若林と山里との出会い
若林正恭:スゴイよね。それで、『たりないふたり』っていうのは、ディレクターの安島(隆)さん(注釈:後述の『潜在異色』の演出も担当)がやってて。それで、各々で飲んでた時に、山ちゃんと俺が言ってるグチが全く一緒だって言ってて(笑)
春日俊彰:ヘッヘッヘ(笑)
若林正恭:それで3人で飲んだのが初めての出会いなんだけど。
春日俊彰:なるほど。
若林正恭:当時、山ちゃんを先輩だと思ってて。
春日俊彰:うん、うん。
若林正恭:もの凄いリスペクトしてたのよ。
春日俊彰:うん、うん。
若林正恭:大ファンで。Youtubeの『山里亮太 ツッコミ27連発』っていうのをいっつも観てたの。
春日俊彰:ふふ(笑)
若林正恭:「この人は天才だな」って思って。
春日俊彰:うん。
若林正恭:実際に会って、人見知りだったり、社交性がなかったりするっていう、あと逆恨みっていう(笑)色んな共通点で仲良くなったんだけど。
ライブ『潜在異色』で漫才コンビを組む
山里亮太:『たりないふたり』ってライブをやるの。この『たりないふたり』っていうのは、僕のユニットなんだけど、これはオードリー若林くんと、僕のユニットなの。
このユニットは、もともと潜在異色ってイベントが発端で、「若林くん、心のセコムしてますか?」でお馴染みの若林くんが、珍しくすごく僕に喋り掛けてくれて、心を開いてくれて。
「実は、漫才を山里さんとやってみたいんです」って言ってくれて。実は、俺もそう思ってたんだ、って言って。同じ猛獣使いタイプの芸人だから、その猛獣使い同士が漫才、つまりツッコミ同士が組んだらどうなるんだろう、ボケの無い漫才、ツッコミだけでどれくらいできるかって一回、やってみようかってことで始まって。
そのネタ作りが楽しくてさ。それぞれのコンビがどうだって話じゃないよ。それが楽しくてさ、バカって単語に対して、どういう言い方をするか、とか会議したりするの、二人で。そういうのを積み重ねたライブをやろうってことになって。
まぁね、若林くんが好きだね、漫才が。ずっと漫才のことを喋ってて。俺らのテーマが、心の闇だから、闇のある者同士、人見知りだから、苦手なタイプとかあるの。苦手なタイプを、面白オカシく漫才に昇華していこう、ていうのがテーマになってるの。だから、苦手なタイプの出し合いになるわけ。どういうときに、こういうことしてる人間が苦手だ、とか。
そういうのをやり取りして、若林くんのブレーンであるどきどきキャンプの佐藤くんがメモってくれるんだけど、そのホワイトボードを終わって見たら、ゾッとしたね。色んな角度からの悪口でビッシリになってるの。それで、僕と若林くんでケタケタケタって笑って。最悪の打ち合わせしてるんだけどね。
『たりないふたり』でコンビ結成
山里亮太:やっぱり若林くんとの漫才って、今まで、俺が生きてきてやってた漫才と、全く違うものだからさ。困惑は毎回してるんだけどさ。
前も言った通り、5分のネタでも、あの子は50分とか出来ちゃう人だから。ふざけ続けて。その中で、ずっと2年前もやってて。2014年になって、どうなってるかって言ったら、お互い、大人になって落ち着いたかなって思ったら、全っ然。むっちゃくちゃヤンチャになってんの、アイツ。
もう、若林くんが完全にボケなのよ。それで、先週も言ったけど、俺は若林くんのボケを見た瞬間に、世の中にツッコミっていう仕事があって良かった、と。僕にはこんなボケは思いつかない、作れませんって思って。白旗を揚げてる。
でも、白旗を揚げるほどのボケの人と組んで、ツッコミができるって幸せも練習のたびに感じるの。あの子は言われるのイヤがるんだけど、天才なのよ、オードリー・若林っていうのは。漫才が好きすぎる。漫才が大好きで。それだからこそ、俺は若林くんが提示してくれるボケは面白いから、「これで良い」と。山里はみなさんのご存知の通り、予習屋さんですから。テンプレートですから。
若林正恭:山ちゃんが日々、レベルアップする秘訣なんだけど、やっぱり舞台降りた後に、反省からするのね。
春日俊彰:うん。
若林正恭:「あそこと、あそこ、ああやって感じでツッコめたなぁ」とか。
春日俊彰:へぇ。
若林正恭:そう考えたら、俺なんかもう、全部諦めちゃってるね。
春日俊彰:うん。
若林正恭:「大体、俺だったらこれくらいミスするだろうし、これくらい成功するだろうし」っていう振れ幅が大体、分かっちゃってるから、できなくても反省しなくなっちゃってるし。
春日俊彰:うん。
若林正恭:出来たとしても、別に凄いと思わないし。本当に、昔の自分に戻りたいなって思ったよ(笑)山ちゃんの真剣な姿を見て。
春日俊彰:ふふ(笑)もう戻れない?
