 爆笑王決定戦』って番組に出させてもらって。
田中裕二:テレ朝なんだけどね(笑)
太田光:その方は、TBS辞められて、テレビ朝日に移られて。
田中裕二:うん。
太田光:そこからですからね、我々が復活できたのは。ある意味、恩人なんですけどね。木村さん、桂さんっていうのは。
田中裕二:うん。
太田光:ゴルフを最初に行ったのも桂さんで。なんだったんだろうね。
田中裕二:分からないですけどね。タイタン作って間もない頃ですね。
太田光:「ゴルフ覚えた方が良いんだよ」って言われて。「クラブすら握ったことないです」って言ったら、「コース出ろ」って言われて。打ちっぱなしも行ったことないんだよ?
田中裕二:社長と一緒に買いに行ったからね。
太田光:セット買って、コースに行ってなぁ。まぁ当たらないし、飛ばないし。
田中裕二:全然。
太田光:それこそ、どんだけ叩いたってレベルじゃないね。
田中裕二:初めてだしね。
太田光:言い出しっぺの桂さんが、どんどん面倒臭くなってて。
田中裕二:そう(笑)
太田光:それで、こっちは段々面白くなっていって、「グリーン乗った!」と思って、パターをやろうと思うと、「OK」って。一回もカップに入れさせてくれないんだよね。
田中裕二:ふふ(笑)
太田光:面倒くさくなってて。グリーンに乗った時点で、凄い離れてるのに、「もういいから、次、次」って。俺ら、カップに入れたくてやってるのに(笑)
田中裕二:なんだったんだろうね(笑)アレに懲りて、二度と誘われなかったね。
太田光:「お前、ダメだな」って言われて。
田中裕二:俺らもやらなくなって、しばらくやらなかったね。
太田光:思い出した頃に、来てくれて。義理堅いところあるから。
『ボキャブラ』でのブレイク
伊集院光:俺が聞いた話では、『ボキャブラ』が始まったときに、そのいよいよ爆笑問題は干されてたけど、ボキャブラで戻ってくるわけ。
だけど、太田光は「ダジャレなんて作れるか!」っていうスタンスで。だから、これに関しては「いつもネタは俺が作るけど、ダジャレなんてものは田中が作れ」って言って、「うん、いいよ、いいよ。俺が作るよ」って、田中さん側のダジャレを作ってたらしい。