2020年5月5日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週火 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、ナインティナイン・岡村隆史の発言が大炎上したのは、性風俗産業に従事していて「本当に切羽詰まってて、ジレンマを抱えている」人々の存在が背景にあると指摘していた。
太田光：岡村の言ったことっていうのはね、ちょっと食い違いがあるんだと思うんだけどね。
田中裕二：うん。
太田光：今、やっぱりね、風俗業界も俺らの頃とちょっと違って。東日本大震災とか色々あった中で、大分変わってきてるんだよね。
田中裕二：うん。
太田光：つまり、昔だったら「お金に困って」っていう、そういう時代があったんだけど。
田中裕二：うん。
太田光：今、一概には言えないよ。一概には言えないけど。
田中裕二：もちろん、色んな人がいるからね。
太田光：需要と供給で言うと、供給過多なんですよ、風俗業界って。
田中裕二：うん。
太田光：やりたい人が多いんですよ。
田中裕二：客の方が少ないってことね。
太田光：うん。それはなんでかっていうと、ざっくりとした雑感だけど、一時期、風俗アイドル、フードルとか流行った。で、一時はキャバ嬢が憧れの職業になった。
田中裕二：うん。
太田光：そうすると、昔の俺らの時代。お前なんかね、吉原遊郭の頃だからアレだけど…
田中裕二：江戸時代か(笑)
太田光：そうすると、どうしても売られていく。
田中裕二：そういうイメージというかね。
太田光：実は、今の女の子達って、そういう人たちはもちろんいるけれども、同時にやっぱり増えているのは、やっぱ憧れだったり、そこに好きでやってる。
田中裕二：うん。
太田光：だからこそ風俗業界もキツイんですよ。多いから、その中で格差が生まれるわけ。人気の人は、そりゃあ儲かるかもしれない。でも、それでもね今、儲からないらしいよ。
田中裕二：うん。
太田光：だから岡村が言うように、パッとやって儲かる仕事じゃないんだよ。それは岡村のもしかしたら勘違いかもしれない。
田中裕二：うん。
太田光：で、そこではやっぱりもっと厳しい格差が生まれちゃうから。残酷な世界じゃないですか、要は見た目でランク付けするわけで。
田中裕二：まぁまぁ、そうだね。
太田光：それをけしからんって思う人もいれば、それこそアイドルやホストクラブだって同じだからね。
田中裕二：うん。
太田光：そういう意味じゃ、そこの価値観となってて、「別に競争だから」って言う人もいる。やっぱりそこで格差が生まれるから、余計苦しいんだと思うんだ。
田中裕二：うん。
太田光：だってコロナで、たとえば風俗業界の人たちがもう本当に不安の中でやってる。
田中裕二：うん、うん。
太田光：でも今、「性風俗業の労働環境を良くしよう」って言えないんだよ。それはだってさ、グレーゾーンだから、彼女たちの仕事場って。
田中裕二：そうね。
太田光：だから、そこも闘ってる人がいるわけだよ。ただ、政府はそれを公に「はい、仕事です」って大っぴらに認めるわけにもいかない。ましてやここのところ、オリンピックが来るってなったら、当然必ずそういう時には浄化作戦みたいになるから。
田中裕二：はい。
太田光：歌舞伎町も摘発されたり。だけども絶対になくならないじゃない、そういう仕事って。
田中裕二：うん。
太田光：だとしたら本当はですよ、本当はそこをちゃんと安全に働ける状態にしなきゃいけない、現実的にはね。
田中裕二：うん。
太田光：だけど、臭いものには蓋だから。それはもう世界中がそうですよ。そこを認めることが難しいからこそのジレンマがあるわけで。
田中裕二：うん。
太田光：でも、本当はその子たちもちゃんと生活を補償される、サービス業として。マッサージだとかそういう…
田中裕二：家族もいるわけだしね。もしくは子供いる人だっているかもしれないから。
太田光：シングルマザーだって多いわけで。でも、本当はコロナ禍の中で、まだやってる店だってあるわけで。そこにはお客が来るわけで、濃厚接触って。そういうのも安全にやってますと言いつつ、不安の中で。でも店、やめてくださいとも言えず。
田中裕二：うん。
太田光：もうそれこそ閉店すれば、食い扶持がないわけだから。
田中裕二：うん。
太田光：もう本当に切羽詰まってて。でも、それは実は今に始まったことじゃなくて、ずーっと前からジレンマをずっと抱えている人たちがいて、そこでやっぱ岡村の発言が、そういうバックボーンがある中での発言だったわけだけど。
田中裕二：うん。