若林正恭:凄いね、山ちゃん。やっぱり反省点から言うね。舞台降りた直後に。
心を開く仲に
若林正恭:「オードリーの漫才の稽古の仕方と、南海キャンディーズの漫才の稽古の仕方が、違うんだよ」って酔っ払って言ってて。
春日俊彰:ほぉ。
若林正恭:「南海キャンディーズは、イタリアのちゃんとした学校で、システムを教えてくれるサッカーで、オードリーは南米で裸足でボールを蹴ってるみたいな稽古だから」って(笑)
春日俊彰:そんな(笑)
若林正恭:「やめて、そういうの。言ったり言わなかったり」って(笑)
春日俊彰:ちゃんとしてくれ、と(笑)
若林正恭:それで、凄い山ちゃん酔っちゃってさ(笑)楽しかったのかさ。
春日俊彰:うん。
若林正恭:ずっと「若林くんは、凄いんだよ」って言ってくれんのよ。それがいつも気持ちいいんだけど(笑)
春日俊彰:じゃあ、いいじゃん(笑)
若林正恭:でも、酔うと本音になったりするって言ったりするけど、「だから、世間的には俺より若林くんの方が下って評価だけどさ」って言ってて(笑)「それは過小評価だよ」って言ってんだけど、「まぁ、そうか…」って思って(笑)
春日俊彰:それはさ、山里さんの「俺より下」っていうのは、どこ調べなんだ(笑)どこかの機械が出してんのかな?(笑)
若林正恭:いやでも、分かるんだけどね。今、山ちゃんの評価って凄い高くて。
春日俊彰:まぁ、いろいろやられてるからね。
若林正恭:もう、MCになっていくじゃん。
春日俊彰:そうだね。
若林正恭:多分、三色ショッピングとか、『スッキリ!!』とかもそうだけど、世の中の人が普通に女子大生が「軽快に回せる人だ」って思ってると思うのよ。
春日俊彰:あぁ。
若林正恭:それも分かるんだけどさ、スゲェ酔っ払って「若林くんが下っていうのは、違うんだよ」みたいに言ってて。普通にショック受けちゃって(笑)
春日俊彰:そうだね(笑)「そうなんだ…」って思うよね(笑)「知らなかったわ」っていう(笑)
若林正恭:それで次の日に、「醜態をさらしてしまったようで、ごめんなさい」みたいなメールがきたんだけど(笑)
春日俊彰:しょうがないね(笑)
若林正恭:もう、『たりないふたり』で、「飲み会嫌いだ」って飲み会からどう逃げるかってことをずっとやってきたのに、一昨日に飲んだんだけど、帰りに「お前ら、帰る気じゃねぇだろうな!」って酔っ払って言っててさ(笑)
春日俊彰:山里さんが?
若林正恭:うん(笑)「次の店、付き合ってくれるヤツ、いるんだろうな!」って。仕事があって帰ろうとするスタッフにも、「おい、逃げんのか?」って。俺達が一番嫌ってる人たちになってて(笑)
春日俊彰:そういうヤツから、どう逃げるかってことをやってるんでしょ?(笑)
若林正恭:それをライブでやった後に、そういう人になってるから(笑)
春日俊彰:しょうがないね(笑)
若林正恭:『たりないふたり』のお客さんも、カリスマ視して見てるね。山ちゃんを。
春日俊彰:それを感じる?
