古舘伊知郎、宮迫博之ら「闇営業」問題の話題で反社会的勢力との関係が取り沙汰されていた美空ひばりについて言及「清濁併せ呑んで…」

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2019年7月5日放送のニッポン放送のラジオ番組『古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD』(毎月第2もしくは第3金曜 22:00-24:00)にて、フリーキャスターの古舘伊知郎が、宮迫博之らの関与した闇営業問題の話題で、反社会的勢力との関係が取り沙汰されていた美空ひばりについて言及していた。

古舘伊知郎:最近で言うとさ、やっぱり俺思うんだけど、もう間もなく7月7日か。7月7日って、俺の尊敬する永六輔さんの命日で。2016年に亡くなってるでしょ、83歳で、あの方。

『大往生』とか、物凄いいい本いっぱい出してるけど、その中で時よりを読み返さなきゃと思うのは、『芸人』って本があって、俺の名前も、二ヶ所出てくるんですよ、嬉しいんだけど。

芸人[ 永六輔 ]

この『芸人』とかだとね、芸人って何かって、凄い考えさせられる。永さんの真っ先に挙げている言葉って言うのはね、「美空ひばりさんに向けて」っていうね。「スターである限り、幸せであるわけがない」っていう。

これが、ひとりぼっちのスターの存在ですよ。芸人とて、そういうところはあると思いますよ。

やっぱり、ひばりさんもNHKの紅白に出られなかったとかね、色々、暴力団関連のことが言われたりって時期があったと思う。でも、最終的には大衆がひばりさんの類まれなる芸を求めたでしょ。で、ひばりさんはスターとして生きて、死んでいったよね。

良いとか悪いじゃない、あの姿なんだと思うんですよ。神々しく見えてくるのは。清濁併せ呑んでね。そういう付き合いがいいなんて言ってない、でも気がついたらそういうふうに囲まれていたかもしれない流れもあって、今と違うからね。

俺なんか今でも覚えてますよ。そういう人たちも前にいたと思うけども、1977年、78年のころ。大昔ですよ、40有余年、渋谷公会堂で、「新春コロンビア大行進」って歌謡ショーがあってね。TBSを辞めた、小川哲哉さんが司会をやっていてね。

で、都はるみさんとか、細川たかしさんとか、当時コロンビアに専属だった人たちが総集まりして、テレビ朝日がそれを中継するっていう、音楽祭やって。その時に俺は新人アナだから、影マイク担当。影アナっつって、「続いては細川たかしさんの登場です」って煽るわけだよ。

で、その時はひばりさんがトリで。だいぶ遅れて入ってきて、リハーサルをやり始めるわけ。そうすると、歌い出した瞬間に、「ドラムもうちょっと下げて」なんて。そしたら、ドラムが「はい、わかりました」って。で、何小節か歌い出して、天才だからさ。

「もうちょっと、ギター落としてくれる?」って。で、袖の方は目を爛々と光らせて、ガードマンの方みたいのがいる感じで。そういったときは、もうひばりさんの時はみんなが緊張してるわけ。もう、テレビ局だけじゃなくて、渋谷公会堂に詰めかけている何らかのスタッフ全員が、忖度の嵐みたいになってるわけだよ。忖度ピッグバンみたいになって。
忘れもしない、もうテレ朝の音楽番組のチーフプロデューサーとか寄ってきて、「リハーサルでやってみろ、ひばりさんの前付け」って、イントロ付け。放送作家が書いた原稿通り、アドリブなんか効かしたらぶん殴られるからさ、その時代。

「常に演歌の王道を歩んで参りました美空ひばりが…」って。「お前、ひばりさんの歌い出しに0.1秒でもかかってみろ、お前。俺ら全員、縛り首だ。分かってんだろうな、お前」って。俺、「はい」って言ったけど、内心は「そんなにイントロ付けかぶって怖いんだったら、やらせなきゃいいじゃねぇか」って思って(笑)

だからしょうがない、25秒くらいあるイントロで、「演歌の王道を歩んできた美空ひばりさんが、今、この新春に寿ぐ瞬間、歌い上げるのは…」なんてやりたくしょうがない、若いんだから。「美空ひばりさん、どうぞ」って、それで終わりだよ。悲しいよ、本当に。

そんなことあったけど、やっぱりひばりさんはひばりさんなんだよ。だからいけないことはいけないことなんだけど、芸人とは何かっていうね。だから、永さんのその『芸人』の本で、示唆に富む言葉があるんだけど。

普通逆だろうと思いますよ。「人間である前に、芸人であって欲しい」と。いい言葉だ、胸に染み入りますよね。だからね、事の一番の問題はオレオレ詐欺の問題であり、色々、しのげなくなってくると、色んなことを連携しながら、カタギっぽく見せているフロント企業が、あるいはカタギさんがとんでもねぇ悪いことやるわけだから、そっちの問題に、我々マスコミはちょっと目を向けていって、悪なら小さくなってほしいって。

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