2020年3月6日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『神田伯山 問わず語りの伯山』(毎週金 21:30-22:00)にて、講談師の神田伯山が、立川志らくは妻・酒井莉加と弟子の不倫で「古今亭志ん朝を超えるよね、『紙入れ』で」と発言していた。
神田伯山:「紙入れ」って話があるんですよ。また「風呂敷」って話とか、間男って、浮気を扱っている。江戸時代から当たり前のようにあったんだよね。
江戸時代なんか、間男したら死刑なんて言われてた時もあったんだからさ。そう考えると結構さ、重罪だろうけど江戸っ子たちはもう結構みんなやってたんだろうな、あんなのな。
色んな話があって。「紙入れ」って話があってさ。貸本屋がいるんだよ、新吉って奴が。それが旦那のところ行ってさ、出入り業者なわけだよ。「宮本武蔵の貸本、手に入れました」「佐々木小次郎手に入れました」みたいなさ。「どうです?旦那」っつって。「面白そうだな」なんて。
で、その時に、カミさんがいて、色っぽいんだよ、また。ふとももチラッチラ、チラッチラ見せてくる感じ。そんな描写ないけど、古典には。
で、新吉が口説かれちゃってさ、旦那がいない時にさ。もう浴びせ倒し、みたいになっちゃって。で、新吉も若いから、もうこれは…もうこれは辛いっていう。これがまさにだよ。
女将さんから行ったのか分かんないけど、その弟子、元弟子なのか分からないけど、立川うおるたーさんっていうの?うおるたーさんが一回、クビになって、今、タコ太郎になってんの?
うおるたー改め、タコ太郎になってんの?たけし軍団じゃねぇか。タコ太郎って名前に、愛情は一個もないもんね。
で、タコ太郎が押し倒されてるみたい、まさに古典落語。分かんないよ、タコ太郎から行ったのか分からないけど、多分、女将さんからじゃない?弟子から行かないだろ。
いや、分かんない。それは分かんないですよ、伯山TVも入ってないし。伯山TVが入ったらもう話変わってくるけど。
とにもかくにも、そういう風になってて。で、その最終的に新吉はさ、紙入れって言って、財布忘れちゃうんだよ。
「やっちゃった、紙入れ忘れちゃったよ」って。で、「紙入れ」ってタイトルなんだけど。「うわ、ヤベェ。ちょっと俺がその間男して、みたいなの分かっちゃうんじゃないの?」みたいになって。
「うわぁ、どうしよう」って、翌日行くんだよね。「行かないといけない」っていうんで。で、旦那探るんだよ。旦那は全然分かってないの、間男してるなんて、鈍感だから気づいてなく。
「旦那、ちょっとね…」って探るんだよ。そしたら、「何だい?何だい?」って。「聞いた話なんですけど」みたいな。「間男した奴がいるみたいなんですよ」って言ったら、「バカ野郎だなぁ、そいつは」って、全然気づいてないの。
「他人のもんに手を出したらダメなんだから」「え?」っていう、そういう面白い描写があってさ。で、その後に、女将さんが出てきて、「どうしたんだい?何揉めてんだよ」「コイツの友達かなんかで、間男してる奴がいる、他人のもんに手を出しちゃいけねぇって、俺は言ってやったんだよ」って。
「バカだねぇ。でも、そいつに言っておいてあげなよ。そんなことする、旦那の留守の間にやるような女だよ。そこに抜かりはないやね。恐らく、紙入れの一つかなんかはさぁ、その女房が持ってるんじゃないの?」なんつって。「そうよ、そうよ。とんとそこには気がつくめぇ」ってオチなの。
それが志らく師匠なの。俺も、長いこと紙入れを普通にやってしまいましたけど(笑)ちょっと違うけど、下げとか。それがさ、要するにさ、間男する側と、される側で志らく師匠の立場も違うけど。
そんなのさ、全国ツアーでさ、タイトル「紙入れ」でやったらさ、みんな聴きたいよ。そもそも、志らく師匠、紙入れとか得意だもんね。志ん朝師匠の『紙入れ』とか、志ん生の『風呂敷』とか、めちゃめちゃ面白い、それは間男の話で。だから、志ん朝を超えるよね、『紙入れ』で。
いやぁ、凄いなぁ。だから、名人上手の超え方ってあってさ。志の輔師匠は、パルコで1ヶ月埋める、とかさ。それはもう、昭和の大名人・三遊亭圓生でも恐らくできなかったこと、みたいな。
志らく師匠はどう攻めるかって言うと、間男されるっていう(笑)それで古典落語、先人を超えてくっていう。こういうパターンもあったのかっていうね。
東出君の『子別れ』に続き、志らく師匠の『紙入れ』全国ツアー(笑)