若林正恭:感じる。それで、2年前の時から予感はしてたんだけど、『たりないふたり』が始まったのがもう5年くらい前なの。5年前は、そういう感じでもなかったと思うの。山ちゃん、キモくて面白いって感じあったんだけど、もはや、言葉の魔術師みたいな空気になっちゃって。
春日俊彰:うん。
若林正恭:俺のファンが少ないね。客先に。
春日俊彰:分かるの?
若林正恭:分かるね。それで、俺も悔しくてさ。なんとか足を引っ張ってやろうと思ってんだけど、なかなか尻尾出さないんだよな。優しいし、良い奴だし。
春日俊彰:そうだなぁ。減るだろうね、また若林さんのファンが。そういう発想だとね。
若林正恭:ふふ(笑)
春日俊彰:同じような発想のヤツしか、若林さんには付いてこないよ。
若林正恭:怖いなぁ(笑)
春日俊彰:引っ張ってやれ、アイツの。揚げ足を取ったれ、若林、イケイケ!っていうね(笑)
若林正恭:山ちゃんの人気って凄くて。俺の周りのメイクさんとか、行きつけのカフェの店員さんも、「山ちゃんと会いたい」って子多いし。
春日俊彰:へぇ。
若林正恭:でも、山ちゃんは会わないんだよね。
春日俊彰:なんで?
若林正恭:分かんないけど、ストイックだから。
オードリー、山里も出演していた番組『ミレニアムズ』開始
若林正恭:そんなのやりましたよね。知ってる方もいるかな。フジテレビで、このたび、『ミレニアムズ』という番組をやることになりまして。
春日俊彰:うん。
若林正恭:それがまた、メンバーがオードリー、ナイツ、流れ星、山ちゃん、ウーマンラッシュアワーということで。そういえば、女の子が入ってないんですよね。
春日俊彰:うん。
若林正恭:コントはやらないみたいなんだよね、コント師が1人もいないから。みんな漫才師だからね。
春日俊彰:そうだね。
若林正恭:それで、発表というか。番組始まって…番組できるっていうのは、一回特番やって。夕方か深夜で特番やってるでしょ。2回やるときもある。それで、1回ゴールデンでやって、数字が良かったらレギュラー。
春日俊彰:うん。
若林正恭:1クールに1回ずつ、2クールに1回ずつやってるんだけど、なかなか結果が出ないなって(笑)レギュラーになるかどうかっていうのもあるじゃないですか。
春日俊彰:うん。
若林正恭:何もなしに…目隠しされて。フジテレビの別の番組の収録っていうことで行って、駐車場で目隠しされて、ヘッドホンつけられて。「これ、ドッキリだな」って思って。その瞬間、色んなことが頭のなかを駆け巡るね。「ああ…『めちゃイケ』だ」って。この無茶な感じ、目隠し…「シンクロナイズド・テイスティングだ」って思って。途中で着替えるのかなって思ってね。
春日俊彰:うん。
若林正恭:でも、それは口に出さない方がいいから。あと、候補であったのが、私がフジテレビでやってる『未来ロケット』っていう番組がね、ゴールデンに上がるっていう(笑)
春日俊彰:おお(笑)
若林正恭:連れて行かれて、目隠しとったら、セットが豪華になってて、ゴールデンに上がります、みたいな。もしくは11時台に上がります、みたいなね。
春日俊彰:うん。
若林正恭:でも、目隠しとったら、全然違うんですよ。目隠しとって、初めて目に入ってきたのは、ナイツの2人ですよね。地味な格好したナイツ。
春日俊彰:はいはい。
若林正恭:お客さんがキャーって。みんなもドッキリでしたから、目隠しとって、お客さんが既に入ってて。モニターで出るんですよね。
