2023年4月17日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、「雑用をしながら仕事を覚えてスキルアップ」をしていく期間をAIに奪われていくと結局は新人や若手が育たなくなってしまうのではと指摘していた。
伊集院光:AIのADができちゃうとさ、(下積み仕事を)やんなくていいじゃん。やんなくて多分、良くなって。なんとなく「次の、何分の曲出してとか」っていうのを多分音声で認識して用意されていくみたいなことになっていくじゃん。
そうすると、なんかディレクターはどういう感じで仕事してるのかは一切見ないまま、年数が来たからっていう理由で多分ADさんはディレクターになっていくみたいなことをすると、俺、どっかで…今、嫌々でも修行をずっとやってきて、中堅ディレクターになった人が枯渇したところで、次が入ってこないとか。
あと、それはAIもそうなんだけども、もう何万枚ってあるイラストの良いとこどりをずっとしながらこうイラストを作っていくわけじゃん。今までウサギのイラストを描いた人がいっぱいいるから、俺が「可愛いウサギ」って言うと、生成するわけじゃん。
「マシンガンのようにポログソを発射しているウサギ」ってやると、それが出てくるわけじゃん(笑)凄い勢いで。「マシンガンのようにポログソを連射することを利用した、ウサギの形の武器」みたいのも、多分イラスト出てくるわけじゃないですか。「…を肩に乗せているプーチン」みたいのも出てくるわけじゃないですか。
でも、これはどっかで一次ソースがなくなるはずだよね。新しいものができて、その新しいものを一から書いて、そこに差し出す、ネットに差し出す人っていうのが多分、イラストレーターは全員もう失業していなくなってる後に、枯渇がくるっていう。
これが、こうやりがい搾取だったりとか、パワハラだったりとか、そういうことと絡んでくるから、凄い難しい問題なんだけれども。まぁまぁ、少なくとも師匠が面倒くせぇなと思ってるカバンを運ぶようなことをやる代わりに、特等席で落語が聞けるみたいなことがまぁ、基本のラインじゃないですか。
で、よくウチの師匠が言ってくれた、開口一番って、お客さんの前で最初、落語をやるのを俺がスベったらどうしようと思ってると、「お前がどんなにこの客席の温度をマイナス何度まで行っても、俺の芸で常夏に戻せる」って言われれば、ここで俺はスベることができるじゃん。
で、難しいのは、自分も入ってきた時はすぐ凄くなれると思ってたし、そこそこもう喋れるって思って入ってきてるけど、やってみるとダメだったりとか、5年経ってみるとあの頃は酷かったっていうことになるから。
だからなんつったらいいのかな、入ってくる時にはADなんかやらなくて、いきなりディレクターになれるって思ってると思うけど、俺は多分そうもいかないと思うよ、みんなっていう。
自己評価はみんな高いけど、絶対そうはいかなくて、あまり苦痛じゃなかったりとか、余計なストレスはなるべくかからない方式がいいけども、やっぱりそのスキルアップをしながらいる期間みたいのを機械に奪われるとするならば、なんかそれは相当大変だなって。