2024年4月27日放送のニッポン放送系のラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(毎週土 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭が、イッセー尾形の一人芝居で笑う父親に感じていた怖さと45歳になって自分も笑っている今について語っていた。
若林正恭:45だもんな。親父が45の時、俺は中3か、とか。
春日俊彰:うん。
若林正恭:そんなこと考えちゃって。
春日俊彰:うん。
若林正恭:で、なんか親父もお笑いなんか見てなかったもんなって。テレビのお笑いなんか一切。
春日俊彰:うん。
若林正恭:大河ドラマか、野球か、夏メロ、NHK。「そりゃそうだよな」みたいな。なんかこうまぁ正直さ。
春日俊彰:うん。
若林正恭:「これは知っとかなきゃ」っていう、見る時も思い腰になっちゃって、「そりゃそうだよな」とも思ったっていうか、言われる筋合いもねぇなっていうか。
春日俊彰:うん。
若林正恭:みたいなことを考えながら。でも、親父が日曜の夕方とかに、レンタルビデオだよね、当時。
春日俊彰:うん。
若林正恭:だから、なんか見て笑ってる姿なんて見たことないわけよ。
春日俊彰:うん。
若林正恭:でも、爆笑問題さんの漫才だけ、俺がなんか夕方とか、NHKの番組を見てたら、なんか笑って、「あ、親父、今笑った」みたいな。なんかその記憶だけうっすらある。
春日俊彰:ああ。
若林正恭:爆笑問題さん好きだったから、めっちゃ漫才を録画して、何度も見てたのだけは、一緒に…一緒にっていうか、なんとなく見てた気がすんなぁ、みたいな。
春日俊彰:うん。
若林正恭:記憶が、とか思い出してたの。で、日曜の夕方とかにレンタルしてきた、イッセー尾形さんだけ、見てたなぁ、そういえばと思って。
春日俊彰:へぇ。
若林正恭:なんか笑ってんの。笑い方も、「はっはっはっ(笑)」とかじゃないじゃん、親父って。
春日俊彰:うん、そうね。
若林正恭:「ヘヘッ(笑)ヌハッ(笑)」みたいな。
春日俊彰:笑ってるね。
若林正恭:イッセー尾形さんが、そのVHSのなんか画面に映ってる、やってることもなんか理解できないの、中3には。なんか怖いの。
春日俊彰:うん。
若林正恭:なんかバーのマスターみたいな感じで。
春日俊彰:暗い、なんか…
若林正恭:そう、暗いの。映像も暗いの。で、間もたっぷりとって、トントン、トントン笑いをとりにこないっていう。
春日俊彰:一人芝居だもんね。
若林正恭:大人の中年の親父の怖さ。
春日俊彰:いやぁ。
若林正恭:分かるでしょ?当時、中3から見たら。なんか諦めちゃって、色んなことを。で、なんか自分のこともある程度諦めちゃって、簡単に感動しなくなった人の怖さと、イッセー尾形の演じる中年の、ペーソスと画面の感じと親父の「うっ、うはっ(笑)」がめちゃくちゃ怖かったのよ、俺。
春日俊彰:はい、はい。
若林正恭:『笑ゥせぇるすまん』を読んでる時の怖さっていうか。
春日俊彰:ああ。
若林正恭:「二人とも、怖っ」って(笑)
春日俊彰:分かる、分かる。
若林正恭:お笑い好きだから、見んのよ。なんか親父の背中ごしに。でも、「いや、分かんねぇな」とか。あるあるなんだろうね。あるあるというか、共感。
春日俊彰:まぁ、そうなんじゃない?働いてたりしないと分かんないようなさ。会社のなんとか、とかさ。中学生には分かんないあるある。あるあるというか、常識というかね。
若林正恭:親父、イッセー尾形さんだけ笑ってたなぁとか、俺と同じ年ぐらいかって。
春日俊彰:うん。
若林正恭:で、仕事終わった後さ、車帰るじゃん。いつの間にか自宅通りすぎてさ。
春日俊彰:ほう。
若林正恭:今、DVDのレンタルできるところも少なくなってて、東京。
春日俊彰:ああ、まぁそうだね。
若林正恭:ちょっと三鷹の方のTSUTAYAまで行っちゃってさ、家通り越して。
春日俊彰:ほう。
若林正恭:「今だったらめっちゃ面白いのかな?」と思って、イッセー尾形さん、借りに行っちゃった。
春日俊彰:へぇ。
若林正恭:結構夜な。で、イッセー尾形さん借りて、途中でマック寄って、パソコンに外付けのDVD入れて見たらさ、めちゃくちゃ面白かったんだよ(笑)
春日俊彰:へぇ。
若林正恭:「ああ、マジかぁ…」とも思ったね。
春日俊彰:へぇ、分かるようになったんだ。