春日俊彰:そう。
若林正恭:そのメンバーで、番組が始まります、と。「『ミレニアムズ』です」ってタイトルが出た瞬間、春日早かったよね。「ダサくないかい?」って(笑)
春日俊彰:はっはっはっ(笑)
若林正恭:今日日ね…っていうのもあったんでしょうね(笑)
春日俊彰:モニターで文字が出て。それで我々が読むわけですよ。そのメンバーで新番組が始まります、と。それでタイトルがドンって出たから、思わず「ダセェ」って(笑)凄いカッコイイの期待してたから。
若林正恭:『はねるのトびら』とか『ピカルの定理』とかね。
春日俊彰:大きく振った割りに、『ミレニアムズ』だったから、「なんかダセェな」って。
『ミレニアムズ』終了
山里亮太:(『ミレニアムズ』が終了するにあたり)良い思い出ですよ。でも、もっと…いや、「もっと」と言うとアレだな(笑)思ったほど、推されなかったね(笑)
いや、ほら、あの系譜でしょ?『はねる』とか、『ピカル』とかの系譜でしょ、一応。同期ぐらいが集められて。もっと、色んなのに呼ばれるかな、と思ったら、思ったほど呼ばれなかった(笑)
あと、これはね…褒め言葉よ。フジテレビの清掃員っていうのは、優秀だと思うんですよ。最終回の収録行ったでしょ?もう、『ミレニアムズ』のポスター、なかったもんね。早ぇ、剥すのって(笑)
それで、この話で一番恐ろしいのはね…みんなさぁ、しんみりしてるわけよ。そりゃそうよ。その仲間、漫才師として尊敬してたもん。でも、平場でトークしてたのが、一番跳ねてたの。コントも、もちろん面白かったよ(笑)でも、跳ねてる感じになったのは、漫才師が揃うから。
みんなね、「もっと色々やりたかったね」なんて。「これ終わったらさ、この枠、何が始まるんだよ」って。俺だけは、もう知ってたんだけどね。『テラスハウス』が始まるんだよ(笑)
ヤベェなぁって思ってたら、若林がチクリやがって(笑)変な空気になっちゃった(笑)そんなこんなの『ミレニアムズ』ですよ。あっさり終わりましたけど。いつの間にか、全国の方は観れない場所になり、深夜になったけど。観てくださった方もいらっしゃって。凄い楽しかったって言ってくれると嬉しかったですよ。
本音を話し合える仲に
若林正恭:違うんだよ。山ちゃんね、本当にモデルさんとか女子アナの方と結婚しようとしてる節があるの。
山里亮太:それはだって、夢は見るよ。
春日俊彰:それは、自分より上の人間と結婚したいってことですか?
山里亮太:お前、俺を下に見てんな。
春日俊彰:ふふ(笑)いや、モデルさんとか女子アナって、やっぱり上の…
山里亮太:何が?俺たちだってこの世界で戦って頑張ってんだから。そこらへんにね、別に下に行くことないだろ。
若林正恭:酔っ払ってる時に言ってたのよ(笑)
山里亮太:酔っ払ってるときに言ってるやつは、やめたほうがよくない?
春日俊彰:まだあるんでしょうね。
山里亮太:まだあるから、止めてんだよ。
若林正恭:「ここまで来たら、一軍と結婚するしかねぇだろ!」って叫んでたのよ(笑)
春日俊彰:言ってんじゃない(笑)自覚あるじゃないですか(笑)
山里亮太:そうだね、自分が一軍ではないこと前提なんだよ(笑)
春日俊彰:ほら、言ったじゃないですか。
山里亮太:俺、自分のことをアストロ球団だと思ってるんですよ。
若林正恭:はっはっはっ(笑)
若林正恭:酔っ払ってさ、「上岡龍太郎さんになりたい」って叫んでたじゃない?
