2023年3月28日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週火 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、大失敗した初めての営業で、太田プロ・磯野泰子副社長から「プロとしてのあり方」を学んだと語っていた。
太田光:秋本さんもさ、太田プロでピンハネしてクビになっちゃったんだけど(笑)
田中裕二:そんなことないよ。
太田光:はっはっはっ(笑)
田中裕二:やめろ。
太田光:松村君の営業でな、森本さんの営業に入れてな。
田中裕二:いいよ、そんな詳しく言わなくて。
太田光:全部、自分のポケット入れちゃって、それがバレてクビになっちゃったんだけどさ、秋本さんって。
田中裕二:知らない、そんなの。
太田光:オバサンでな、凄い勢いあるんだよな。
田中裕二:そうですよ、我々が太田プロに入って最初の営業。
太田光:営業担当、全部、あの人が仕切ってんだよね。
田中裕二:そう、鬼怒川温泉。
太田光:他の事務所の奴らも、全部ブッキングするんだよね。
田中裕二:うん。
太田光:で、俺らがまだネタがさ、15分のネタ1本か2本ぐらいしかなくて。
田中裕二:コントね。
太田光:しかも原発のコントと、進路指導室のいじめのコント2つしかないのに 、鬼怒川温泉の営業をとっちゃってな。
田中裕二:そう、そう。
太田光:「ベシャリが凄いから、2人は」っつって、「30分2回公演、大丈夫、OK」なんて言ってて、全然俺ら聞かされてなくてな。
田中裕二:何も。
太田光:「30分2回ですよ」なんて。
田中裕二:行きの電車の中でね。
太田光:しょうがないから、初めて漫才やったよな、あの時な。
田中裕二:できてないけどね。テキトーに。
太田光:フリートークまがいの漫才やって、客と大喧嘩になってな。15分で舞台下りてくるって、最悪の(笑)
田中裕二:はっはっはっ(笑)
太田光:「バカ野郎、お前ら!こっちだってな、素人なんだバカ野郎。バカにすんなよ、お前。なにお前、人がネタやって一生懸命働いてる時にメシ食ってんだバカ野郎!ゲロ、うんこ、うんこ、うんこ、ゲロ!」って言ったら、凄いクレーム来てな。
田中裕二:当たり前ですよ(笑)
太田光:でも、あれは秋本さんが悪いんだよ、だって。「喋りで30分、全然OKだよ、行けちゃうから」って言ったから。
田中裕二:要は営業っていうのは、とにかく「客が呼べますよ、人気あるんですよ」っていうことを言って。で、地方が多いから、当時、今みたいにネット社会でもないから、「東京では若手で凄いんですよ」って売りこんで。
太田光:「テレビ・ラジオで大活躍」って、一回も出たことねぇって(笑)
田中裕二:で、お客さんがやっぱ集まるっていうのがあるから。
太田光:でも、それ厳しすぎよな。鬼怒川温泉のみんな浴衣着て社員旅行の宴会だぜ。それを、ずぶの素人の俺らが30分されるわけないじゃん。
田中裕二:うん。
太田光:やってたら、もうどんどんヤジが来てさ。「つまんねぇぞ」とか言われて、ブチギレちゃったんだよね。
田中裕二:うん。
太田光:そしたら副社に怒られてな。
田中裕二:うん。
太田光:後で呼び出されて。「あなたたちね、素人じゃないのよ」って。
田中裕二:うん。
太田光:でも、やっぱ副社さすがだったよね、あの時ね。
田中裕二:そうね。
太田光:罵詈雑言を言ったことを怒るんじゃなくて、「素人」って言ったことを怒ったんだよね。
田中裕二:そうね。
太田光:他は、全然怒られなかった。「とにかく15分で舞台を降りた、それがダメ」って。
田中裕二:うん。
太田光:「それと、自分を素人ってもう二度と言わないこと。あなたプロで仕事を受けてるんだから、ウケようがウケまいが、そんなの関係ないの。30分なら30分、舞台の上に居続けなきゃダメ。黙っててもいいから」って言ったもんね。
田中裕二:はっはっはっ(笑)
太田光:あれが副社から学んだ、プロのあり方だと思う。ウケる、ウケないじゃないんだよ。とにかく仕事っていうのは、30分で受けたら、30分は客と喧嘩しようか何しようが構わない、客に罵詈雑言言っても構わない。脱いでも構わない。でも、30分舞台上に居続けないとダメって。
田中裕二:うん。
太田光:「そうすれば私たちは、何とでも言えるから。向こうからクレームきたって、時間通りやりましたから」って。
田中裕二:うん、うん。
太田光:「それはお客とネタの好みが合わなかったかもしれないけど、東京ではウケますとかね、なんとでも言えるけど。あなたたちが約束の時間を満たさないで15分で降りてきちゃったら、私は何も言えないから」って。
田中裕二:うん。
太田光:「とにかくまず自分で素人って言ってはいけないのと、時間をオーバーしてもダメだし、ぴったりにとにかく舞台上にいて、途中で降りてきちゃダメ」って。それが副社の教えだったよね。
田中裕二:うん。
太田光:あれは「なるほど、プロってそういうもんか」って思ったよね。