2021年9月7日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週火 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、神田伯山は自分にとっての「太宰治の『人間失格』における竹一」であると思う理由について語っていた。
太田光:これさ、太宰治のさ、『人間失格』の竹一って言ったかな。太宰治って、『人間失格』っていうのは自伝的な小説なんだけど。
田中裕二:うん。
太田光:初めて自分のイヤらしさに気づくって時があるんだよ。道化のふりをして、鉄棒の逆上がりかなんかをやってる時に、小学校の時。それができないっていうので、クラスメイトがわっと笑うんだけど。
田中裕二:うん。
太田光:でも、実は太宰はできるんだけど。わざとできないように。
田中裕二:道化を演じてたわけね。
太田光:道化を演じてるっていうよりも、意識すらなく、無意識のうちに「こっちの方がみんなにウケがいい」っていうんで、できないふりをしてたら、「なんでできないんだよ」って盛り上がった後、一番クラスで頭悪くて、バカにしてた竹一って少年がつかつかって来て。
田中裕二:うん。
太田光:「わざと、わざと」って指摘してきて。その瞬間から、太宰の苦悩は始まるわけだよ。
田中裕二:はっはっはっ(笑)凄いね。
太田光:そう。その瞬間から、「うわ、見抜かれてる」ってことと、自分のイヤらしさ、道化を演じるイヤらしさってことの、自分で自分が許せないってところの苦悩が始まって。
田中裕二:うん。
太田光:結局、太宰はそこから誕生し、最終的に入水自殺まで行くわけだよ。
田中裕二:はい。
太田光:言ってみれば、その伯山のラジオを聞いてて、竹一を思い出して。
田中裕二:ああ。
太田光:いわゆるそういうことを指摘する。俺のイヤらしい部分とか。
田中裕二:はい、はい。ピカソの時とかね。
太田光:ナルシストな部分とか。「褒められたいと思ってんだろ?バカ野郎」とかさ(笑)
田中裕二:はっはっはっ(笑)
太田光:「どうせよかったと思ってるくせに」って。
田中裕二:ふふ(笑)分かる気がする(笑)
太田光:最初の「格好つけてんじゃねぇよ」みたいなことを言うんだよ、アイツ。
田中裕二:うん。
太田光:「アイツ、竹一だな」って思ってさ。アイツに殺されんだよ、俺。
田中裕二:いやいや(笑)
太田光:太宰はそれで、結局最終的に自殺まで追い込まれるんだよ。竹一がきっかけとして。
田中裕二:うん。
太田光:だから、アイツは竹一だよ、俺にとって。