山里亮太:いや、若ちゃんさ…
若林正恭:東中野で。
山里亮太:若ちゃんね、酔っ払ってるときのことは、あの扉出たときに置いてかないと。
若林正恭:いや、ラングサムでさ(笑)
山里亮太:そう(笑)中野にあるラングサムって、美味しいね、イタリアンのお店があるんだよ、行ったんだよ。
春日俊彰:はい、はい。
若林正恭:そういうのさ、どういう戦略かだけ教えて?この後の、5年。
山里亮太:いや、この後の5年っていうか、どういう戦略かっていう前に、俺の一番照れるタイトル言ったじゃんか。
若林正恭:はっはっはっ(笑)
山里亮太:この5年で言うと、そうなれるように逆算して色々やってるよ。
若林正恭:はっはっはっ(笑)
春日俊彰:ああ。
若林正恭:上岡龍太郎さんに近づくように。
山里亮太:もう一回言わないでいい。近づけないよ、それは雲の上の人だよ。でも、方向性としてはね、ああいうふうになれたらいいなって思って。
若林正恭:「笑いのテンポのスパンがもっと短い池上彰さんになりたい」っていうのも言ってて。
春日俊彰:色んな目標があんだね。
山里亮太:若ちゃんね、俺、こんなこと言うのもなんだけど…言ったよ。
若林正恭:はっはっはっ(笑)
山里にとっての若林
若林正恭:俺が変な風にイジられてる番組見て、「若ちゃん、あのイジられ方ないね。俺に任せておけ。あのタレントの変な噂、バッチリ流しておく」って、
西加奈子:うん。
若林正恭:俺がそんなムカついてないのに、俺よりムカついてるから。
山里亮太:腹立っちゃって。
西加奈子:優しいよね。ヤンキーっぽい。
若林正恭:ヤンキーなのよ。お兄ちゃんが結構、放送できないレベルのヤンキーだったから。
山里亮太:放送できるよ!
若林正恭:ふふ(笑)
山里亮太:ユーモラスなレベルのヤンキーだよ。
若林正恭:結構、仲間と分けるよね。山ちゃん、一回、嫌うと直らないもんね。
山里亮太:ダメなの(笑)
西加奈子:そうなんや。
山里亮太:でも、仲間はめちゃめちゃ愛するもんね?
山里亮太:そう、好きなの。
オードリー若林、番組で自分が変なイジられ方をされて山里亮太が激怒し「俺に任せとけ。あのタレントの変な噂流しておく」と言われたと暴露
本ってさ、読んだ後に「解説文」ってさ、誰かに頼んだりするじゃない。で、(『天才はあきらめた』の)解説文はですね、ダメ元で頼んでみたんですよ、オードリー若林。
そしたら、あの男もこういうところねズルイのよ、粋だわぁ。二つ返事でOKいただきまして。で、今回、7月6日に出せるようになったのも、若ちゃんの凄さがあって。まぁ、お忙しい方…まず、読まなきゃいけないから。読んで解説書くって、時間もかかるし忙しいから、本当に「いついつぐらいまでで書いてくれたら結構ですんで」って編集者の方、言ったんだけど。
渡して、すぐだったんだよね。締め切り1ヶ月前倒しぐらいで書いてくれて。で、その解説文が正直、俺、読んで恥ずかしいけども目真っ赤になった。
もうこの解説文だけでも、読み物としてむちゃくちゃいいっていう。先に原稿見た、うちのマネージャーさんは、その解説文で泣いたんです。これはね、凄いのよ。すげぇなぁ、あの男。
で、まぁそこね、読んで欲しいなぁと思うけど。本当にまぁ、2006年から12年の間に、色々ありましたから。コンビの紆余曲折の良い面っていうのも最近は出るようになって。だから、2006年の時には見えなかった、コンビの良い面とか新しくをやってきた仕事に対する向き合い方とか。そういうのもね、いろいろ書いてますんでですね。
若林にとっての山里
逆に、 山里亮太を天才だと思わない人ってこの世にいるのだろうか。
……
あんたのその才能に、絶対俺が一番悔しい思いをしているからである。
……
後々気づいたことなのだが、山里亮太は99%の成功があったとしても1%のミスに注目する。彼は、その1%のミスと今も毎日毎日格闘している。その1%を帰り道で反芻し、苦悶する。家に帰ってからはノートやパソコンに反省を書き出す。その後、今後同じシチュエーションになった時の対策を書き込む。そして、次の日の仕事のプランを練ってから自慰行為をしてようやく朝方に眠るのである。
……
オードリーの漫才でも語彙力やワードのチョイスのセンスを軸にしたツッコミはやめた。「うるせぇな!」や「やめろ!」のような第一次的な感情でのツッコミにシフトチェンジした。ワードでは絶対に山里亮太には勝てないから。多分、今後も誰も勝てない。だって、山ちゃんはパイオニアだから。フォロワーは絶対追いつけない。
……
「山里亮太は天才である」
天才とは、尽きない劣等感と尽きない愛のことなのだから。
そして、得てして天才は自分が天才だと気づかない。
ダメだ。たりないふたりの漫才がやりた過ぎる。『天才はあきらめた』解説文より