「就職するな」と指導
秋山竜次:父ちゃんがね、もうヤバイんですよ、親父が本当に。ただの性欲の塊みたいな。
長峰由紀:違うでしょ(笑)それもあるかもしれないけど、役者さんでいらっしゃってね。
秋山竜次:そうです、そうです。昔、親父が大部屋俳優で、斬られ役をやってて。とにかく、僕も子供の頃、「映画がいっぱい出てる」って言われて、いざ見たら全部、親父が死んじゃってるんですよね。
ジェーン・スー:ふふ(笑)
秋山竜次:さっき5分前に親父がぶっ倒れたのに、また生き返って歩いてる、みたいな(笑)「次、通行人かい」みたいなのいっぱいあって。
ジェーン・スー:ええ。
秋山竜次:親父が東映を目指してたんですけども、1回戻ってきてみたいな。だから、結構ね、自由にやらせるタイプだったんです。
ジェーン・スー:ああ、じゃあ親の反対はなかった?
秋山竜次:全然。もう「勝手に行きなさい」みたいな。なんなら、「就職すんな」って言うタイプでしたね。「今頃から就職したってもったいないから、もっと若いうちにやりなさい、とにかく一回、北九州から出てけ」って追い出されましたよ。
ジェーン・スー:いいお父さん。
秋山竜次:すげぇ自由で。だから、母ちゃんがイライラしちゃって。「お父さんんの言うこと、聞きなさんな。お父さんの言うことが正しいわけやないからね」って。
長峰由紀:このバランスですよ。
ジェーン・スー:バランスとってたんですね、それで。
秋山竜次:親父が言ってたんで、自由に出てきましたから。でも、お笑い芸人になるって宣言してないですし。
ロバート秋山竜次、お笑い芸人を志した経緯と「元・大部屋俳優」である父親の破天荒な教育方針を語る「就職するな」
キングオブコント直前にスキンヘッドに
太田光:応援してんだねぇ、親が。キングオブコントも応援したんだろ?。
秋山竜次:当日の二日前くらいにメールが来て。親父、『俺も気合い入れます』って言って、いきなりスキンヘッドにしてるんですよ。
田中裕二:えぇ?なんで?
秋山竜次:ツルツルにしてんですよ。『俺も気合い入れたから、お前も頑張れ』って言って。
太田光:はっはっは(笑)
山本博:重い、重い。逆にやりづらいわ。
秋山竜次:終わった後も、大げさに『これは平成の世に遺るコントになりましたね』ってメールが来て。
太田光:いいね!(笑)熱いね、親父(笑)
父親の仕事
秋山竜次:親父が結構変わった人で。
太田光:インチキなの?
秋山竜次:インチキではないんですけど、色々輸入して、外に出すってことをやってて…
田中裕二:ザックリしすぎてて。輸入して外に出すって、別に普通なことだからね。
太田光:はっはっは(笑)
秋山竜次:軽トラックを…
山本「聞いたら怪しいんですけど、軽トラックを買いあさって…
秋山竜次:買い漁ってって、人聞きの悪い!
田中裕二:普通に『買って』で良いでしょう。買い漁って、だと人聞き悪いから。
山本博:『忍』って漢字を書いただけでそのままアメリカに売るんですって。そうすると、買ってくれるんですって。
太田光:はっはっは(笑)
山本博:今、忍者ブームで。
秋山竜次:使わなくなった軽トラックなんで、処分に困ってるのを親父が集めてるんです。ちゃんと修理して、迷彩に塗ったり、真っ黒に塗って、最後に『侍』とか、『刀』とか漢字を一文字入れると、アメリカの方が、敷地内とか芝生の上を乗るのにちょうど良いんですって。
馬場裕之:カート感覚でね。
太田光:へぇ。
秋山竜次:俺にも送ってくれ、俺にも送ってくれってことで。
太田光:怪しい(笑)
秋山竜次:それでビックリしたのが、吉本の劇場にグッズ売り場があるんですよ。売店みたいなのが。そこに、それぞれの芸人のステッカーが売ってて、ロバートならロバートのシールがあるんです。
太田光:へぇ。
秋山竜次:それを、毎月『50枚くらい送ってくれ』って言うんですよ。親戚に送るもんだと思って、売店で買い取って送ってたんですよ。
田中裕二:うん、うん。
秋山竜次:ただ、そのペースが凄くて。月100枚くらいのペースになって、吉本の人も『なんでこんなロバートのシール売れるんだ』ってことになって。僕が買い取ってるっても思ってないでしょうし。それを実家の九州に送ってて。
田中裕二:うん、うん。
秋山竜次:それで、おかしいって思って。半年くらい経って、弟に『なんであんなに親父はシールが必要なんだ?』って訊いたら、とんでもないことが判明したって言い出して。
田中裕二:え?
秋山竜次:タイだとかベトナムだとか、いろんなところに送るときに、仕上げでロバートステッカーを貼って、コンテナに積んで送ってたんです。だから、海外にいっぱいよく分からない三人組のやつらのシールが出回ってて。
太田光:それは、親としてはロバートを広めたいんだろ?良い親父だな。
秋山竜次:でも、海外の人にとっては、『なんだこの三人組のシール』ってなるでしょ。
田中裕二:謎のステッカーだな。
秋山竜次:異常に売れてる時期があって、僕らのステッカーが。それを送ってて、とんでもないことをやってるって分かって。
田中裕二:いやぁ、凄いな。でも、良いお父さんだな。